『ゴジラvsスペースゴジラ』のモゲラ (MOGERA)
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「モゲラ」の記事における「『ゴジラvsスペースゴジラ』のモゲラ (MOGERA)」の解説
1994年に公開された「ゴジラシリーズ」第21作『ゴジラvsスペースゴジラ』に登場。 Gフォースが建造した対G超兵器。正式名称は Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type (対ゴジラ作戦用飛行型機動ロボット)。出動地点は宇宙→大分山中→福岡。普段はふたつの機体がドッキングモードにより合体しているもので、機体上部が地中沈降可能の特殊戦車ランドモゲラー、機体下部が高機動が可能な爆撃機スターファルコンにそれぞれ変形し、セパレーションモードにより分離して機動性を確保し、敵を攻撃できる。当初の予定では、二面作戦を行なってゴジラを翻弄することが計画されていた。 国連G対策センターがアレキサンダー・マミーロフ博士の指揮のもと完成させた新たな対G兵器であるが、同様の経緯で作られたメカゴジラとは同時期に別セクションで開発されていた。一方で、大気圏内用のメカゴジラに対し大気圏外用であったMOGERAは構造の複雑さから完成が遅延し、最終的にはメカゴジラのメインフレームやパーツ流用によって完成している。 足の裏に装備されている車輪(ローラーシステム)は、重力バランスの悪いロボット形態ではメカゴジラのようなホバーシステムが使用できず、新たな移動方法が模索された結果である。足の下部のサブエンジンで自重を相殺し、大型キャタピラーで地上をすべるように移動することが多いが、場合によっては脚部関節を働かせ、二足歩行することも可能。結果として運動性はメカゴジラより大きく向上しており、このシステムを利用した戦法がドリルアタックである。背中の鋸(のこぎり)の形をした背びれ状の部分は、本機ではレドームソナーとされており、MECM(マグネティック&エレクトロニック・カウンター・メイジャーの略)というジャミングシステムが装備されている。 パイロットがコクピットを移る際には、ドッキングモード時に連結されているエレベーターを使用する。装甲などの基本的な構造はメカゴジラと同じだが、メカゴジラではオーバーヒートが多発したため、対策として強化された冷却器2基(ランドモゲラー時併用のα冷却器と、スターファルコン時併用のβ冷却器)に加え、ボディの随所には防止用の排熱ダクトが設置されている。また、超硬質合成ダイヤモンド製の装甲には、新技術である合成ブルーダイヤコーティング装甲を部分的に採用している。この装甲はメカゴジラのミラーコーティングよりも反射率が高いが、高度な処理技術を要するため、とくに熱線の影響を受けたくない部分に試験的に使用されている。腹部にプラズマメーサーキャノンおよびランドモゲラーのバスタードリルの開閉ハッチがあるという機体構造上、脆弱な腹部装甲が弱点。機体の完成度は高く、ダメージによる機能不全は起きるもののメカゴジラやスーパーX、スーパーX2で発生した「想定外の故障」が起きることはなかった。 対ゴジラ用兵器であるため、当初は大気圏外のフル装備での運用は想定されていなかったが、アステロイドベルトへのスペースゴジラの襲来に際し、迎撃のため推進システムを換装し宇宙へ出撃する。しかし、スペースゴジラの放つ電磁波と強大な戦闘力に中破させられ敗北、かろうじて地球へ帰還する。その後、スパイラルグレネードミサイルなどの装備とスペースゴジラの発する強力な電磁波に対抗するMECM、複合センサーシステム装備などの対スペースゴジラ武装強化タイプへの強化改修が行われる。山地を移動中のゴジラをパイロットの結城が独断からプラズマレーザーキャノンで攻撃するが、すぐさま功二の判断でスペースゴジラのもとへ再度向かい、結果的にゴジラと共闘する。MOGERAはスペースゴジラのエネルギーを集めるのに利用していた福岡タワーを破壊してエネルギーの供給源を断つと、スパイラルグレネードミサイルでスペースゴジラの左のクリスタルジェネレーターを破壊してオールウェポンでダメージを与える。この際、巻き込まれたゴジラは余波によりビルに吹き飛ばされ、しばらく動けなくなる。怒ったスペースゴジラのコロナビームで左腕部を破壊されながらも、残った右腕部から発射されたスパイラルグレネードミサイルによって右のクリスタルジェネレーターを破壊するが、テールスマッシャーを受けてプラズマメーサーキャノンと胸部、エンジンを破壊され、機能停止する。その後、結城のでたらめな操作によって再起動、スペースゴジラへ特攻しビルに激突し、機能を停止する。最後はゴジラのバーンスパイラル熱線に巻き込まれ、スペースゴジラもろとも大破炎上して失われる。 本来のパイロットは結城晃・新城功二・佐藤清志の3名であったが、些細なミスなどの諸事情により彼らがバース島に派遣されることとなったため、セカンドチームである鈴木勇三・大野秀樹・上原誠の3名がMOGERAに搭乗してアステロイドベルトでのスペースゴジラ迎撃任務に当たる。福岡での決戦時にはGフォースの麻生司令官の独断で本来の3名に戻された。 スーツアクターは福田亘。 特技監督の川北紘一は、『地球防衛軍』のモゲラに思い入れがあったことから、かねてより再登場させることを検討していた。川北は、前作『ゴジラvsメカゴジラ』でのメカゴジラからの発展とするため空陸での多彩な攻撃を必要とし、またスペースゴジラの結晶体を地下から攻撃するという描写のため選んだと述べている。また、当初は旧作そのままの姿で登場させることを要望していたが、実現には至らなかった。川北はMOGERAについて、中途半端な合体メカになったことを反省点としているが、バラエティに富んだ画面作りができたことをうまくいった点としている。企画段階では、メカゴジラを再登場させるという案も存在していた。 英語圏ではモゲラのスペルがMogueraであるため、Mobile Operation Godzilla Universal Expert Robot Aero-typeの略称という設定になっている。[要出典] 当時の書籍においては、アメリカが関わったメカゴジラとともにモゲラは開発に関与した国家(ロシア)が軍事的技術の取得を目的として建造された可能性が指摘されている。関連は不明だが、実際に劇中に登場するマミーロフ博士はロシア人である。 書籍『ゴジラVSスペースゴジラ超全集』では、かつてミステリアンが襲来した際に遺されたモゲラの資料を国連が保管していたという記述がある。また、Mプロジェクトの中止後、G対策センターではモゲラのノウハウを応用した先端にドリルのある万能巨大戦闘艦を開発中であるという噂の存在を記述している。
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