『ウルトラセブン』に登場するキングジョー
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「キングジョー」の記事における「『ウルトラセブン』に登場するキングジョー」の解説
『ウルトラセブン』第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」、第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」に登場。 ペダン星人が作ったスーパーロボット。10万トン級以上の船を簡単に持ち上げる強靭な腕力を誇り、目のような部位から破壊光線を放つ。超金属による堅牢な装甲とバリアー機能を持ち、ウルトラセブンのいかなる攻撃もまったく寄せ付けない。身体は4つに分離でき、各パーツが飛行潜水可能。この形態でも上述の光線を使用できる。 独特の作動音を立て、合体変形後は頭部の電子ランプが点滅し、不気味な電子和音を発する。 ペダン星人の指令を受け、国際会議場に向かう科学者を乗せた原子力潜水艦アーサー号を分離形態で破壊して六甲山に飛来し、合体して防衛センターに迫る。防衛設備による砲撃にまったくダメージを負わず、建物が破壊される寸前にセブンが駆けつけるが、エメリウム光線やアイスラッガーもまったく通じず、セブンを失神状態にまで追い込む。しかし、目を覚ましたセブンのタックルを受けて仰向けに転倒し、起き上がれないまま再び分離して飛び去る。その後、ペダン星人はダンとの和解交渉に応じ、拉致していた科学者ドロシー・アンダーソンを解放するが、彼女の記憶は消されていた。美しい地球が欲しくなったペダン星人はダンとの公約を破棄、目的を地球侵略に変更してキングジョーを神戸港に送り込み、建物や船舶を破壊する。応戦するウルトラ警備隊とセブンをキングジョーはタンカーを軽々と振り回すパワーで圧倒するが、その間にアンヌによる治療で記憶が戻ったドロシーの協力によって完成したライトンR30爆弾の砲撃を受け、大破炎上する。形勢不利と見たペダン星人は、キングジョーの体内から円盤で脱出しようとするが、セブン怒りのワイドショットで撃墜される。 スーツアクター:中村晴吉 スーツアクターの山村哲夫は前編が中村、後編が加藤芳巳であったと証言しているが、制作第17話・第18話の高野組制作日報には、ロボットの演技者は全撮影日程(1967年11月17日から12月7日まで)において中村晴吉の名前のみが記載されている。 初期の構想では、無数の部品が飛来してわけの分からないうちに合体して巨大ロボットになるというものだったが、当時の特撮技術では実現が困難だったため、劇中の形態となった。 元々はキングジョーという名称は存在せず、本編では「ペダン星人のロボット」と呼ばれていた。1968年2月ごろから、各媒体において「キングジョー」の名称が用いられるようになった。名前の由来については、脚本の金城(きんじょう)哲夫の名を採ったというものと、金城の父のあだ名から採ったというもの、戦艦のキング・ジョージから採ったもの、との3つ説があるが、金城の父が海外へ行った際に「キンジョー」と呼ばれず「キング、ジョー」と発音されていたことから、金城は「チャンスがあれば『キングジョー』という名前を使ってみたい」と話していたといい、満田かずほもこれを証言している。 『ウルトラファイト』ではキングジョオと表記され、本編と違い自壊作用で倒れたことになっている。 デザインは成田亨によるもので、分離形態の分割に苦労した旨を述べている。モチーフはテトラポットや灯台。初稿デザインは、顔がお面のようであったが、それを成田が天地逆転させ、無機質寄りにしている。 着ぐるみは背中にチャックが着いており、そこからスーツアクターが入るようになっている。後年の作品に登場する個体の着ぐるみは、上下分割式のタイプである。当初の着ぐるみには膝部分にも突起パーツがあったが、造形の高山良策がパーツをつけ忘れたまま着ぐるみを納品してしまい、あとからパーツの存在を思い出して撮影所に持っていこうとしたが、撮影に間に合わなかったために使用されなかった。頭部のアンテナはカメラ用の小型三脚、目はボリュームのつまみが使用されている。石膏製の着ぐるみも存在するが、重すぎるという理由からFRP製のものに変更された。 ウルトラシリーズに登場したそれまでのロボット怪獣はどこか有機的な生命体を想像させるものであったが、このキングジョーは完全に無機質な金属ロボットであり、『ウルトラマンタロウ』第40話で回想シーンに登場した際にも「ウルトラ史上初のスーパーロボット」とナレーションで説明されている。
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