ヤナギ 表記

ヤナギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 21:48 UTC 版)

表記

ヤナギの漢字表記には「柳」と「楊」があるが、枝が垂れ下がる種類(シダレヤナギやウンリュウヤナギなど)には「柳」、枝が立ち上がる種類(ネコヤナギやイヌコリヤナギなど)には「楊」の字を当てる[3]。これらは万葉集でも区別されている[3]

ヤナギの種類

日本では、ヤナギといえば、街路樹、公園樹のシダレヤナギが代表的であるが、生け花では幹がくねったウンリュウヤナギや冬芽から顔を出す花穂が銀白色の毛で目立つネコヤナギがよく知られている。柳の葉といえば一般的にシダレヤナギの細長いものが連想されるが、円形ないし卵円形の葉を持つ種もある。マルバヤナギ(アカメヤナギ)がその代表で、野生で普通に里山にあり、都市部の公園にも紛れ込んでいる。

実際には、一般の人々が考えるよりヤナギの種類は多く、しかも身近に分布しているものである。やや自然の残った河原であれば、必ず何等かのヤナギが生育し、山地や高原にも生育する種がある。それらはネコヤナギやシダレヤナギとは一見とても異なった姿をしており、結構な大木になるものもある。さらには高山やツンドラでは、地を這うような草より小さいヤナギも存在するが、綿毛状の花穂や綿毛をもつ種子などの特徴は共通している。

ただし、その同定は極めて困難である。日本には30種を軽く越えるヤナギ属の種がある。これらは全て雌雄異株である。花が春に咲き、その後で葉が伸びて来るもの、葉と花が同時に生じるもの、展葉後に開花するものがある。同定のためには雄花の特徴、雌花の特徴、葉の特徴を知る必要がある。しかも、自然界でも雑種が簡単にできるらしいのである。

主な種

主な種を表示するには右の [表示] をクリックしてください。

主な種を下記に記す[4]

雑種

  • Salix x algista トウゲヤナギ
  • Salix x ampherista ハコダテヤナギ
    • Salix x ampherista nothosubsp. yamatoensis ヤマトヤナギ
  • Salix x arakiana ナガバノネコヤナギ
  • Salix x chrysocoma コガネシダレ
  • Salix x cremnophila ネコシバヤナギ
  • Salix x eriocataphylla シグレヤナギ
  • Salix x eriocataphylloides ナスノシグレヤナギ
  • Salix x euerata カワオノエヤナギ
  • Salix x gracilistyloides ロッコウヤナギ
  • Salix x hapala イヌカワヤナギ
  • Salix x hatusimae チクゼンヤナギ
  • Salix x hayatana リュウゾウジヤナギ
  • Salix x hiraoana ヒラオヤナギ
    • Salix x hiraoana nothosubsp. tsugaluensis ツガルヤナギ
  • Salix x hisauchiana フジヤナギ
  • Salix x ikenoana イケノヤナギ
  • Salix x iwahisana イワヒサヤナギ
  • Salix x japopina シバキツネヤナギ
  • Salix x kamikotica カミコウチヤナギ
  • Salix x kawamurana ミョウジンヤナギ
  • Salix x koidzumii トヨハラヤナギ
  • Salix x koiei コイエヤナギ
  • Salix x lasiogyne シロシダレヤナギ
    • Salix x lasiogyne nothosubsp. yuhkii ユウキシダレ
  • Salix x leucopithecia フリソデヤナギ
  • Salix x matsumurae オクヤマサルコ
  • Salix x mictostemon ワケノカワヤナギ
  • Salix x nasuensis ナスノイワヤナギ
  • Salix x paramushirensis チシマオノエヤナギ
  • Salix x pedionoma バッコキヌヤナギ
  • Salix x pseudopaludicola オオミヤマヤチヤナギ
  • Salix x sendaica センダイヤナギ
    • Salix x sendaica nothosubsp. ultima コンゴウバッコヤナギ
  • Salix x sigemitui フカオヤナギ
  • Salix x sirakawensis コセキヤナギ
  • Salix x sugayana スガヤヤナギ
  • Salix x sumiyosensis スミヨシヤナギ
  • Salix x thaymasta ミヤコヤナギ
  • Salix x turumatii ヒタチヤナギ
  • Salix caprea x S. hukaoana ドアイヤナギ
  • Salix gracilistyla x S. schwerinii ネコヤナギ × エゾノキヌヤナギ

植生

ヤナギは水分の多い土壌を好み、よく川岸や湿地などに、生えている。自然状態の河川敷では、河畔林として大規模に生育していることがある。これは出水時に上流の河川敷から流木化したものが下流で堆積し、自然の茎伏せの状態で一斉に生育するためである。

川の侵食を防ぐため川岸に植林される。オーストラリア南部でも入植時に護岸目的で植林されたが、侵略的外来種国家的に深刻な雑草英語版)として認定され、在来の樹木への置き換えが進んでいる[5]。繁殖力もさることながら、川の流れを阻害したり、秋には葉を大量に落とし、葉が分解されることで水質を悪化させ環境を激変させることが、オーストラリア政府の関心をひいている。


  1. ^ a b c d e 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日、58頁。ISBN 4-12-101238-0 
  2. ^ 漫天柳絮的春天,请小心过敏”. 2023年4月11日閲覧。
  3. ^ a b ネコヤナギ(猫柳)”. 株式会社宮城環境保全研究所. 2016年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月29日閲覧。
  4. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - Salix(2011年9月4日閲覧)
  5. ^ Weeds of National Significance (WoNS) 南オーストラリア政府
  6. ^ 勝部孝三『桃源詩話』国文社, 1987年11月25日初版, pp.21‐22
  7. ^ An aspirin a day keeps the doctor at bay: The world's first blockbuster drug is a hundred years old this week”. ノーベル財団. 2021年11月19日閲覧。
  8. ^ “Biosynthesis and metabolism of β-d-salicin: A novel molecule that exerts biological function in humans and plants”. Biotechnology Reports 4. (2014). doi:10.1016/j.btre.2014.08.005. PMID 28626665. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5466123/. 
  9. ^ 神社本庁『神社有職故実』1951年7月15日発行全129頁中24頁






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