自然選択とは? わかりやすく解説

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しぜん‐せんたく【自然選択】

読み方:しぜんせんたく

生物生存競争において、少しでも有利な形質をもつものが生存して子孫残し適しないものは滅びること。ダーウィン品種改良行われる人為選択人為淘汰)から類推し提唱自然淘汰


自然選択

読み方しぜんせんたく
【英】:natural selection

自然選択は個体間の適応度生存繁殖)の差によって生じプロセスであり, その差はたまたランダムに生じたものではない場合である. 自然選択による進化のためには, 淘汰選択),変異遺伝3つが必要である. 「淘汰selection)」はある形質適応度の差によって生じ, 「変異(variation)」は集団中の個体形質違いである. そして, その形質が親から子へ「遺伝heredity)」する必要がある

詳しくは,基礎編:生物学における進化ゲーム理論中の参考文献[1]を参照していただきたい


自然選択

英訳・(英)同義/類義語:natural selection, Evolution

生物環境適用するように競争起こり適者生存するような選択が行われること。

自然淘汰

同義/類義語:自然選択
英訳・(英)同義/類義語:natural selection

ダーウィンによる生物進化論で、生物環境適用するように競争生じることで淘汰選択)が起こり適者生存すること。

自然選択説

(自然選択 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/04 15:58 UTC 版)

自然選択説(しぜんせんたくせつ、英語: natural selection)は、進化を説明するうえでの根幹をなす理論とされる。自然選択説に基づく総合説(ネオダーウィニズム)では、厳しい自然環境が、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を選別し、進化に方向性を与えると主張する。1859年チャールズ・ダーウィンアルフレッド・ウォレスによってはじめて体系化された。自然淘汰説(しぜんとうたせつ)ともいう。日本では時間の流れで自然と淘汰されていくという意味の「自然淘汰」が一般的であるが、本記事では原語に従って「自然選択」で統一する。


注釈

  1. ^ ある機能、ある性質が後に他の用途に転用されること。
  2. ^ ただし例外もある。

出典

  1. ^ リチャード・ドーキンス 『盲目の時計職人 自然淘汰は偶然か?』 早川書房 ISBN 4152085576[要ページ番号]
  2. ^ Cook, L. M.; Grant, B. S.; Saccheri, I. J.; Mallet, J. (2012-08-23). “Selective bird predation on the peppered moth: the last experiment of Michael Majerus” (英語). Biology Letters 8 (4): 609–612. doi:10.1098/rsbl.2011.1136. ISSN 1744-9561. PMC PMC3391436. PMID 22319093. https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2011.1136. 
  3. ^ Coyne, Jerry. “The peppered moth story is solid”. Why Evolution Is True. 2021年8月7日閲覧。
  4. ^ ジョナサン・ワイナー 『フィンチの嘴』 早川書房 ISBN 4150502609[要ページ番号]
  5. ^ 『ヴォート 基礎生化学』東京化学同人社発行、ISBN 978-4807907120[要ページ番号]


「自然選択説」の続きの解説一覧

自然選択

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:22 UTC 版)

進化」の記事における「自然選択」の解説

一部遺伝的変異はそれを持つ生物個体適応度生存繁殖)に影響する。その多く適応度低下させるので、それを持つ個体子孫残せず、変異消失する(負の自然選択)。しかし、なかには適応度高め突然変異もある。たとえばレンスキーらは大腸菌長期培養実験のなかで、クエン酸塩利用できるうになる突然変異がまれに生じるのを観察した適応度高め対立遺伝子は、それを持つ個体持たない個体よりも平均して多くの子孫を残すので、個体群内で頻度を増す。この過程を正の自然選択という。正の自然選択によって、生物個体群世代を経るにつれてより適応的形質を持つように進化していく。自然選択は、適応進化説明できる唯一の機構である。 自然選択において有利になる形質環境条件によって異なる。ヨーロッパ生息するカタツムリ一種モリマイマイの殻の色彩は変異大きく個体群によって色と模様異なる。これは、生息環境によって捕食者の目を逃れるのに適した色、体温調節適した色が異なるため、自然選択によって個体群ごとに異な色彩進化したのだと考えられる形質適応度がその頻度によって決まることもある。たとえば、もし捕食者多数派模様学習し、まれなタイプ模様はあまり食べないということがあれば、ある模様適応度がその頻度少ないときに高くなるこのような自然選択を頻度依存選択と呼ぶ。 広義には自然選択に含まれるが、性選択適応度影響する性選択は、配偶者をめぐる同性間競争や、異性による配偶者選り好みによって起こる選択のことをいう。たとえばコクホウジャクというでは、長い尾羽を持つ雄が雌に好まれるので、そのような雄の適応度高くなる。 自然選択は個体あるいは遺伝子単位として考えられることが多いが、かつては個体集まったグループ単位とした自然選択(群選択あるいは集団選択)が重視されていた。かつてのような粗雑な群選択理論は今では否定されているが、グループを含む複数階層での選択考慮する複数レベル選択説が提唱されており、その重要性について議論になっている

※この「自然選択」の解説は、「進化」の解説の一部です。
「自然選択」を含む「進化」の記事については、「進化」の概要を参照ください。


自然選択

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/29 00:43 UTC 版)

ダーウィニズム」の記事における「自然選択」の解説

詳細は「自然選択説」および「ネオダーウィニズム」を参照 ダーウィン主義根幹となるのは自然淘汰(自然選択)という作用である。生物が住む環境には生物を養う資源食物営巣地など)が有限しかないので、その環境子孫を残すのに有利な性質持った種族そうでない種族とでは、必然的に有利なものが残って繁栄することになる。有利な性質持っていることを適応していると表現し適応していることが繁栄につながることを適者生存表現する。この作用自然淘汰である。 もっとも、個体変異選択かけても特定の形質のものが残るだけで新たな形質個体生まれわけではない。そこで、ここに突然変異組み込み、そうしてできた新たな遺伝子を含む個体群選択がかかることで進化進んでゆくという考え新ダーウィン主義という。進化に関してはそれ以後隔離説など様々な説提唱されたが、それらの多くは必ずしも自然選択説とは相容れないものではなかったため、自然選択説にそれらを取り入れた形の考え現在の主流であり、これを進化の総合説総合説)というが、ほぼ新ダーウィン主義同義扱われる一方で繁殖有利さには関係しないような変化も偶然浮動によって蓄積し種の多様性生んでいるのではないかという観点からの研究進められている。これは中立進化説呼ばれるが、ダーウィン主義対立する概念ではない。ダーウィン主義は、繁殖有利さに差がついた場合対象としているものなのである現在の総合学説では進化原動力として生殖的隔離倍数化雑種形成なども視野入れ、元々の新ダーウィン主義から理論枠組み大幅に拡張されている。さらにこの考え方推し進め、自然選択は進化において補佐的なものにすぎないという見方もある。例えブライアン・グッドウィン発生的制約強力なため自然選択が働く余地ほとんどない考えている。これに対してあくまでも自然選択が進化主要な原動力であると考え立場を、特にダーウィニストと呼ぶ場合もある。

※この「自然選択」の解説は、「ダーウィニズム」の解説の一部です。
「自然選択」を含む「ダーウィニズム」の記事については、「ダーウィニズム」の概要を参照ください。

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