ゴジラザウルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 00:15 UTC 版)
「ゴジラ (平成VSシリーズ)」の記事における「ゴジラザウルス」の解説
ゴジラの元となった種類とされる恐竜。『ゴジラvsキングギドラ』で初めて登場した。 二足歩行で肉食恐竜のような姿をしているが、雑食性で性格もおとなしい。しかし、自分の縄張りを荒らされた場合はその限りではない。生息範囲は広く、南はマーシャル諸島から北はベーリング海まで分布していた。鳥類のように托卵を行う習性がある。幼体の時期は身の危険を感じると眼球が赤く光り、仲間や家族を呼ぶ。ティラノサウルスに比べて頭部が小さい。並外れた生命力を持っており、軽火器程度では傷ひとつ付かない。 マーシャル諸島のラゴス島に生息していた個体は1944年の太平洋戦争中に日米両軍に目撃される。この個体は、新堂靖明が率いる日本軍守備隊が窮地に陥ったときに出現し、守備隊に加勢するかのように米軍に襲いかかり、潰走させる。その後、洋上からの艦砲射撃で深手を負い、一度は倒れるがすぐに復活し残っていた陸上米軍を全滅させて森に引き返す。無事に復員した新堂たちは、この恐竜に対して強い感謝と崇拝の念を抱く。しかし、彼らの再会は悲劇的な結末を迎える。 その個体は、のちにビキニ環礁の水爆実験で被爆し、ゴジラに変異したとされる。しかしゴジラ抹殺を企む未来人は、ゴジラザウルスを核実験に遭遇する前にベーリング海に転送し、ゴジラの存在をなかったことにしようとする。だが、ゴジラザウルスは転送先でも核廃棄物に触れてゴジラ化し、民間企業の原潜から奪った核エネルギーで最大・最強のゴジラへと成長する。 『vsキングギドラ』の作品内では一度もゴジラザウルスとは呼ばれず、「恐竜」と呼ばれる。劇中でこの名前が出るのは『vsメカゴジラ』からである。『ゴジラvsメカゴジラ』では、ベーリング海に位置するアドノア島の翼竜の巣から発見された卵から孵化した個体が、「ベビーゴジラ」と名づけられる。このベビーゴジラは、『ゴジラvsスペースゴジラ』では「リトルゴジラ」、『ゴジラvsデストロイア』では「ゴジラジュニア」と、成長とともに呼称が変わる。 スーツアクターは福田亘。当初は破李拳竜がゴジラザウルス役で福田がキングギドラ役の予定だったが、福田の身長が高すぎてギドラのスーツの背丈が合わず、逆になった。福田自身は、長身のためゴジラザウルス役に選ばれたと述べている。 『ゴジラvsメカゴジラ』の検討稿では、ゴジラザウルスやプテラノドンが生息する白亜紀の情景を描写していた。 『ゴジラ』において、山根博士により「ゴジラは水棲爬虫類から陸上獣類へと進化する過程の生物」と推定されていることから、ゴジラザウルスはキノグナトゥスのような単弓類とする説もある。なおゴジラザウルスの幼体、ベビーゴジラはゴジラと共に海を渡っている。 記載者がゴジラの愛好家であり、それにちなんでゴジラサウルス(学名ゴジラサウルス・クエイイ)と命名された実在の恐竜も存在するが、こちらは映画のゴジラザウルスとは姿もサイズも異なる。 デザイン・造形 デザインは西川伸司と破李拳竜が担当。当初の設定では、水爆実験の影響によりゴジラとなる恐竜はティラノサウルスであったが、西川は「ティラノサウルスでいいのか?」と思い「ゴジラザウルス」という独自の名称で描いたところ、これが採用された。デザイン画では、薄皮に覆われた背びれが存在しており、西川は核実験によりこれが焼けただれ、ゴジラの骨状の背びれになったと想定していた。 造形は川北紘一と安丸信行監修の元、小林知己が雛型を手掛け、ビルドアップの品田冬樹を中心に制作された。胴体はウレタンとラテックス製、頭部や胸部はFRP製。口部にはモーター式の開閉ギミックが仕込まれている。造形物では、デザイン画よりも恐竜らしい形状となっている。 演じる福田は、恐竜らしい前傾姿勢で歩くことを要求されたが、スーツの足の爪が上向きの造りであったため難しかったと述べている。前肢は短いため、スーツアクターの手を入れることはできず、レバー操作により動かしている。 着ぐるみのほかに本編用の実物大の皮膚の一部と尾の先端の造形物が作られた。その後、品田により同じ型からFRP製の頭部が保存用に制作された。破李拳竜によるピクトリアルスケッチでは、実物大の造形物を用いるという案も記されていた。
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