『ゴジラvsデストロイア』のゴジラジュニア
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「ゴジラジュニア」の記事における「『ゴジラvsデストロイア』のゴジラジュニア」の解説
リトルゴジラがバース島に含まれる高純度の天然ウランが熱水の影響で起こした核分裂反応により急激にゴジラと同様の怪獣になった姿。まだ小さいため「ゴジラジュニア」もしくは「ジュニア」と呼ばれる。命名者はGフォース司令官の麻生孝昭。出現地点は御前崎→羽田空港→国際展示場。 ゴジラとの外見上の相違は、まだ成長過程のため小さいこと、皮膚がリトルゴジラの名残である緑色であること、背びれが小さくあまり目立たないことなど。顔つきこそゴジラに似ているものの、全体の姿形はむしろゴジラザウルスに近い。本作品では眼球が赤く光ることはない。しかし、ゴジラとほぼ同威力の放射熱線を吐けるようになっており、身体能力はゴジラ化している。 帰巣本能によりアドノア島へ帰ろうとしている中、ゴジラがジュニアを追ってアドノア島へ向かっていることが判明し、ゴジラをおびき寄せる囮として三枝未希と小沢芽留のテレパシーにより東京へと誘導される。 三枝未希が乗ったヘリコプターにデストロイアの飛翔体が襲いかかろうとしたとき、彼女の悲鳴に反応して熱線でデストロイアを攻撃する場面も見られることや、ゴジラのように故意的に建造物を破壊していないことから、人類との親和性はまだ高い状態にあると思われる。 体内の核反応が暴走しメルトダウン寸前のゴジラに代わり、デストロイア(集合体)と天王洲で戦う。ゴジラ同様の熱線を放ち、左右の突起を吹き飛ばしたりして、集合体・飛行体を一度は倒すことに成功する。後を追ってきたゴジラとは羽田空港で再会するが、完全体となって飛来したデストロイアにさらわれ、有明上空から地面に叩きつけられオキシジェンデストロイヤーレイを浴びせられ、致命的なダメージを負い虫の息となり、ついにはゴジラや未希の前で力尽きてしまう。 ゴジラが自らのエネルギーを分け与えてもほとんど反応せず、完全に死亡したかに思われたが、ラストシーンのゴジラの死を覆い隠す霧の中で、ゴジラのメルトダウンにより大量に放出された高濃度の放射線を浴びて、完全なゴジラに成長を遂げ生き返った。よみがえって完全にゴジラ化したジュニアが咆哮し、「ゴジラを襲名する新たな『始まり』」のシーンで物語は終幕となる。 ジュニアが殺されたときにはゴジラが涙を流したように描写され、それを見た山根ゆかりが「ゴジラが、泣いてる」と呟く。その後ゴジラは殺害したデストロイアに対して激しい攻撃を行った。 スーツアクターは破李拳竜。 公開当時はゴジラジュニアの存在は公開日まで極秘とされ、一般には明かされなかった。 特技監督の川北紘一は、「リトルがジュニアゴジラへ成長しさらに若きゴジラへ成長していく」という構想を『ゴジラvsスペースゴジラ』劇場パンフレットのコメントで述べていた。 企画初期には、リトルゴジラに初代ゴジラの怨念が取り付いてゴーストゴジラになるという案が存在し、西川伸司によるラフデザインも描かれていた。 脚本決定稿では、ジュニアは天王州アイルでの戦いでデストロイアに敗北しており、ゴジラと再会するシーンは存在しなかった。このシーンを発案した川北は、ゴジラとジュニアの邂逅にデストロイアが割り込むことで感情移入を狙ったと述べている。 ジュニアが中心となる天王州のシーンでは、ジュニアの身長設定に合わせてミニチュアは従来よりも大きい1/25スケールで作られた。 デザイン デザインは西川伸司と岡本英郎。ゴジラと恐竜の中間をイメージしてデザインされた。皮膚の質感はゴジラと同質のものとなっている。西川によるデザイン画では、設定身長が昭和のゴジラに近いことから、背びれの並びを昭和と同一にしており、中央の背びれのみを大型にしている。 成長した新ゴジラのデザインも起こされていたが、予算やスケジュールの都合から従来のゴジラのスーツを使用して撮影された。 造形 造形は東宝特殊美術。雛型は小林知己が製作した。ゴジラよりも前傾姿勢のため、バランスの調整に苦慮したという。スーツアクターを務めた破李拳竜によると、前傾姿勢とするため腹部と脚の付根が一体化した構造となっており、デストロイアを見上げるシーンでは尾の付け根に乗ってのけぞらなければならないなどの苦労があったという。 ベビーと同様、着ぐるみのほか上半身のみのメカニカルパペットが用意された。ほかにはゴジラと共演するシーン用の人形@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(着ぐるみの2分の1サイズ)[要出典]が製作された。 その後、スーツと小型モデルは2009年の時点で東宝の倉庫に保管されているのが確認されている。
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