Mark 7とは? わかりやすく解説

Mark 7 (核爆弾)

(Mark 7 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/21 08:21 UTC 版)

Mark 7 / W7
国立アメリカ空軍博物館に展示される Mark 7 核爆弾。
タイプ 核爆弾 (Mark 7) / 核弾頭 (W7)
開発国 アメリカ合衆国
配備先 アメリカ空軍
アメリカ海軍
アメリカ陸軍
開発・生産
開発期間 ‐1952年
生産期間 1952‐1963年 (Mark 7)
配備期間 1952‐1967年 (Mark 7)
1955‐1963年 (W7)
生産数 1,700-1,800発 (Mark 7)
1,350発 (W7)
要目
核出力 8, 19, 22, 30, 31, 61 kt (Mark 7)
2, 40 kt (W7)
弾頭 核分裂兵器(インプロージョン方式)
直径 30.5インチ (Mark 7)
30.5インチ (W7)
長さ 183インチ (Mark 7)
54.8‐56インチ (W7)
重量 1,645‐1,700ポンド (Mark 7)
900‐1,100ポンド (W7)
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Mark 7(マーク7)とは、アメリカ合衆国が開発した最初の戦術核兵器である。弾頭部はW7とも呼称され、多目的戦術核兵器として開発され爆弾としてだけでなくミサイルなどの核弾頭としても使用された。また、トールとの通称もあった。

LABS(Low-Altitude Bombing System、高速度からのズーム上昇中に爆弾をリリースして「投げ上げて爆撃する」(トス爆撃)ことにより離脱時間を確保することなどを軸とした、低高度侵入と核爆撃後の生存を成立させる攻撃法)が検討された最初の兵器でもある。Mark 7は1951年に行われた核実験であるバスター・ジャングル作戦(Operation Buster-Jangle)において、実弾頭の試験が行われている。

戦闘爆撃機にも搭載できるほど小型軽量であり、機外搭載用に流線形で安定翼のついた形状となっている。核分裂兵器であり、92分割の爆縮レンズを用いたインプロージョン方式を採用している。核出力はサブタイプによって異なり、8 kt (mod 0) から 61 kt (mod 9) まであった。サイズは直径30.5インチ、長さ183インチ、重量1,645ポンドから1,700ポンド。信管は着発または空中爆発であり、W7には水圧信管も用意された。

Mark 7は1,700‐1,800発が作られ、1952年から1967年まで配備された。

2016年2月19日、ジョージ・ワシントン大学の研究所は、沖縄・嘉手納基地に核兵器が配備されていたことについて、機密指定が解除されたとして写真を公表した。そのなかには、1962年10月に撮影されたとされるMark 7の写真が含まれていた。[1]

搭載兵器(W7核弾頭)

脚注

  1. ^ 復帰前 沖縄に核兵器 機密指定解除で写真公開 - NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160220/k10010416221000.html

関連項目


Mark 7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 14:46 UTC 版)

.303ブリティッシュ弾」の記事における「Mark 7」の解説

1898年フランスで初め採用され各国にも広まった尖頭弾、いわゆる"spitzer"弾は弾丸デザイン変革した。また尖頭形状加えて、より高い砲口初速を得るために、弾丸自体従来よりもずっと軽かった。それは弾丸速度上がるに従って対人威力が急激かつ大幅に致命的になることがわかったからであった1910年イギリスは、Mk.6弾をより現代的なデザイン置き換える好機得た。Mk.7は174グレイン(11.3g)の尖頭のフラットベース弾(後端円筒形状の弾丸)を採用した。この設計により2,440 ft/s(740 m/s)の砲口初速得られた。 一般に、Mk.7は、よりMk.6までの.303弾もしくは一般的な尖頭弾のデザイン異なっていた。Mk.7弾は普通のフルメタルジャケット尖頭弾に似ているが、これは外観だけである。設計者意図的に、Mk.7の弾丸前方3分の1には鉛の代わりにアルミニウムかテナイト樹脂(セルロース・プラスチック)、あるいは圧縮された紙を充填した。それは弾丸先端軽くすることで、弾丸重心後方移動させる為だった。 弾丸銃身ライフリングによって加えられ旋転力の為に飛翔中は安定しているが、目標着弾する際に従来型弾丸とは非常に異なった挙動見せた弾丸目標命中して減速するとすぐに、重い鉛の後半部分は、乱暴な横転弾丸変形引き起こしたタンブリング現象)。それによって、標準的な尖頭弾よりもずっと酷い銃創を負わせた。それにもかかわらず、この弾丸ハーグ陸戦条約の諸規定合致し合法だった。後に同様の原理弾頭が7.35×51mm カルカノ弾や5.45x39mm弾5.56x45mm NATO弾(SS109)に採用されている。 Mk.7(と、後のMk.8)弾には、ニトロセルロース装薬利用するバージョンがあった。ニトロセルロースバージョン(最初導入第一次世界大戦時)であることは、例え重量175グレインの「Mk.7Z」のように、形式名の末尾表示と、薬莢底部刻印(ヘッドスタンプ)の、「Z」の文字示された。 第一次世界大戦中1918年4月21日に、、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン一発の.303Mk.7弾を受けて瀕死の重傷負ったのだった

※この「Mark 7」の解説は、「.303ブリティッシュ弾」の解説の一部です。
「Mark 7」を含む「.303ブリティッシュ弾」の記事については、「.303ブリティッシュ弾」の概要を参照ください。

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