『言海』から第二次世界大戦までとは? わかりやすく解説

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『言海』から第二次世界大戦まで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 23:50 UTC 版)

国語辞典」の記事における「『言海』から第二次世界大戦まで」の解説

近代国語辞典始まりは『言海』であると一般に認められている。もっとも、その前段があった。 文部省編輯寮では『語彙』という辞書編集進められた。ところが、1871年に「あ」の部が成立した後、1884年に「え」の部まで出たところで頓挫した大槻文彦は、その原因議論にのみ日を費やしたせいだとする。 1885年には近藤真琴編『ことばのその』、1888年1889年には高橋五郎編『和漢雅俗いろは辞典』、1888年には物集高見編『ことばのはやし』、1888年には高橋五郎編『漢英対照いろは辞典』が刊行されている。 『言海』は、『語彙』の失敗鑑みて文部省の命により大槻文彦のほぼ独力によって編集進められた。成稿の後、資金不足のため、しばらく文部省内に保管されたままだったが、1889年から1891年私費刊行された(当初は全4冊)。本文1000ページに39000語を収録する初の本格的な小型国語辞典である。語釈きわめて詳しく記された。後に吉川弘文館などから1冊本として刊行されるようになったその後印刷重ね1949年に第1000刷を迎えた大槻はこの辞書にほとんど全精力注いだ編纂中、幼い娘、そして妻を相次いで病気亡くし、その悲嘆のうちに本書刊行したと『言海末尾の「ことばのうみおくがき」で述べた。 『言海以降主な辞書を以下に示す。 言海 大槻文彦による自費出版1889年1891年大槻文彦 日本大辞書 日本大辞書発行所1892年1893年山田美妙中型口語体アクセントのついた辞書日本大辞林 宮内省1894年物集高見 帝国大辞典 三省堂1896年藤井乙男草野清民 日本辞林 三省堂1897年林甕臣棚橋一郎 ことばの泉 大倉書店1898年1899年落合直文初刊和装5冊。1899年洋装1冊。収録語は約13語で、古語俗語・方言のほか固有名詞といった百科的なものに及び、出典語源挙げる落合没後1908年嗣子落合直幸らが『大増日本大辞典ことばのいづみ補遺』1冊を刊行辞林 三省堂1907年金沢庄三郎同時代言葉多く取り入れたことが特徴1911年改訂。『広辞林』『小辞林』『辞海』『明解国語辞典』など後に三省堂刊行する辞典の祖に当たる。 大日本国語辞典 冨山房金港堂1915年1919年松井簡治上田万年20語の本格的な辞書。『世界大百科事典』の該当項目は「規模大きく編纂方針整備され、のちの国語辞書一つの範となった」と評し、『日本辞書辞典』は「最初の、近代的大型国語辞典」とする。松井はこの辞典のために、後に静嘉堂文庫収蔵されることになる多数資料集め語釈筆を執る当たって一日三十三語」という目標立てて実行したという。のちの『日本国語大辞典』につながる存在初版は全4巻1928年1929年修正版全4巻1939年1941年修訂版全5巻1952年修訂新装版1巻言泉 大倉書店1921年1929年落合直文(著)、芳賀矢一改修ことばの泉』を芳賀矢一増補改訂したもの。復刻版に『日本大辞典 言泉』全6巻日本図書センター1981年)がある。 広辞林 三省堂1925年1983年第6版金沢庄三郎辞林』を引き継ぐ1934年新訂版敗戦後1950年代まで版を重ねた当時代表的な存在1958年新版1973年第5版改訂続き1983年第6版最終版第5版第6版の版次は『辞林』を初版したもの小辞林 三省堂1928年金沢庄三郎広辞林』の小型版。非常に普及し1956年ごろまで版を重ねた1957年新小辞林』に引き継がれる大言海 冨山房1932年1935年大槻文彦言海』の増補改訂版語源記述が独特で、用例豊富になっている。大槻没後協力者近親者らにより刊行に至る。敗戦前の大規模な国語辞典として『大日本国語辞典』と並び称される辞苑 博文館1935年新村出先行の『大日本国語辞典』『広辞林』『言泉』を引き写していると指摘されている。『広辞苑』は『辞苑』の改訂作業から発展したもの。 大辞典 平凡社1934年1936年石川貞吉ほか約72項目と収録語数最大国語辞典。全26巻。1974年縮刷版2巻拡大鏡付き。『大日本国語辞典』『大言海』と併せて三大国語辞典呼ばれ収録語には固有名詞方言なども含む。

※この「『言海』から第二次世界大戦まで」の解説は、「国語辞典」の解説の一部です。
「『言海』から第二次世界大戦まで」を含む「国語辞典」の記事については、「国語辞典」の概要を参照ください。

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