アトリの歌
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『アトリの歌』では、アトリは、富を与えると言いつつ実は彼らを殺すつもりでホグニとグンナルを招待する。グズルーンからの警告が届いていたにもかかわらず、グンナルは行くことにする。彼らはミュルクヴィズを通ってアトリの宮廷へと向かう。到着するや否や、アトリによって二人は捕らえられる。財宝の在り処を聞かれたグンナルは、ホグニが死んだら答えようという。そこでアトリはホグニを殺し、その心臓をグンナルに突き出す。グンナルは笑って、これで財宝の在り処を知るのは自分だけであると述べ、白状を拒む。アトリはグンナルを蛇の穴へと投げ込む。グンナルはハープを弾いて、ついに蛇に噛まれて死ぬ。 『アトリの歌』は、おそらく9世紀に遡り、『詩のエッダ』の中でも最古のものの一つと考えられている。この詩で特に注目すべきは、シグルズがまったく登場しないことである。ミュルクヴィズの存在や語りの無時間性は、歴史的伝説というよりも神話世界の様相を詩に与えている。また、ここでのミュルクヴィズは、11世紀のメルゼブルクのティートマルがMiriquiduiと呼んだエルツ山地を指している可能性がある。
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