高性能電車の出現とは? わかりやすく解説

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高性能電車の出現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)

新幹線」の記事における「高性能電車の出現」の解説

日本では1953年昭和28年以降欧米からの新技術移入国内メーカー技術開発に伴い電車高性能化動き始まった。 この過程で、振動抑制し乗り心地改善高速転に資するカルダン駆動方式」と高速対応の新型台車床面シャーシだけでなく側板天井にも応力分散させた「全金属製軽量車体」、全車両にモーター搭載して加速力高める「全電動車方式」、反応速度速い上に取り扱い容易な電磁直通ブレーキ機構」、制御装置1台を2両の電動車共用して軽量化コストダウン実現する「1C8M方式MM'ユニット方式)」など、それ以前電車とは一線を画する重要な革新的技術が、1953年昭和28年)からわずか数年の間に実用化された。 この結果高速性能加減速性能優れ、しかも居住性良い高性能電車が、1954年昭和29年以降大手私鉄中心に続々出現して、大きな技術的成功収めた国鉄もこの潮流乗って高性能電車開発取り組み1957年昭和32年)に新型通勤電車モハ90系(後の101系)を完成させる同年小田急電鉄完成させた低重心連接構造流線型特急電車3000形SE車」は、鉄道技術研究所技術指導受けて設計され車両で、最高速度145 km/h目指し野心であった。しかし、曲線の多い小田急路線ではその高速性能十分に発揮できなかったため、小田急から国鉄に対して試験収集されたデータ小田急国鉄双方利用することを条件として、軌道条件優れている国鉄路線上で走行試験について申し入れがあった。 国鉄はこの申し入れに対して快諾小田急からSE車借り入れ1957年昭和32年9月東海道本線速度試験行った結果SE車計画通り145 km/h到達し当時狭軌鉄道における世界速度記録達成した続いて国鉄モハ90系通勤電車ギア比変更などで高速化改造空気抵抗の面で不利な形態ながら135 km/h好記録達成した。 これらの実績踏まえて1958年昭和33年)にはモハ90系技術応用し東海道本線特急こだま号」用に国鉄初の特急形電車モハ20系(後の151系)が開発された。流線型軽量・低重心車体冷暖房完備で、空気ばね台車装備しスピード快適な乗り心地両立させて、動力集中方式客車列車を完全に凌駕した。翌1959年7月には、東海道本線での速度試験通常編成(4M4Tの8両編成)からデッドウェイトとなる付随車2両を抜いた6両編成最高速度163 km/h達し小田急SE車速度記録更新した。 これらの電車における顕著な成績は、動力分散方式資質実証しひいては新幹線車両電車用いることへの強力な裏付けとなった1955年昭和30年)から国鉄交流電化方式実用化独自に取り組む同年国鉄代表団フランスパリで、狭軌交流機関車買いつける算段をするが、日本側は技術研究のための5両程度買い付け意欲しかみせず、交渉決裂日本では同年中に独自開発による商用周波数単相交流20 kV 50 Hz)を使用する電気機関車2両(ED44 1(日立製作所製)・ED45 1(三菱電機新三菱重工業製))の試作成功する。 これらの試作車による研究成果受けて国鉄1957年北陸本線皮切りに地方線区での交流電化開始した。これ自体従来直流電化比べ変電所間隔長くできることから地上設備コストが低いと考えられことによるものであったが、後に新幹線電化システム応用されることになる。超高速電気鉄道においては大量電力消費生じ、これに伴って架線から効率よく集電するには、従来から用いられて来た1,500 Vの直流電源より、大電力を長距離送電できる高圧交流電源用いる方が適していたのである日本の鉄道交流電化方式在来線20 kV新幹線25 kVで、電圧だけでも直流電化路線10倍以上のレベルである)。

※この「高性能電車の出現」の解説は、「新幹線」の解説の一部です。
「高性能電車の出現」を含む「新幹線」の記事については、「新幹線」の概要を参照ください。

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