クエン酸塩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 01:01 UTC 版)
アルカリ金属塩の正塩はいずれも水に可溶、アルコールに難溶で水溶液は弱アルカリ性を示す。重金属塩は水に不溶なものが多いが、クエン酸イオンが過剰にあると複数配位することで水溶性となるものもある。 クエン酸ナトリウム 二水和物が安定で、化学式 Na 3 ( C 6 H 5 O 7 ) {\displaystyle {\ce {Na3(C6H5O7)}}} · 2 H 2 O {\displaystyle {\ce {2H2O}}} の塩。水溶液は弱アルカリ性を示す。抗血液凝固剤や写真材料として利用される。家庭でクエン酸と炭酸水素ナトリウムを用いて自作の炭酸水を作った際には、その副産物として発生する。 クエン酸カリウム 一水和物が安定で、化学式 K 3 ( C 6 H 5 O 7 ) {\displaystyle {\ce {K3(C6H5O7)}}} · H 2 O {\displaystyle {\ce {H2O}}} の塩。水溶液は弱アルカリ性を示す。利尿剤として利用された。 クエン酸銅(II) 化学式 Cu 2 ( C 6 H 4 O 7 ) {\displaystyle {\ce {Cu2(C6H4O7)}}} の塩。トラコーマまたは濾胞性結膜炎の軟膏に使用されたことがある。 クエン酸鉄(III)アンモニウム 水酸化鉄(III) をクエン酸に溶かしアンモニアを加えて調製する。調製法により錯塩の構成が異なり、赤褐色の塩と緑色の塩が得られる。鉄欠乏性貧血の鉄剤として利用されたり、青写真や写真材料として利用されている。
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