『ウルトラセブン』に登場するガッツ星人
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「ガッツ星人」の記事における「『ウルトラセブン』に登場するガッツ星人」の解説
『ウルトラセブン』第39話「セブン暗殺計画(前篇)」第40話「セブン暗殺計画(後編)」に登場。 「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」と自称し、数多くの戦いにことごとく勝利してきた実績を持つ、宇宙の実力者。地球侵略に邪魔なウルトラセブンを徹底的に分析して敗北させ、十字架へ磔にして地球人の目の前で処刑しようと目論む。徹底的な分析を行って作戦を決行する一方、相手に予想外の行動を取られるとパニックに陥る脆弱さも持っている。画面上では4体確認できる。肩書の通り分身能力を持つほか、瞬間移動や目から命中すると網状に変化する光線を発射する。等身大時では、機関銃を武器にする。 地球人の希望のよりどころにして地球侵略の障害であるセブンを倒すことで、地球人の戦意喪失を図る。まず、アロンと戦わせることによってセブンの戦闘能力を徹底的に分析した際、地球上における彼の仮の姿がモロボシ・ダンであることも把握するが、前述の理由からあくまでセブンの姿の時に打倒する方法を選ぶ。ウインダムを宇宙船からの一撃で倒した後、自らセブンと戦って分身や瞬間移動などで翻弄してエネルギー切れに追い込み、十字架へ磔にする。しかし、地球人の戦力をあなどっていたことが仇になり、セブンからの通信でエネルギー補給手段を知ったウルトラ警備隊の活躍によってセブンは復活する。その後、セブンのハンディショットで円盤の動きを封じられた末、ウルトラノック戦法によってパニック状態のまま、宇宙船もろとも粉砕され敗北。 登場回のサブタイトルは「暗殺計画」とあるが、セブンとの対決では事前調査などは行っているものの、名乗りを上げたうえで正面から勝負を挑んで勝利している。また、小型宇宙船で捕獲したソガ隊員や、ダイモード鉱石を所有していたフルハシ隊員の妹であるマナの友人・夏彩子については、目的さえ達成すれば殺さないなど、ストーリーを通じて戦い方は正々堂々としたものである。 第48話では、寝込んだダンにセブン上司が語りかける「激しい侵略者たちとの戦い」の映像に登場する。 スーツアクター:池島美樹、西京利彦 「ウルトラシリーズ」において、同一デザインの着ぐるみ(アトラクション用ではなく実際の撮影で使用するためのもの)が同時に複数体(2体)製作された初めての怪獣である。 準備稿「セブン暗殺命令」は1話完結のエピソードで、名称はスラッガ星人(ガラスの逆読み)だった。登場する5人の各自に「S1号」から「S5号」までの名称が付いており、S5号が完成映像におけるアロンの役割だった。 準備稿、決定稿、決定稿2のいずれも、ガッツ星人に瞬殺されるカプセル怪獣はミクラスとなっていた。 決定稿では登場する4人の各自に「G1号」から「G4号」までの名称が付いている。 声はテープの再生速度を遅くして表現している。『ウルトラセブンイズム』では、原音から演じているのは広瀬明と推測している。 デザインは池谷仙克による。初期のデザイン案には頭脳が発達していることを表現するために露出した脳が描かれていたが、グロテスクなものは作らないという円谷英二の方針により変更された。また、頭部を透明なフードにする案もあったが、材質の問題から断念されており、頭部の模様は脳が露出したデザインの名残である。 口は液状の宇宙食を摂取しやすい形を想定し、くちばし状になった。 怪獣の造形を担当した高山良策がガッツ星人の造形が完成するまでの過程を個人的に8ミリフィルムで撮影した映像が、『ある小さな記録』という題名の作品として残されている。撮影期間は1968年4月27日から同年5月6日までで、8ミリフィルムの撮影を担当したのは、当時NHK放送センターに勤務していた高山良策の甥に当たる小沼俊男。この映像は、LD『ウルトラセブンVol.12』に収録されている。 放送当時に連載された桑田次郎の漫画版『ウルトラセブン』では前半の流れはテレビと同じだが、セブンをウルトラ警備隊に救出されるといさぎよく負けを認め、撤退する。 株式会社幻冬舎の書籍『21世紀ウルトラマン宣言』の仮説では、始祖はオウムのようなただの鳥であり、ガッツ星は地軸のずれによって変動し、火山活動をはじめとした異常気象で彼らの始祖が生き残った。外敵を退けるための翼と体温を保つ羽毛は不要となり、脳の肥大化に伴う頭部の変化から四肢の進化に続いて身体が巨大化し、直立を始める。くちばしの大きな変化は異性へのアピールのためで、卵は生息地である火炎林の熱から身を守るために分厚い殻になっており、その中で硬い殻を2年から3年かけて破壊できた者だけが粗成体の状態で生を受ける。こういった誕生時から過酷な環境で生きていることが、強さの理由とされている。 『ウルトラマンマックス』第39話や『ウルトラマンメビウス』第46話は敵によって磔にされたウルトラ戦士を防衛チームが復活させるという展開で、本エピソードへのオマージュとなっている(『メビウス』第46話にはダンも登場している)。
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