駅一覧とその現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 19:00 UTC 版)
「姫路市交通局モノレール線」の記事における「駅一覧とその現状」の解説
全駅兵庫県姫路市に所在。 姫路駅 -(0.5km)- 大将軍(だいしょうぐん)駅 -(1.1km)- 手柄山駅 姫路駅 姫路駅は仮駅として建設されたため、軌道桁が神姫バスの姫路バスターミナル直前で断ち切れ、終端部に車止めが設けられているだけのシンプルな線路配置で、駅舎も仮設の簡素な物だった。延長時には、大手前通りをまたいで東側に直進する予定であり、これに備えて国鉄姫路駅構内の播但線ホームの北側に正規の駅用地の一部が確保されていた。このためこの地区には現在も旧国鉄用地に食い込むようにして、姫路市有地が存在している。 廃線後、駅跡は神姫バスターミナルおよび山陽百貨店新館となった。 大将軍駅 駅名標は旧字体で「大將軍駅」とされていた物もあった。ローマ字は訓令式(DAISYOGUN)とヘボン式(HIMEJI)が混ぜて使われていた。 恒久施設として建設された大将軍駅は、公団高尾アパートなどが入居する高層ビルの3階から4階にかけて吹き抜け構造とされ、3階部分に軌道が、4階部分にホームが設置されている。 もとは25m幅の道路の中央に5m幅のグリーンベルトを設け、そこにモノレールを敷設する構想であった。ところが当時の建設大臣河野一郎が「道路を他の目的に使うとはけしからん」と言い出したことで、この構想は消えてしまった。そこでこれに代えて20m幅の道路に沿って10m幅の用地を確保し、ここに4階建てに高さを揃えたビルを建設し3階部分にモノレールを通すというアイデアを立てた。実際に建設されたのは大将軍駅のある公団高尾アパートだけだが、これは都市再開発と軌道敷を一体整備し、都心部での導入空間確保と市街地改善を同時に行う工夫として注目された。もっとも大将軍駅は姫路駅に近すぎて歩いた方が早いほどだったため利用客は見込みほど多くなく、開業後2年足らずで営業休止となっている。 この下層部にはビジネスホテルがあったが後に廃業し、その後は市が倉庫として活用していた。その他の部分は上層部のビルや東側の軌道桁も含めほぼ当時の姿のままだったが、後述の解体工事開始直前の一般公開を例外として一般向けには閉鎖されていた。阪神・淡路大震災後の耐震診断で倒壊のおそれが指摘されたため補強工事が検討されていたが、所有者の都市再生機構はコスト面から補修を断念し、ビルを解体する方針であることを明らかにした。ビル解体を前に2016年8月13日・14日、48年ぶりに一般公開された。跡地の再開発を見据えてビルの解体工事が行われたが、2017年になり杭基礎として用いていたH形鋼200本あまりの頭部が変形し、掘り出しが困難となっていることが判明。市では杭基礎の撤去を断念し、敷地を当面駐車場にせざるを得なくなるなど再開発計画策定に影響が生じている。 なお、「大将軍」とはこの駅がある姫路市高尾町と隣の南畝町(のうねんちょう)にかけて存在した小字であり、大将軍神社が付近に現存する。大将軍神社は十二所神社の御旅所で方位神の大将軍を祀っている。ほかに延暦年間に播磨国総社に祈願した征夷大将軍・坂上田村麻呂が十二所神社にも祈願し、寄進した田が字の名となったという説もある。 手柄山駅 姫路博に合わせて整備された手柄山の幾つかの施設と同様に、おとぎの国の城をモチーフとしたようなデザインの建物で、山の斜面に半分埋まるようにして建設されていた。その北側壁面の中心に開口したトンネルの中に軌道と列車が吸い込まれるような構造で、建物に合わせたデザインの円柱形の駅舎が建物南側寄りの屋上にあって、建物本体内部のコンコース階(ホームと検修線の真上に当たる)へはこの駅舎と水族館脇の出入口から出入りするようになっていた。また駅舎の上には360°を見渡せる展望台も設けられていた。この手柄山駅の奥(南側)にはトンネルの出口が存在し、車両はここでスイッチバックして検修線に入っていた。このスイッチバック構造は飾磨方面への延伸を考慮して用意されたものであり、ここに設けられた巨大な可動部を持つポイント機構は、ロッキード式モノレールのものとしては本線用として日本で設置された唯一のものであった。 廃線後は南北のトンネル状の出入口が封鎖され、ホームもコンコース部の改札口を壁で塞いで立ち入り禁止とされ、当時の車両は検修線に集められて残っていた。手柄山駅の駅舎は路線が休止された後は長らく営業時ほぼそのままの姿で売店・待合室として利用されていたが、その後建て替えられて姫路市の「緑の相談所」となっている。またコンコース部は、改札口などの設備を撤去して緑の相談所の研修室や多目的ホールに転用された。このホーム内の施設と車両は、人の手や風雨の入らない閉鎖空間にあったため35年の歳月を経ても良好な状態を保っていた。 長らく非公開となっていた手柄山駅のホームと車両について、石見元秀の三男・石見利勝が市長となった2003年以降、再公開に向けての検討が進められてきた。まず耐震化工事実施計画委託料が2008年度予算に盛り込まれ、2009年秋には検修線からホーム内に車両のうち2両を移転する作業が行われた。ホームはほぼそのままモノレール展示室に、検修線部分は改修して姫路市立水族館の一部を移転させた水族館新館とし、モノレールと水族館を併せて「昭和レトロ」をテーマとした展示施設へと改装することとなり、2011年4月29日に手柄山交流ステーションとしてオープンした。また水族館新館は2011年7月2日にオープンした。これに際して、一度封鎖された南北のトンネル状の出入口も、歩廊を設けて交流ステーションの出入口の一つとして再活用されている。水族館脇の出入口は水族館の本館と新館を結ぶ通路として整備され、また旧コンコース部からモノレール展示室に入る事はできなくなっているため、建物屋上(駅舎跡の北隣)に新たにモノレール展示室に直通する出入口が設置された。
※この「駅一覧とその現状」の解説は、「姫路市交通局モノレール線」の解説の一部です。
「駅一覧とその現状」を含む「姫路市交通局モノレール線」の記事については、「姫路市交通局モノレール線」の概要を参照ください。
- 駅一覧とその現状のページへのリンク