美術 (職業)
特殊美術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 06:37 UTC 版)
当時、大映東京撮影所には大規模な特撮作品を制作するだけの人員も設備も不足しており、築地によるとミニチュアや造形物の技術者もおらず、東京市街や東京湾襲撃のシーンのコンビナートでは、写真を引き伸ばしてベニヤ板に貼り付けた「切り出し」の手法が採られている。コンビナート襲撃シーンでは、本編部では石油タンクのそばでの撮影ということで火がたけず、特撮部では「切り出し」セットをごまかすために煙を多用ということで「あんまり派手にやらないでくれ」「十年早い」と双方の監督同士でもめたといい、両者の煙の調子を合わせるのがひと苦労だった。先述したように特撮スタジオ自体がもともと専門でなかったために排煙口が小さすぎて、特撮班でもコンビナート火災シーンの煙が充満して大変だったという。 また、予算も撮影期間も特撮怪獣映画としては十分ではなかったため、劇中での災害シーンは既存のニュース映像が多数流用されている。東京タワーをガメラが押し倒す際にはガメラが手をかける前にミニチュアが倒れてしまい、ガメラの手のアップを別に撮って編集でごまかしたという。ビルなど建物のミニチュア制作は工作部のスタッフが担当したが、スタッフには宮大工出身者も含まれていたため、NGが出ると湯浅は怒鳴りつけられたという。「Zプラン」の火星ロケットのミニチュアは6尺サイズの巨大なものが用意され、発射シーンではスタジオの地面を掘り下げてセットを組んだ。 冒頭の北極のセットでは、大日本製氷社にしかなかった砕氷機を撮影所に持ち込み、前の晩に大型トラック3台分の氷をセットに敷きつめた。翌日、スタジオ内は巨大な冷蔵庫と化してしまい、スタッフも俳優も寒さと転倒の危険を押して撮影に挑んだ。北極シーンの撮影終了後、氷が解けるまで3日間ほどスタジオは使用できなかったという。ガメラ出現シーンでは、対象物のない氷原のセットで井上章が3尺用のセットを組んだが、築地は「迫力が出ない」と6尺スケールで撮影したために井上と喧嘩になり、「監督、止めてくれ」と湯浅が呼ばれる騒ぎになったという。結局、雪原のセットの横に6尺スケールのセットを作って寄りのカットなどを撮った。湯浅監督によると「スタッフ全員が怪獣映画は初めて」ということで、そこまで頭が回らなかったという。
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特殊美術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 07:28 UTC 版)
特殊美術(とくしゅびじゅつ)は、既製品が無いもしくは入手が困難な物を作る仕事。 着ぐるみ、フリップ、模型、レプリカなど。報道番組に登場する政治家の人形、事故現場のモデル、簡単なジオラマなども含まれる。特撮やSFXもこの区分に入る物がある。 詳細は「特殊メイク」を参照
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