『ゴジラvsキングギドラ』のキングギドラ
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「キングギドラ」の記事における「『ゴジラvsキングギドラ』のキングギドラ」の解説
『ゴジラvsキングギドラ』に登場。出現地点は福岡・博多→広島→瀬戸大橋→四日市市・臨海工業地帯→襟裳岬上空西北西→北海道・網走の平原→オホーツク海。 3体のドラット(後述)が、マーシャル諸島のビキニ環礁水爆実験の放射線を浴びて融合、巨大化・凶暴化して誕生した。 主用武器は引力光線(プラズマ引力光線)と衝撃波。翼を閉じて身を守り、パワーアップしたゴジラの放射熱線をも防ぐが、逃走時には貫かれる。 未来人の特殊音波によって操られており、稲妻のような引力光線を吐いて福岡市街と広島市を破壊し、翼から放つ衝撃波は瀬戸大橋を粉砕する。そして、航空自衛隊のF-15J編隊を寄せ付けずに壊滅させ、北海道の森林地帯に上陸したゴジラと対峙する。 最初は突進力や空中からのキックなどでゴジラとの戦いを優位に進めるが、未来人のコントロールが失われたことで形勢が逆転し、尾をつかまれて何度も地面に叩きつけられる。その後も長い首で締め上げて泡を吹かせるも、体内放射の直撃を浴びて吹き飛ばされたうえ、放射熱線で中央の首をはね飛ばされる。ゴジラが未来人の母船を破壊した隙に逃走を図るが、放射熱線で翼を貫かれて海へ沈む。 スーツアクターは破李拳竜。当初、破李拳はゴジラザウルスを演じる予定で、キングギドラ役には福田亘が配役されていたが、長身の福田に合わせるとスーツが大きくなりすぎてしまうため、配役が入れ替えられた。破李拳自身は、ピクトリアルスケッチを担当したのち、自らキングギドラ役を志願したと証言している。 鳴き声はラドンの声を使用(加工されている)。 前作『ゴジラvsビオランテ』では新怪獣のビオランテがゴジラの対戦相手を務めたが、同作品の観客動員が伸び悩んだことやビオランテのキャラクター性の弱さが指摘されたことなどから、本作品では劇場アンケートで男子人気1位を獲得したキングギドラが選ばれた。 特技監督の川北紘一は、キングギドラは肉弾戦が撮影しづらいため光線技を強調したといい、これにより平成VSシリーズでの一つの形ができたと述べている。 監督の大森一樹は、最初から宇宙怪獣というイメージはなかったといい、未来人の設定を含めて一線を越えないようにしていたと述べている。 福岡を襲撃するシーンは、『空の大怪獣 ラドン』でのラドンの福岡襲撃をオマージュしている。 中央の首がはね飛ばされるシーンでは、子供層への配慮や海外での規制を考慮し、血ではなく金粉を噴出させている。本作品以降、川北は金粉による演出を多用するようになるが、後始末が大変ゆえにスタッフからは敬遠されていたという。 シリーズで唯一ゴジラと一騎打ちを行ったキングギドラである。 書籍『ゴジラvsキングギドラ超全集』では、昭和シリーズのキングギドラとは別種の生物と解釈し、未来人が何らかの手段で入手したキングギドラの遺伝子をドラットに組み込んだキングギドラのクローンとする説と、ドラットが人間と意思疎通を行う能力によって地球人の潜在意識から読み取った恐怖の象徴に擬態したとする説を記述している。田中文雄による小説版では、金星で未来人が宇宙怪獣であるキングギドラの死骸を調査するシーンが存在する。書籍『東宝編 日本特撮映画図鑑』では、「インスタント・キングギドラ」と評している。
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