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ブラッド‐オレンジ【blood orange】

読み方:ぶらっどおれんじ

オレンジ一品種。イタリア原産果肉アントシアニン多く含むため暗赤色をしている。生食のほかジュースなどにする。


ブラッドオレンジ

(BloodOrange から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/07 10:25 UTC 版)

ブラッドオレンジ
ブラッドオレンジのスライス
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: ミカン属 Citrus
和名
ブラッドオレンジ
英名
Blood orange
ブラッドオレンジ
ブラッドオレンジジュース

ブラッドオレンジ: Blood orange)は、オレンジの一種である。その名の通り、血のような色の果肉を持っており、幾つかの品種が存在する。甘くて果汁が多く、生食のほかジュースなどにも使われる。

概説

ブラッドオレンジは、平均的なオレンジと比べると果実が小ぶりである。他のオレンジと同様に、果皮の表面に小さなくぼみが見られる。果肉は、オレンジの仲間の中では特徴的な、紫がかった濃赤色をしている。果肉の色は、アントシアニンによる。アントシアニンは、植物の花や果実に広く分布する色素だが、柑橘類の果実がアントシアニンを持つのは珍しい[1]。2012年、ブラッドオレンジの「血のような色」を生むアントシアニン色素の生成にかかわる遺伝子(ルビーと命名された)が特定された。この色素は心臓血管の働きを助ける効果が知られているが。昼夜の寒暖の差が激しい土地でないと、この色素は十分に発達しない。シチリアの一部地域はまさに絶好な生育環境である[2]

全てのオレンジは、ザボンタンジェリンオレンジ英語版(北アフリカ原産の柑橘類)の交配種だと考えられているが[3]、このブラッドオレンジは、そうしてできた甘口のオレンジの突然変異種と考えられている。

品種

ブラッドオレンジには、3つの有名な品種がある[4]

スペインの「Sanguinello」に、そのSanguinelloが変異してできたとされるイタリアの「Tarocco」、そして、シチリア島の「Moro」である。なお、その他の品種として次のようなものがある。

  • Khanpur
  • Washington Sanguine
  • Ruby Blood
  • Sanguigna Doble Fina
  • Delfino
  • Red Valencia
  • Burris blood Valencia orange
  • Vaccaro blood orange
  • Sanguigna grossa rotonda
  • Entre Fina blood orange
  • Sanguinello a pignu

栄養と利用

ブラッドオレンジは、他の多くの柑橘類と同じく、ビタミンCの補給源として適している。他の一般的な柑橘類の相違は、アントシアニンも得られる点である。他に、葉酸ビタミンB1の補給源ともなる。果肉を食べることで、食物繊維も摂取できる。

利用法としては、生食だけでなく、ジュースジャムの原料ともなる[5]ドレッシング氷菓子、果皮を香辛料として用いたパンゼストも参照)、ブラッドオレンジで香り付けされたビールテイスト飲料なども存在する。ブラッドオレンジの産地として知られるシチリア島では、薄切りにしたブラッドオレンジ、同じく薄切りにしたウイキョウ球根オリーブオイルとで作る、冬のサラダが有名である。

出典

  1. ^ Rapisarda, Paolo; Fanella, Fabiana; Maccarone, Emanuele (2 May 2000). “Reliability of Analytical Methods for Determining Anthocyanins in Blood Orange Juices”. Journal of Agricultural and Food Chemistry 48 (6): 2249-2252. doi:10.1021/jf991157h. 
  2. ^ クラリッサ・ハイマン『オレンジの歴史』大間知知子 訳、原書房〈「食」の図書館〉、2016年7月27日、56頁。ISBN 978-4-562-05324-7 
  3. ^ Nicolosi, E.; Deng, Z. N.; Gentile, A.; La Malfa, S.; Continella, G.; Tribulato, E. (2000). “Citrus phylogeny and genetic origin of important species as investigated by molecular markers”. TAG Theoretical and Applied Genetics 100: 1155. doi:10.1007/s001220051419. 
  4. ^ Walter, Reuther; Leon Dexter Batchelor; Herbert John Webber (January 1967). “Horticultural Varieties of Citrus”. Citrus Industry: Crop Protection, Volume I: History, World Distribution, Botany, and Varieties (revised ed.). University of California 
  5. ^ 猪股慶子 監修『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、191頁。 ISBN 978-4-415-30997-2 

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