母音と子音の分離換字について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/09 08:51 UTC 版)
「パープル暗号」の記事における「母音と子音の分離換字について」の解説
母音と子音の換字が分離されていたかどうかは、パープルが実際に理論解読できるか否かに関わる重要事項である。レッド暗号の安全性の項目を参照。 分離なし説 加藤正隆、長田順行らの著書ではコーラル暗号と同様に26字が均等に換字される機構を説明している。 分離あり説* 1985年に初めてCipher A. Deavours, Louis Kruhらの著書に記述された。いわゆる"Sixes & Twenties"(6字側と20字側)である。コーラル暗号に比べて著しく強度が低下する暗号となるこの説は、ほとんど国内文献では扱っていない(2004年時点)。しかし、この説はアメリカ国家安全保障局のオフィシャルページでも公表され、海外ではこの説に従ったパープル暗号機のシミュレートソフトも配布されている。 暗号化アルゴリズムとその理論解読法については、Wes Freeman らの論文やAlan G. Konheimの著書が詳しい。また米海軍資料であるR.I.P.77 CHANGE 4 - INSTRUCTIONS FOR M-5 (ORANGE DIPLOMATIC) "B" MACHINE - ARMY PURPLE MACHINEにはパープルの運用解析がまとめられている。 さらに海軍技術研究所によれば、前世代機である九一式印字機の海外用(欧文)を海外電報料金削減を目的として二重式にしたとある。欧文用印字機は暗号強度を犠牲にして電報料金の安いartificial words(母音 - 子音分離換字)仕様とする方針が当時からあった。またアメリカ国家安全保障局の博物館には手動式のレッド模造機が展示されており。これも6字と20字に分かれた二重式のスライド多表である。
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