5扉車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 03:02 UTC 版)
5扉車車内 座席(4人掛け) 京王線では1972年から朝ラッシュ時1時間あたり最大30本の列車を運転しており、増発余力がなかったため以降は車両の大型化、長編成化により輸送力の増強をはかってきた。1990年代初頭には朝ラッシュ時の30本の列車のうち各駅停車15本が8両編成、急行・通勤快速15本が10両編成となったが、各駅停車の全列車10両編成化は1996年3月まで待たねばならなかった。列車自体の輸送力増加に加え、混雑の分散、停車時分の短縮のため駅階段の増設、閉そく区間の列車追い込みをスムーズにするための信号改良やホームの交互使用などの施策を併せて行ってきた中、ホームの交互使用が出来ない千歳烏山駅と明大前駅での乗降時間短縮を目的として、客用扉を片側5か所とした5両4編成が1991年に製造された。5扉車の導入により、明大前駅の停車時分は62.5秒から54.5秒に短縮されたとされている。18 m級車体の車両では5扉車を採用した事例が他にもあるが、20 m級車体で5扉は4扉車と扉位置がずれることもあり、6000系5扉車が唯一の事例である。また、普通鋼で製造された多扉車も6000系が唯一の存在である。 5扉車では車両番号の下2桁が21 (71) から附番されている。車両重量を増やすことなく車体強度を保つため、京王の車両として初めて戸袋窓が廃止された。戸袋窓廃止による採光面積の縮小を少しでも補うため、扉間の窓はサッシなしとされた。外板の腐食対策のため、車体下部の構造と窓から流れ込む雨水の処理方法が変更されている。主要機器は従来の6000系と同様とされたが、補助電源装置は静止型インバータとされ、冷房装置も換気機能を付加したものに変更された。4扉車では車体中央部に種別・行先表示装置、車側灯がまとめて設置されていたが、5扉車では設置できるスペースがないため、1つずつ扉間の窓上に設置された。これまで京王の車両は車両番号に独特の角ばった書体を採用していたが、5扉車では一般的な欧文書体に変更され、以降の新造車すべてに採用されるとともに6000系・7000系の既存車も順次新書体に変更されている。5扉車は混雑の激しい編成中央部に連結するため、2両 + 5両 + 3両の編成で朝ラッシュ時は運用され、ラッシュ以降は3両または2両編成を切り離した7両または8両編成で各駅停車に運用された。両先頭車に自動連結解放装置が設置されている。 ← 新宿 京王八王子・高尾山口・橋本 → 竣工時期 形式クハ6700 デハ6000 デハ6050 デハ6000 クハ6750 区分Tc1 M1 M2 M1 Tc2 車両番号6721672267236724 6021602260236024 6071607260736074 6121612261236124 6771677267736774 1991年2月1991年3月1991年3月1991年3月 搭載機器CP CON・PT CPSIV 110 CON・PT SIV 110 自重29.0 t 38.8 t 37.8 t 38.8 t 30.7 t 定員149 160 160 160 149
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5扉車
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1990年(平成2年)9月に朝ラッシュ時の乗降時間を短縮するために編成の両端の2両 1・2・7・8号車を5扉車とした試作車の第09編成が製造された。これは日比谷線では駅出入口がホームの前後にある場合が多いためで、乗客の集中する位置に組み込むことで乗降時間の短縮を図るものである。同時期に東武も乗り入れ車20000系の5扉車である20050型を投入している(1992年(平成4年)12月運転開始)。 外観は3扉車に準じているが、車両の構造上から客用ドアは全て1,300mm幅、車端部の窓以外が戸袋窓(固定式)とされたので、長時間停車時の換気を考慮して屋根上に強制換気装置を2台搭載している。扉間の座席は3人掛けとなり、座席定員は減少しているが立席定員は増加した。 5扉車の戸袋部の窓枠はクリーム色に着色されたFRP製で、カーテンはレールがなく、下側の金具に引っ掛けて使用するものである。ただし、車端部の窓枠は3扉車と同じ構造だが、クリーム色に着色されている。なお、編成中の3扉車の窓枠は従来と同じくアルミの無塗装品(シルバー)である。 5扉車では2扉(第2・4番目の扉 (3A/3B, 4A/4B, 7A/7B, 8A/8B))を締め切りにすることも可能で、締め切り中は車外の扉横と車内の扉上部に「このドアは開きません」と表記したメッセージが点灯する。また、締め切り対応扉は車内側の化粧板色が通常のベージュ色ではなく薄緑色とされている。 この5扉車編成の先頭車正面には「5DOORS」と表記したマークを掲出している。新製当初はこの「5DOORS」マークは非常扉窓の下部に貼られていた。その後、視認性向上のために助士側の前面窓上部に変更された。さらにその後、東京メトロへの移行時に同位置に「ハートM」マークを貼り付けすることから、非常扉上部に変更された。 このほか、日比谷線内の各駅に設置されている乗車位置標識は、5扉車のみが該当する標識に「5DOORS」と表記したマークが入る。 試作した第09編成において朝ラッシュ時の効果が認められ、本格的に量産された。第28編成までは5扉車で落成したが、ラッシュ時の必要本数の20本に達し、第29編成以降はオール3扉車に戻った。なお、5扉車は朝ラッシュピーク時の北千住発車の列車に入っていた。 なお、当初は、東武線内では整列乗車が乱れるという理由から5扉のうち2扉を締め切って運行していた。しかし、1993年(平成5年)2月末に試験的に全扉の使用を開始し、翌3月から本格的に全扉を使用する運用にした経緯がある。
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