外適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/04/13 06:21 UTC 版)
スティーヴン・ジェイ・グールドとエリザベス・ヴルバは生物の多くの形質が適応であろうという立場に反対し、外適応(Exaptation)の概念を提唱した。外適応には二つの異なる意味がある。一つは前適応と同じくある形質が以前は現在とは異なる用途に使われている場合、もう一つは適応の副産物や他の適応と適応の間にできた部分が現在何らかの機能を持っている場合である。グールドはこのようなケースの例を挙げ適応主義を批判した。 しかし由来が何であれ、現在複雑な機能を持っているならそれは適応と呼ぶことができる。デイビッド・バスらはグールドが「外適応」を実質的に「適応」と同じ意味で用いており、しかも同じ文章の中で「適応」と「非適応(適応の副産物)」という二つの全く異なる意味で使い分けていることさえあると指摘した。したがって外適応概念は現在でもまれに使われるが、その定義は曖昧なままである。現在もっとも一般的には、前適応と全く同じ意味で用いられるか、あるいは古い機能(例えば羽毛による保温)をさす前適応に対して新しい機能(羽毛による飛翔)をさす場合に用いられる。
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