配置されていた車両の特徴
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「田端運転所」の記事における「配置されていた車両の特徴」の解説
出典: EF81形電気機関車(5両) 5両(80・81・95・98・139号機)が配置(全車が高速旅客列車牽引対応および上越線冬季対策装備車)、81・95・139号機を除く3両は「北斗星」塗装(そのうち133・139号機は耐寒耐雪仕様車両として落成。耐寒耐雪仕様車両の外観上の特異的な識別点として運転席窓上部にひさし様の通称「つらら切り」が装備されている)。 95号機はジョイフルトレイン「スーパーエクスプレスレインボー(車両はすでに廃車済・通称SER)」塗装車、2018年度計画で、秋田総合車両センターにおいて全般検査を実施し、2018年5月17日に塗装形態は維持して出場している。 81号機はローズピンク色塗装(2014年8月に秋田総合車両センターに臨時入場(通常の検査以外で車両工場に検査などのために入場すること)し、「北斗星」塗色から1985年のつくば科学万博時に昭和天皇の行幸啓時に運行された、お召し列車牽引時の塗色に復元。2017年7月に秋田総合車両センターにて全般検査を受けそのままの塗色で車輪や台車の細部などに銀色の色差しを追加されて、ほぼ1984年8月当時の状態になって出場している)。 139号機は双頭連結器および電車牽引時のブレーキ信号読替装置を追加工事にて搭載しており、車両検査に伴う電車等の配給輸送(回送列車)にも頻繁に使用される。2017年3月4日付のダイヤ改正で秋田車両センター(現・秋田総合車両センター南秋田センター)から田端運転所へ転属となった。塗装はJR東日本のEF81形の標準塗色である赤2号塗色で「北斗星」色のような流星は描かれていないが、「カシオペア」の牽引にも使用されている。 水戸地区における工事列車や救援用機関車として水戸駅構内に2両が常駐する。検査の際はほかのEF81形と入れ替えの上、田端運転所に車両回送され検査を受ける。なお139号機は首都圏の電車回送運用に使用されるため常駐することはほとんどない。 山形・秋田・北海道新幹線および中央線高尾以遠(勾配および狭小トンネル区間があるため高崎車両センターおよび長岡車両センターのEF64形が牽引することが多い)の区間を除くすべての電化区間で運転できる車両であるため、乗務員訓練列車で当所や他区へ貸し出されて使用される。また計測用車両(East i - D、East i - E)の回送にEF65形1000番台とともに用いられることがある。 特急牽引運用時代にヘッドマーク盗難防止対策用鍵の穴が追加工事されている。 JRの旅客会社ではJR西日本が同形式を運用しているが、現在はごく一部の工事用臨時列車などに限られており、JR貨物の本州内運用は、関門トンネル区間(現在関門トンネル区間の運用はEH500形に置き換えられたため、検査後の試運転時に交直流切替テストを行うために関門トンネル区間を走行するだけで、非常時を除き同区間を定期列車を牽引することはなくなっている)を含む九州圏内で運用している)を除き、本州内で定期的な稼働をしているEF81形はJR東日本管内のみとなっている。1両(97号機)が2018年3月から田端運転所から秋田総合車両センターに全般検査のため入場していたが、ローズピンクの国鉄色に変更の上、区名札が「長岡」となって出場し、田端運転所に戻ることなく2018年7月11日に長岡車両センターに回送されそのまま配属となった。なお、双頭連結器改造はなされていない。 EF81 95「レインボー色」(2007年2月 / 常磐線 藤代 - 佐貫) EF81 81「北斗星」牽引機塗色(2009年3月 / 新鶴見機関区) EF81 81 お召し復刻仕様(2014年11月 / 尾久車両センター一般開放展示) EF81 139 電車回送用双頭連結器装備機(2003年7月 / 黒磯駅 JR東日本交直流機関車標準塗装) EF81 141の電車回送用双頭連結器拡大写真(2010年2月20日 尾久駅ホームから撮影電車と連結する密着連結器は横を向いている状態) 当区におけるEF81形 本形式の新製配置が始まった1973年(昭和48年)10月改正時は、まず東北本線隅田川 - 福島・郡山間の貨物列車牽引に投入。1980年以降は余剰となり富山第二機関区や酒田機関区から転入した同機を常磐線に投入しEF80形の置き換えを進めた。1985年には常磐線寝台特急「ゆうづる」の上野 - 水戸間の牽引機にも充当され、1988年に津軽海峡線開通に併せ運行を開始した上野 - 札幌間の寝台特急「北斗星」やその後北斗星の姉妹列車として運行開始した「カシオペア」の上野 - 青森間の牽引機として充当された。これ以降、1993年には寝台特急「あけぼの」の上野 - 小牛田間(1997年以降は上越線・羽越本線経由で上野 - 青森間)、1994年に24系客車化された寝台特急「はくつる」(2004年3月1日ダイヤ改正で廃止)においては全区間を牽引するなど、運用の幅は広まった。東北本線青森地区では1996年の普通列車の電車化までの間、間合い運用として盛岡 - 青森間の一部の客車普通列車を牽引していた。しかしこれら東北夜行特急の牽引機としての運用も、「北斗星」の運行本数削減や「あけぼの」の経由路線変更(東北本線経由から高崎線・上越線・信越本線・羽越本線経由に変更)により減少し、2010年の6月から7月にかけてEF510形500番台の登場により「北斗星」「カシオペア」が置き換えられたため旅客列車の定期運用が消滅、さらに同年12月のダイヤ改正でJR貨物から受託する常磐線の貨物列車牽引も同機に置き換えられ、すべての定期運用がなくなった。その後もEF510形の代走や宇都宮運転所・水戸駅に常駐し工事臨時列車牽引や救援用の運用などに充当されていた(水戸駅常駐は継続)。 当所に所属しているEF81形には車体塗装パターンが数種類ある。 貨物列車牽引用は赤2号(深赤色・JR東日本所属のEF81形の現在の標準塗色である)の一色塗り。 寝台特急「北斗星」牽引用は赤2号の車体の側面に銀色で流れ星を描いた寝台特急牽引専用色である。 寝台特急「カシオペア」牽引用は白い車体に黄、朱、青のブロックパターンを配した専用となっていた。現在はカシオペア塗色車両は全車廃車されており現存しない。 81号機はJR化後に塗装が「北斗星」色に変更(手すりなどに銀色の色差し塗装はされていた)となっていたが、2014年8月に秋田総合車両センターに臨時入場し、1985年に行われたつくば科学万博開催中に昭和天皇・香淳皇后が会場へ行幸啓する際に運行されたお召し列車牽引時の国鉄時代の標準色であるローズピンク+銀帯装飾付きに復元された(当時の整備施工記録を基にほぼ忠実に再現されている)。細部銀装飾(手すりの銀色塗色や車両側面を横断するシルバー帯等)や台車主要部の装飾的な銀色塗装を行った。なお1984年の牽引に伴う特別整備の際に、運転台前の点検用足場には国旗掲揚旗竿固定用穴を穿ち、お召列車編成(1号編成)との連絡用専用電話接続栓(助士席下のスカート部に上記の写真でも金色の接続栓が確認できるものの非常に小さい)等のお召し列車牽引時対応の特殊装備が施工されている。 95号機は、かつて尾久客車区に配置されていた欧風客車「スーパーエクスプレスレインボー」の専用機として専用塗装(車体はほぼチェリーレッド一色で車体裾部に白色の帯が巻かれ、台枠部分は黒色塗装、車体側面ほぼ一面に白字の斜めブロック書体で「EF81」とレタリングされている)が施されている。 133号機は「北斗星」塗装車としては唯一の耐寒耐雪仕様車(外観として顕著な部分は左右一体型ひさし付き)である。 81・95・133号機は他の「北斗星」機と共通の運用を組んでおり、貨物機グループの運用に投入されたこともあった。「カシオペア」塗装車(79・92・99号機)はEF510形500番台の投入によって旅客列車の運用を置き換えられるまでは特急列車運用を主とする旅客列車専用となっていた。 「北斗星」運転開始当初は貨物用機と旅客用機は共通運用されていたが、1990年(平成2年)ごろから連続高速運転によるタイヤ弛緩などのトラブルによる機関車故障が頻発したことから、一体成型された動輪の一体圧延車輪への交換や電動機対策など高速での連続運転に対応した装備改造を受け、特急仕業と貨物運用の分離がされた(特急運用グループとして、78 - 82・86 - 88・92 - 99・133号機その後外観上でも北斗星色、カシオペア色と塗装され、一見してわかるようになった)。その後貨物用機が特急仕業に入ることは、特急牽引グループに車両トラブルなどが発生した場合を除き、ほとんどなかった。 これまで、当所の機関車が秋田総合車両センターに検査で入出場する場合は、必要に応じて自力で単機回送する、当所のEF81形による牽引、長岡車両センターのEF81形を送り込みによる牽引の3パターンがあった。今回の139号機の転属もその車両の捻出をするために田端運転所に転属したとされるが、本機の転入によりそれまで常磐線用等を始めとする関東地区の電車の入出庫時等に控車として連結されていた水郡線営業所に所属する電車とのブレーキ読替装置を搭載していたマニ50 2186が廃車され東京急行電鉄に売却されている。 尾久車両センターに現在唯一所属する客車である「カシオペア」の検査は大宮総合車両センターで行われるため、機関車牽引であれば入場が可能である。 139号機は双頭連結器および電車用ブレーキ指令読替機器装備のために関東起点での検査車両回送や直接電車も牽引ができるため、当所運用の「カシオペア紀行」臨時列車や工事列車の牽引よりも、電車の入出場に伴う配給列車を中心に運用されている。 139号機が転属するまで、当所には電車を牽引するための双頭連結器装備のEF81形が配置されておらず、首都圏の車両センターに所属する電車(主に通勤電車)を郡山総合車両センター、秋田総合車両センターで検査する場合は、長岡車両センターのEF81形(134・140・141号機)を送り込みによる牽引、もしくは水郡線営業所所属の電車とのブレーキ指令読替機器を搭載する控車の連結をすることで自所のEF81形でも行っていた。現在は139号機が中心となって関東地方から電車と連結する必要のある配給列車で活用されている。なお長野総合車両センターに入場する場合は中央本線の狭小トンネルや勾配区間に対応するため、長岡車両センターのEF64形1000番台(1030・1031・1032号機)が担当している。 現在配置されている車両には東北本線経由の寝台特急が上越線経由となった際に、豪雪地帯でもある同線区を走行するために133・139号機などの耐寒耐雪仕様をさらに強化した、豪雪対策強化を目的としたいわゆる「上越線対応工事」が行われている。 EF65形1000番台電気機関車(3両) 1102 - 1103(スノープラウ装着車)・1115号機(スノープラウ非装着車)が配置されている。 宇都宮地区の工事列車や救援用機関車として宇都宮運転所に常駐する。乗務員訓練列車にも使用される。 2015年度に「レインボー」塗装車1118号機(塗色はEF81形95号機とほぼ同仕様、車体が異なるため微細な点での相違点はあるが、大きな識別点として側面のレタリングが形式のEF65となっている。2015年10月17日、高崎線鴻巣 - 北本間を単機走行中に走行不能となる重大な車両故障が発生し、他の余剰車両の廃車時期と重なったため、修復されるとことなく廃車予定車両を当該車両と差し替えの上、11月26日に長野総合車両センターへ回送され、後に廃車・解体された)など3両が廃車された。 当区におけるEF65形 寝台特急「あけぼの」牽引開始に際し、EF58形から置き換えのために1970年(昭和45年)10月1日ダイヤ改正から配置された。 1986年11月1日のダイヤ改正時に、東京機関区(現・廃止)車両無配置化による新鶴見機関区転属車両のうちの一部の車両が当所に転属した。これは国鉄分割民営化時に新鶴見機関区がJR貨物に継承されるため、東京駅発東海道線旅客列車牽引にあたる機関車を旅客会社に継承させ、当所で管理するために取られた措置である。 1019号機がEF81形95号機と同様の「レインボー」専用塗装となったが、1998年に1019号機が廃車される直前に1118号機が同様の塗装(同様のデザインだが細部が異なる)となった。1019号機が廃車されるまでの約3か月間1019号機と1118号機の2両が同塗装で稼働していた(1998年8月26日に1019号機が廃車回送される際には1118号機が大宮総合車両センターまでの牽引を担当している。なお1019号機の書類上における正式な廃車日は1998年9月1日)。 EF65形1118号機 EF65形1019号機(「急行レインボー会津路」使用車回送) 1118号機には塗色変更前の瀬戸大橋線開通による1988年4月13日東京駅発の客車「瀬戸」の高松への延伸下り1番列車を「祝・瀬戸大橋開通」の記念スペシャルヘッドマークを取り付け運行されている。また1998年7月9日、客車「瀬戸」の東京発最終日(翌日より285系電車「サンライズエクスプレス」に置き換え)に下り列車に充当された。これにより1118号機は、瀬戸大橋開通後に東京 - 高松間を運行していた客車「瀬戸」の東京駅発下り列車の一番列車と最終列車を牽引したことになる。 当所配置機は、民営化後に運転席屋上に台形状の冷房装置の搭載改造工事(本来扇風機が設置されていた場所である)および乗務員室横の全サッシガラスに冷房効率向上のため濃色スモークフィルム貼付・尾灯LED化工事が施工されている。 東北本線(宇都宮線)・高崎線などで団体臨時列車、工事列車や配給列車など使用される。定期運用は、東北本線方面は1993年(平成5年)12月1日ダイヤ改正の「あけぼの」(東北・陸羽東・奥羽本線経由)の上野 - 小牛田間EF81形の置き換えと「八甲田」の臨時列車化により、東海道本線方面2008年3月15日ダイヤ改正での東京 - 大阪間の寝台急行「銀河」が廃止されたことにより消滅し、現在は定期運用はない。 かつては、「銀河」「出雲」牽引時には関西圏発着列車のみではあるが、運用の一部として「彗星」、「なは、あかつき」、夜行急行「ちくま」や、大阪地区の事業用列車および寝台特急の客車回送列車などの列車も牽引していたが、2006年3月18日ダイヤ改正で「出雲」が廃止されたことによりこれらの運用も廃止された。ごくまれに、東海道本線方面寝台特急を牽引するEF66形が故障した際に代走することもあった。 JR貨物所属機へのATS-P搭載工事に伴う車両不足に対応した際にはJR貨物高崎機関区に貸し出された上で貨物列車にも使用されていた。またJR貨物所属機が故障した際に代走として貸出されることもあった。現在はJR貨物におけるEF65形1000番台の運用が減少・余剰車両が発生しているため、JR貨物所属機の車両故障発生時などの緊急事態発生時以外は牽引することはない。 田端運転所所属機関車などへの田端運転所 - 東海道運用に相互に充当される車両の回送方法に関して(2015年3月13日以前) 田端運転所本所にて東北本線・高崎線方面に使用されるグループと、品川地区(国鉄民営化直前に廃止になった旧東京機関区を引き継いだ品川運転区から田町電車区と統合され田町車両センターに改称。北側にあった検修・機関車留置施設が組織改編にて東京総合車両センター田町センターに改称。)に常駐して東海道本線方面の寝台列車や臨時列車に使用されるグループに分けられ(車両自体はグループ分けされておらず検査等により随時差し替えがあった)、機関車や尾久車両センター所属客車の車両差替えなどで回送をする必要が生じた際は品川 - 尾久間の配給列車、列車番号尾久発回1541列車 - 東大宮(操) - 品川着回4540列車および品川発回4541列車 - 東大宮(操) - 尾久着回1540列車(双方ともに東大宮操車場(現・大宮総合車両センター東大宮センター)での折り返し列車、ファンの間では通称「シナオク・オクシナ」と呼ばれていた)で行っていた。 品川地区の車両常駐は旧東京機関区の留置・検修施設が解体されているため廃止された。 東大宮操車場を経由した理由は、2015年3月14日以降は上野東京ラインが開通しているため直通運転が可能だが、上野東京ライン開業以前東北・上越新幹線の東京駅乗り入れ工事の際に、東京 - 上野間の連絡線を廃止したため線路は秋葉原 - 神田間で分断され、残った線路はそれぞれ東京方、上野方の電留線として使用されていたため列車の直通運行ができない状態であった。そのため品川発着で東北・高崎線方面に向かうためには山手貨物線経由しか方法がなかった。しかし山手貨物線経由では直接尾久車両センターに入出庫ができない路線構造であったため(機関車のみなら田端信号場から連絡線経由での本所側検修線等に取り込むことができるが客車等の場合編成が長い場合などは、客車の向きが前後が逆になることおよび検修線の有効長の関係上連絡線の使用ができなかったため)山手貨物線・東北本線(現在の通称は湘南新宿ライン)経由で東大宮(操)に一旦入線し、機関車を機回しし、上野・品川(上野基準駅での東北本線上り方)向きに付け替えた上、東北本線を上野・品川方面に走行し、田町車両センター品川発着線および尾久車両センターの発着線にそれぞれ直接入出庫する方式を取っていた。 EF58形電気機関車(保留車1両) EF58 61 東京総合車両センター一般公開『2010 夏休みフェア』展示時(車体前方下側に金メッキ仕様の2エンド表示板および保安装置表記等3枚が確認できる) EF58形61号機牽引による昭和天皇フルムーンお召し列車1984年 東京機関区所属時代 EF58 61牽引 ベルギー国王迎賓お召し列車1996年10月24日 両毛線 お召し列車牽引専用指定機として日立製作所に特別仕様(お召し列車牽引用特別装備搭載の製造仕様書指定車両)車両として発注製造された61号機のみが保留車として在籍している(車両は東京総合車両センター本所で保管)。 1987年の国鉄民営化に合わせてJR貨物の管理下となる新鶴見機関区より関東地方および寝台列車等の旅客列車を担当する当所に配置換えになる。なお新製配置区は東京機関区であり、東京機関区の車両無配置化による乗務員区への組織変更に伴い新鶴見機関区に他の所属機関車とともに異動になるが、民営化により当所異動までの間は臨時の書類上の処理として見られることのほうが多い。理由として配置区は変更になったものの、新鶴見機関区よりも、東京口を発着する寝台・臨時列車などに使用される機関車は品川運転所(旧東京機関区跡地)構内に留置され、仕業検査等の簡易な検査も行われた(ただし田端運転所へ異動するまでの間に1度だけ新鶴見機関区において日数回帰による台車検査を施工されている)からである。民営化後は品川地区に常駐車両として留置されていたが、検査などの際には当所まで回送の上で検査を実施している。 特別装備の1部として、当時生産開始された絶縁効果の高いネオピレン電線の使用、供奉車との連絡用電話栓の設置、運転席左右に格納式の停止位置表示板の装備、車体を1周するステンレス帯の設置(後年改造された屋根へ上がる昇降用踏台部分の切り込み部分にも設置されている)、連結器に開錠防止用の固定ピン、国旗掲揚台の設置、ステンレス製の誘導員用握り棒(ステンレスの握り棒は61号機だけに装備された特別装備となる、来歴はEF58形116号機が製造メーカーの製造台数記念として特別に装着したもの(ほかにも115号機にも装備されたが、新製配置区で通常のものと交換され、以後の所在は不明)を移設された、この誘導員用握り棒は、国鉄時代はお召し列車牽引始業時にだけ装着されていたが、民営化後は常設となる、台車枠に取り付ける部分に当該車両(EF58 116)の刻印がされている)、電動圧縮機の増設、工具箱(予備部品)の常設、前後運転台の伝声管、助士席にも速度計の増設、傷や亀裂を発見しやすくするために各部分の磨きだし(普段はグリスで厳重に防錆保護され、お召列車運転前の特別検査時にすべて拭き取られ磨き上げているため撮影時期などによってはグリスが汚れて光沢が見られない写真もある)、民営化後の1号編成使用のお召列車運転時の整備時に、エンド表示および保安装置表示を金属製のプレート状にし金メッキを施したものを新たに装着するなど同時に専用機として製造されたEF58形60号機にもない装備が見られる。 装備の詳細はEF58形電気機関車 お召し列車牽引指定機(60・61号機)を参照。 2008年の定期検査にて、台枠亀裂が発見されたため(EF58形はEF81形やEF65形とは異なり、車体ではなく台車の台枠で牽引力を伝える方式で、発見された亀裂は運用に関わる致命的な故障と判断された原因になる)自力走行は可能なものの、自車での列車牽引は不能状態と判断され、2008年6月20日に自力走行にて、東京総合車両センターまで自力回送ののち皇室用客車とともに専用車庫にて保管されている。現在も自走はできるものの、検査期間切れ保留車(自動車のナンバープレートと同様に車籍登録はあるものの検査されてないため2017年4月現在は本線走行ができない状態)となっているが、JR東日本により永久保存すると報道発表され、東京総合車両センターの一般公開時には他の保管車両とともに展示されることもある。 かつては89号機も当所に配置されていたが、ジョイフルトレインの相次ぐ廃車・電車化による運転機会の減少と老朽化を理由に余剰車両として1999年(平成11年)に廃車され、大宮総合車両センターに長期間保管されたのちに、2007年以降は鉄道博物館内に外観の整備を受けて展示されている(内部は廃車時のままでATS-Pの装置なども搭載されている)。 国鉄からJRに移行する直前の1985年3月改正で宇都宮運転所の電気機関車配置が廃止になる際に残存していた11両(この中に89号機が含まれ、総数12両になる)が田端運転所に移籍する。定期運用がないためすぐに淘汰が始まり、残存車両の中で唯一つらら切りを装着していた89号機がほかの車両と差し替えで検査を受けることとなり61号機と並ぶ注目車両となる。
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