母音 母音の概要

母音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/21 05:26 UTC 版)

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子音の対立概念であり、英語の vowel から V と略して表されることもある。

分類・定義

母音の音色を決定するのはの形との形、の開閉度である。そこで調音音声学では、母音を分類する基準として、唇の丸み加減、舌の最上部の前後と舌の最上部の高低の位置が使われる。これらの状態によりIPAによって基本母音が定められている。ただし、これは物理的に舌の位置をはかったものではなく、聴覚印象上の音の距離によって決められたものである。

音節

母音は、単独で、あるいはその前後に1個または複数の子音を伴って、一つの音節を構成する。

二重母音

一つの母音の発声中に調音を変えるものを二重母音と呼ぶ。三種類の調音があるなら三重母音と呼ぶ。二重母音・三重母音はあくまで一つの母音であり一音節であるが、単なる母音の連続は複数の音節となる。

長母音

母音はその持続時間の長さの違いによって長母音と短母音に分けられる。言語のなかには長母音と短母音の区別により意味の弁別を行うものがある。日本語もその代表であり、長母音を含む音節を長音と呼んでいる。

なお、英語[i][ɪ] (bead [ˈbid], bid [ˈbɪd]) は習慣的に長母音・短母音と呼ばれることがあるが、実際には長さは弁別的ではない。英語では bead [ˈbiːd], beat [ˈbiˑtˑ] のように音節末の子音の有声・無声の区別に長さを利用している。

鼻母音

鼻からも息を出す母音を鼻母音と呼ぶ。標準的な日本語ではこの音は音素としては存在しないが、実際の音では「雰囲気」、「陰影」など撥音(「ん」の音)の次に母音、半母音、摩擦音が続く場合、撥音が鼻母音化して、それぞれ [ɸɯɯ̃iki] または [ɸɯĩiki], [iĩeː] と発音される。[ĩ], [ɯ̃][i], [ɯ] に対応する鼻母音である。

緊張

調音器官の筋肉の緊張を伴うと考えられるか否かで母音を弁別することがある。前者を緊張音、後者を弛緩音と呼ぶ。しかし必ずしも筋肉の緊張があると証明されていない。

r音化

母音を調音する際に舌尖を反らせたり、舌を盛り上げたりすると、咽頭に狭めができてr音のような音色を備える。これをr音化といい、r音性の母音ができる。


  1. ^ 正確にはこの記号は朝鮮語のi並みの平唇で舌の位置はuと同じ後舌の母音をあらわすのに使われるため、日本語の「う」の発音とは違う。またこの種の母音は、舌と唇の連動から外れるため、母音数5以上の言語でない限り生じるのは稀である。日本語の「う」は、首都圏方言(共通語)では、中舌よりもやや後ろよりだがuよりはやや前よりの舌の位置(軟口蓋よりやや前より)で、中舌母音において自然な平唇でも円唇でもないニュートラルな唇の形か、それよりほんのわずかに唇を前に突き出す唇の形で発音される、半後舌微円唇母音である。「日本語の音声」窪園晴夫、p35-p37


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