【Su-17】(すほーいじゅうなな)
- Su-17<<R>>
旧ソビエトのスホーイ設計局で設計された試作前線戦闘機。
1947年に試作機は完成したが、強度不足でフラッターを起こす可能性があるとしてTsAGIから飛行許可を得られず、強度補強のためスホーイ設計局に戻された。
しかし、1949年に設計局が閉鎖したためそのまま開発中止になった。
【スペックデータ】
乗員 1名 全長 15.25m 全高 N/A 全幅 9.95m 翼面積 27.50㎡ 空虚重量 6,240kg 運用時重量 7,390kg エンジン リューリカ TR-3ターボジェット(推力45.1kN)×1基 最大速度 1,152km/h 航続距離 1,080km 実用上昇限度 14,500km 上昇率 3.5分/高度10,000m 武装 N-37 37mm機関砲×2門 - 旧ソビエト/ロシアのスホーイ設計局で開発された戦闘爆撃機。
Su-7と同じくNATOコードはFitter(フィッター)。
1960年代からMiG-23と共にSu-7の後継機として開発が始まり、1966年に初飛行した。
機体はSu-7の主翼を外翼部が稼動するだけの単純な可変後退翼に改設計した機体で、重量が2tほど増加し、燃料搭載容量は少なくなったものの、Su-7の欠点であった離着陸に要する滑走距離と航続距離が大幅に改善されている。
後退角は28度から62度まで変化する。
その後も燃料容量や細かい改設計が施された派生型が開発され、1990年までに、ソ連/ロシア国内向けに1,095機、輸出向けに1,866機が生産され、ソ連/ロシアやウクライナのほか、イラクなどの中東諸国などに輸出された。
ロシア空軍では1998年に退役したが、輸出型は現在でもポーランドやペルー、ベトナムなど数カ国で運用中である。
【スペックデータ】
乗員 1名 全長(機首プローブ含む) 16.81m(Su-17M)
17.34m(Su-22M4)全高 4.86m(Su-17M)
5.13m(Su-22M4)全幅 13.68m(後退角30度)
10.03m(後退角63度)主翼面積 38.4㎡(後退角30度)
34.5㎡(後退角63度)空虚重量 10,050kg(Su-17M)
10,900kg(Su-22M4)最大離陸重量 18,370kg(Su-17M)
19,400kg(Su-22M4)最大兵装搭載量 4,000kg(Su-17M)
3,000kg(Su-22M4)エンジン リューリカ設計局製AL-21F-3ターボジェット×1基 推力 76.49kN
109.83kN(A/B使用時)最大速度 マッハ2.1(Su-17M)
マッハ1.9(Su-22M4)海面上昇率 13,800m/min 実用上昇限度 15,600m(Su-17M)
15,400m(Su-22M4)最大航続距離 1,350nm(Su-17M)
1,240nm(Su-22M4)戦闘行動半径 370nm(Hi-Lo-Hi,Su-17M)
380nm(Hi-Lo-Hi,Su-22M4)
241nm(Lo-Lo-Lo,Su-17M)固定武装 NR-30 30mm機関砲×2門
GSh-23 23mm連装機関砲×1門(Su-20)兵装 R-3S(AA-2)AAM(Su-20)
Kh-27(AS-7「ケリー」)AGM
Kh-25(AS-10「カレン」)AGM
Kh-28(AS-9「カイル」)AGM
Kh-29(AS-14「ケッジ」)AGM
Kh-35(AS-20「カヤック」)ASM
Kh-25MP(AS-12「ケグラー」)ARM
通常爆弾(FAB-100/-250/-500/-1000)
クラスター爆弾(RBK-250/-500)
S-24ロケット弾ポッド
KKR偵察用ポッド
増槽等
【主な派生型】
- Su-7/17シリーズ
- Su-7IK(S-22I):
Su-7BMの後退翼を半可変翼に改修した原型機。
- Su-17:
初期生産型。エンジンはAL-7F-1-250ターボジェットを搭載。
量産機は電子装備の追加と尾部を中心とした構造の洗練化が行われた。
- Su-17R:
戦術偵察装備を搭載する戦術偵察機型。
- Su-17M:
Su-17の改良型。この型から本格的な配備が開始された。
エンジンは小型・軽量なAL-21F-3ターボジェットに換装され、出力や燃費が向上しているほか、胴体尾部は、生産性の向上のためエリアルールを無視して前部胴体と同じ直径のものに設計変更された。
- Su-17M2:
M型の改良型。
- Su-17M2R:
M2型を偵察機に改修した型。
- Su-17M2D:
Kh-23(AS-7「ケリー」)短距離空対地ミサイルの運用能力が付与された型。
- Su-17UM:
M2型の複座練習機型。
機首が下方へ曲げられ背部の膨らみも大型化されるなど、機体形状が大きく変化した。
また、機関砲は1門に減らされている。
- Su-17M3:
当初はSu-19と呼ばれていたSu-17シリーズの後期型で、機体形状は複座型に順じた形状になった。
改良も順次行われており、1978年以降の機体は垂直尾翼端が延長されているほか、後期シリーズでは尾部下面にフィンが取り付けられている。
また、この型から小型のハードポイントが左右主翼1箇所ずつに追加されており、自衛用の空対空ミサイルとしてR-60が搭載された。
- Su-17M3R:
M3型を偵察機に転用した型。
- Su-17M3P:
Kh-27PSやKh-58対レーダーミサイルの運用システムBA-58「ヴィユーガ-17」を搭載したSEAD型。
- Su-17UM3:
複座練習機型。M3型相当。
- Su-17M4:
当初はSu-21と呼ばれていた最終型で最も高度な攻撃能力を持つ。
可動式空気取り入れ口を固定式とするなどの簡略化を行い、重量を軽減し、最高速度を向上させると共に機器の収納スペースの増加が図られている。
外見上では、M3よりさらに大型化された背部の膨らみや、垂直尾翼付け根のインテイクの追加などが行われている。
- Su-17M4R:
M4型の偵察機型。新規製造された機体と既存機から改修された機体が存在する。
- Su-7IK(S-22I):
- Su-20/22シリーズ
- Su-20:
Su-17M相当の輸出型。エンジンはAL-21F-3を搭載している。
ワルシャワ条約機構加盟国向けの"A"規格とそれ以外の国向けでSu-7に準じたスペックダウン型の"B"規格がある。
主にポーランドやアラブ諸国で使用された。
- Su-20R:
Su-20の偵察機改修型。
- Su-22:
M2型に準ずる輸出型。エンジンはツマンスキーR-29BS-300ターボジェットを採用している。
主に、ペルーやリビア、アフガニスタンなどで使用されており、ペルー空軍に所属する機体は近代化改修が施されており、外見も若干変化している。
- Su-22M:
Su-17M3の輸出型。
M3型と同様に後期シリーズでは垂直尾翼端の延長が行われているが、尾部下部フィンの取り付けが行われているものとそうでないものとがある。
主にリビア、ペルー、ヴェトナム、イエメン等で使用されており、ペルー空軍所属機はSu-22同様、近代化改修が施されており、外見が若干変化している。
- Su-22UM:
Su-22Mに準じた複座練習機型。
- Su-22M3:
Su-17M3の"A"規格(ワルシャワ条約機構加盟国向け)輸出型でハンガリーのみで導入された。
エンジンはハンガリー側の希望によりR-29BS-300ターボジェットが採用された。
- Su-22UM3:
Su-17M3の複座練習機型。Su-22M3と同様、ハンガリーのみで運用された。
- Su-22UM3K:
Su-17UM3に準じた複座型。Su-22後期型使用国で運用された。
エンジンはAL-21F-3ターボジェットを搭載している。
- Su-22M4:
Su-17M4の輸出型。エンジンはAL-21F-3を搭載する。
ワルシャワ条約機構加盟国向けの"A"規格と、それ以外の第三世界向けの"B"規格とがあり、前者はSu-17M4の初期シリーズ、後者はSu-17M3の後期シリーズ程度の能力を持つ機体として設計されている。
ポーランド、ドイツ、ブルガリア、アフガニスタン、イラク、アンゴラ等で使用されており、ポーランド空軍所属の機体はNATO規格の改修が施されており、外見が若干変化している。
- Su-22M4R:
偵察機型。
- Su-22M5:
Su-22M4の近代化改修機としてフランスと共同開発された機体。
航空ショーにも出展されたが、実際に運用している国は無い模様である。
- Su-22M6:
Su-22M4の廉価版として開発された機体。
可変翼を廃し、45度の後退翼を持った航空機として設計されたが、実際に制作されることはなかった。
- Su-20:
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