仮想世界
『素晴らしき哉、人生!』(キャプラ) 人生に絶望したジョージは川へ身投げしようとし、「生まれない方がよかった」と言う。2級天使クラレンスがジョージを救い、彼が生まれなかった仮想世界へ連れて行く。その世界では不幸な事故のために、ジョージの弟は子供時代に死んでおり、アルバイト先の主人は投獄されていた。どちらも、ジョージがいれば防ぐことができた事故だった。彼の妻となるはずのメアリーは、寂しい独身生活を送っていた。ジョージは自分の人生の意義を知り、現実の世界―― 愛妻メアリーと4人の子供が待つ家 ―― へ帰って行く。
『高い城の男』(ディック) 1947年、第2次世界大戦は枢軸国の勝利に終わり、日本とドイツが世界を支配した。1962年、日本統治下の米国西海岸では、日独が大戦に敗れた仮想世界を描く小説が、ベストセラーになっていた。作者は『易経』の助けを借りてこの小説を書いたのであり、『易経』の示すところによれば、日独が敗戦国である世界こそが真実の世界なのだった。しかし誰もそのことを認識できないのだった。
『地には平和を』(小松左京) 昭和20年(1945)8月15日に日本は降伏せず、本土決戦に突入する。15歳の少年兵河野康夫は、米兵との戦闘で重傷を負い、死に瀕していた。それは、未来の狂人歴史学者が創り出した世界だった。狂人歴史学者は、「無数の歴史を並行させ、人類はその中から最も理想的な世界を選ぶべきだ」と考えていたのだ。しかし時間管理庁が、本来の軌道から外れた歴史を消して、基元世界に収斂させる。河野康夫は死ぬことなく成人し、結婚して、平和な日本で暮らした。
『火星人ゴーホーム』(ブラウン)「作者のあとがき」 『火星人ゴーホーム』(*→〔宇宙人〕1d)の読者から、火星人事件の真相を問う手紙が来ました。では、恐るべき真相をお教えしましょう。火星人はSF作家ルークの想像の産物ですが、火星人だけでなく、実は、この宇宙と、そこにある森羅万象のことごとくが、ルークの想像のうちにのみ存在しているのです。まだあります。そのルークを創りだしたのは、この「私(ブラウン)」なのです。
『星新一の内的宇宙(インナー・スペース)』(平井和正) 若き日の星新一は、経営不振の星製薬の2代目社長を無理やり押しつけられた。債鬼に追われ訴訟を起こされ、気が狂うほどの苦しみの中で、彼は過酷な現実を忘れようと、妄想の世界に入り込んだ。星新一は心の中で『SFマガジン』を作り、小松左京や筒井康隆を作り、日本SF界のすべてを想像=創造してしまった。日本のSF作家たちは、星新一の内的宇宙の中に存在しているのだ。星新一が妄想をやめれば、皆消えてしまうのだ。
『マトリックス』(ウォシャウスキー) 未来社会。人類は、コンピュータが作り出す仮想世界の網目(マトリックス)の中に、取り込まれていた。人々はプログラムされた夢を見て、それを現実だと思って一生を終えるのだ。このことに気づいた少数の男女が、真の現実世界を取り戻そうと、コンピュータ軍団に戦いを挑む。青年ネオは厳しい訓練で肉体を鍛え上げ、コンピュータ側のエージェントである男たちと闘う。彼は、人間世界の救世主としての使命を負っているのだ。
仮想世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 00:42 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動仮想世界(かそうせかい)とはコンピューターネットワークサービスの一つである。
なお、コンピュータ上にではなく、自分の意識の上で、あるいは可能性としてのみ存在する仮想世界を考えることもできるが記事構成上の都合上ここでは取り上げないこととする。
概要
野村総合研究所によると英語ではVirtual Worldと呼ばれるコンピューターネットワークサービスの一つである[1]。
そのうちの仮想現実は、コンピュータ上に構築された現実を模した「世界」であると考えることができる。また、現実とは違った法則(物理法則など)を設定した世界を作り出すことも考えられる。
仮想世界の代表格のサービスが米リンデンラボが運営するSecondLifeで、知名度向上には貢献したものの、機能制約が多く自由な利用が難しかった。またユーザー数増加に従いセキュリティ面にも課題を残した[2]。
歴史
1985年にルーカスアーツが運営していたLucasfilm's Habitat(日本では1990年の富士通Habitat)が初とされる[3]。
2000年ごろから始まり、2006年ごろから話題になり聡明期になり、2007年後半SecondLifeは順調に伸びていたユーザー数が頭打ちになった。その後はコンピューターネットワーク上のサービスが増え、マルチバース化すると予測していた[4]。
マルチバース
2009年当時の未来予測によるとSecondLife等以外にも
- イントラマルチバース - 企業内仮想世界
- エクストラマルチバース - 企業間仮想世界
- 仮想空間 - 特定の目的のために用意された狭い部屋
が想定されていた。それらは2010年頃には相互に連携されるようになるとされた[5]。
各言語によるニュアンスの違い
現在、「仮想」という言葉の使われ方は混乱している。この混乱は、「Virtual」という英単語に「仮想」という日本語単語を当てはめたために生じている。元々「Virtual」を「仮想」と訳すのは力学用語で用いられていたが、それが一般にも広まったものと考えられる。
日本語の「仮想」という言葉は「仮の想定、想像」というニュアンスが強い。一方、英語の Virtual には「事実上の、実質上の」というニュアンスがあり、仮の想像というわけではない。
例えば先の仮想現実(Virtual reality)は、単なる「想像された現実」ではなく、「これまで現実と呼ばれてきたものとは異なるが事実上の現実」ということである。特にコンピュータの世界では「仮想」とはこのような積極的な意味を持っているため、「仮想世界」という言葉がコンピュータに関する文脈で出てきたときは、単なる想像世界以上のことを意味していることに注意しなければならない。
主なサービス
脚注
参考文献
- 仮想世界ロードマップ 野村総合研究所技術調査部 東洋経済新報社 2009年
- 週刊アスキー臨時増刊号 2007年7月24日
関連項目
- 可能世界 - 論理学の一分野である様相論理学において使用される専門用語。「想像することが出来る世界」一般のことを指して使われる。
- シミュレーテッドリアリティ
- オーグメンテッドバーチャル
- イントラネット
- エクストラネット
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仮想世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/14 08:48 UTC 版)
「Computer Generated Imagery」の記事における「仮想世界」の解説
詳細は「仮想世界」を参照 仮想世界とはユーザーがアニメキャラクターやアバターと呼ばれるアニメキャラクターに扮した他のユーザーと対話できるシミュレーション環境で、ユーザーが生活したり会話することを重視していて、今現在ユーザーがアバターの形式で他人に見えるようになっている双方向3D仮想環境の主な代名詞になっている。これらのアバターは通常、テキストや二次元画像、3次元コンピュータグラフィックスといった表現で示されているが、他の形式でも可能である (例として聴覚的 だったり触覚的だったり)。全てではないが可能世界は複数のユーザーで使用可能になっている。
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