WHOと台湾政府の攻防
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「台湾における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の記事における「WHOと台湾政府の攻防」の解説
世界保健機関(WHO)と台湾政府の対立は単に台湾の参加可否だけではなく、中国寄りの姿勢を指摘されるWHOの対応が原因で防疫実務にも及ぶようになった。以下両者の言動を時系列で示す。 新型コロナウイルス対応と台湾加盟問題を巡るWHOと台湾政府の言動時期WHO側台湾政府側2019年12月31日 WHOは武漢での重症者11名を含む44名の流行症例を中国政府から報告を受けた 武漢での感染症流行をCDCが把握し、WHOに通知、武漢発着の航空便旅客に対する検疫を開始 2020年1月1日 危機対応グループ発足 (1月2日)CDCが専門家会議招集、武漢発着便旅客に対して検疫強化 1月5日 専門家に「流行発生ニュース(Disease Outbreak News)」公表 1月6日 CDC「新型コロナはSARSではない」 1月10日 「ヒトからヒトへの感染は無い、または低い」 (7日)武漢への渡航に対する注意勧告を1級へ格上げ予告 1月11日 2020年中華民国総統選挙+第十回中華民国立法委員選挙 1月12日 台湾CDCが荘銀清・洪敏南2名の専門家を武漢に派遣(外国専門家としての武漢入りは世界初)、市当局に問診を重ねヒトからヒトへ感染する致死性の感染症であることを確認、帰国後台湾政府はただちに防疫体制構築を図った。 1月13日 (タイで同国初の流入症例) 1月15日 新型肺炎を法定伝染病に指定。 1月20日 (韓国で初の陽性) 衛生福利部にCECC設置 1月21日 台湾入国者で初の症例 1月23日 「中国以外での人から人への感染は限定的」として緊急事態宣言見送り(テドロス事務局長)「緊急事態には該当しない」 武漢からの旅行者の入境を禁止、直行便停止。CECCを二級に昇格 WHO、1回目の緊急委員会に台湾招待せず。一方で「技術面では緊密に協力」と主張。 1月24日 マスク禁輸措置 1月28日 「中国国外への外国人退避は推奨しない」(テドロス)「中国政府には能力があると確信している」 (1月26日)中国本土からの渡航者を全面的に入境禁止 1月30日 緊急事態宣言も「中国への渡航規制は不要」。(テドロス)「中国に感謝しなければいけない」。テ「中国は並外れた措置取った」 WHO、2回目の緊急委員会に台湾を招待せず 2月3日 「各国の渡航制限は不必要」 台湾政府、マスク配給制実施を決定 2月4日 「マスクは不要」 2月6日 マスク実名制開始。中国在住の中国人の入境を全面的に禁止(2月10日)5路線の航空直行便を除き、海・空の両岸路線運航停止 2月17日 (テドロス)「全面的な防疫措置は不要」 3月11日 パンデミック宣言(一般人のマスク着用は言及せず) (3月12日)マスク実名制2.0(ネット予約受付)施行 3月28日 ブルース・アイルワード(英語版)事務局長補佐が香港記者による台湾の加盟問題の質問を一方的に遮断。 4月8日 (テドロス)「過去3ヶ月台湾から人身攻撃を受けた」 (4月14日)在米台湾人、ニューヨークタイムズに「Taiwan Can Help」の広告。 4月11日 WHO「台湾からのメールで人から人へ感染」はなかった。 CECC陳時中「隔離治療がどのような状況で必要となるかは公共衛生の専門家や医師であれば誰でもわかる。これを警告と呼ばず、何を警告と呼ぶのか」 4月15日 「台湾とは交流維持している」 「2009年から2019年まで187回の参加申請のうち認められたのは57回にすぎない」 5月4日 「(台湾の参加は事務局の権限ではなく)加盟国が決める」 「WHO事務局長には権限ある」 5月18日 この日開催された総会の招待状は台湾側に届かず、外交部長の呉釗燮が遺憾の意を表明。 11月 世界保健総会(英語版)(WHA)開催中にWHOは自身の公式Facebookに投稿されていた台湾の関係者による加入支持を訴えるコメントを削除し、中国を忖度しているのではないかと批判が巻き起こった。「Taiwan can Help」というこの年の定番フレーズに対して規制がかけられていたとされ、政界でも林飛帆や頼品妤(いずれも民進党)、および陳柏惟(台湾基進)らが「ストレステスト」と称してフィルタリング回避を試み、注音符号や日本語を用いて投稿した。 2021年1月10日 世界放射線技師会(ISRRT)が加盟している台湾の「中華民国医事放射師公会全国聯合会(TAMRT)」と「中華民国医事放射学会(TWSRT)」の表記を強制的に「チャイニーズタイペイ」と変更。WHOの圧力とされ、外交部が抗議した。 1月 WHO、新型コロナ統計で台湾を中国の一部とした感染報告を掲載し外交部が抗議。
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