アトリウム アトリウムの概要

アトリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/26 07:48 UTC 版)

ホテルや大規模商業施設、オフィスビルマンションのエントランスに設けられる例が多い。また、特定街区制度に基づく有効空地や、総合設計制度などに基づく公開空地を屋内に設定する際に設けられることも多い。

歴史

古代ローマ時代の住居の中庭は玄関奥に配置された広間で、そこには大きな天窓 (compluvium) があり、その下に雨を受ける水盤 (impluvium) が置かれ床には大理石が敷き詰められ、人々が集まる社交場の役割を果たしていた。

20世紀後半以降の現代建築において、エントランスホールに壁面や天井にガラスを使用した吹き抜けがある開放的な空間が設けられるようになり、それをアトリウムと呼ぶようになった。

図のAの部分が教会堂のアトリウム

キリスト教建築

右図のAの部分から教会堂ファサードを望む

初期キリスト教の建築において、バシリカ式という構成があるが、そのうち入り口前に展開された構造体をアトリウムと呼んだ(日本語では表中庭などと訳される)[1]。吹き抜けのある中庭およびその周囲を囲む回廊で構成される[1][2]、「洗礼志願者のための空間」であった[3]

現存するアトリウムは、ローマサン・クレメンテ教会 (ローマ)イタリア語版ミラノサンタンブロージョ教会サレルノサレルノ大聖堂イタリア語版などである[4]。他にはドイツのマリア・ラーハ修道院英語版[5]、ローマのサンタ・プラッセーデ聖堂英語版[6]もある。16世紀に改修される前のサン・ピエトロ大聖堂にもアトリウムは存在した[7]

脚注

参考文献

関連項目


  1. ^ a b 森口 1924, pp. 10–11
  2. ^ 池田 2009, p. 221
  3. ^ 池田 2009, p. 15
  4. ^ 池田 2009, p. 16; 記載の3点を挙げている。
  5. ^ 辻本 & ダーリング 2003, p. 33
  6. ^ Gallio 2009, 表2の図; Atrium の箇所。空間は残っているが、回廊部分は周囲の建造物に取り込まれている。
  7. ^ 森口 1924, 図解3。“羅馬の聖彼得寺”の図表より。


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