母音と綴り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/18 00:30 UTC 版)
母音は /a, e, i, o, u/ の5種類を基本として前方舌根性(ATR)の有無の区別(例: (ke-)bet /(ke̘ː˨-)pe̘ːt˦/ [+ATR]〈失せる〉: (ke-)bet /(ke̙ː˨-)pe̙ːt˦/ [-ATR]〈割る〉)、それに長短の区別(例: (ke-)chot /ke̙ː˨-co̙t˦/〈貶す〉: (ke-)chot /ke̙ː˨-co̙ːt˦/〈朽ちる〉)があるが、既に例示したようにこれらの区別は慣習的な綴りでは表されない。ただし Creider & Creider (2001) は [+ATR] の /a/(つまり /a̘/)に限り ö と区別する表記法を用いており、この音は [-ATR] の /o/(つまり /o̙/)と非常によく似ている(例: bororiet /po̘˦ro̘r˦-je̘ːt˦˨/〈ポロリエット; ナンディ社会における伝統的な社会政治的集団〉: körörön /ka̘˦ra̘ː˦ra̘n˨/〈美しい〔複数形〕〉)。本項目でも Creider & Creider (2001) の表記法に倣うこととする。 なおナンディ語には母音調和があり、原則としてある単語内の母音は全て [+ATR] か [-ATR] のどちらかとなる。語を構成する要素の一つでも [+ATR] の母音を持っていればその語の母音全体が [+ATR] に同化されるが、逆に [-ATR] の母音にはそのような作用を起こす力はない。
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