青山正明の自殺とは? わかりやすく解説

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青山正明の自殺(2001年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:37 UTC 版)

鬼畜系」の記事における「青山正明の自殺(2001年)」の解説

2001年6月17日青山正明自宅で首を吊って自殺した。 ともに鬼畜ブーム牽引した村崎百郎は、彼の訃報に際して次の文章雑誌寄稿している。 “サブカルチャー”や“カウンターカルチャー”という言葉笑われ始めたのは、一体いつからだったか? かつて孤高勇気覚悟示したこの言葉今や“おサブカル”とか言われホコリまみれだ。シビア時代挙句の果てに、“鬼畜系”という究極カウンター価値観さえ消費するようになった。「──鬼畜系ってこれからどうなるんでしょう?」編集部質問対し単行本鬼畜ススメ著者であり、青山正明とともに雑誌危ない1号』で“電波鬼畜ブーム”の張本人となった男・村崎百郎の答はこうだった鬼畜“系”なんて最初からない。ずっと俺ひとりが鬼畜なだけだし、これからもそれで結構だ。 次に主張しておきたいのは「青山正明鬼畜でも何でもなかった」という純然たる事実である。これだけ御遺族青山の名誉の為に声を大にして言っておくが、青山本性は優しい善人で、決し俺のようにすべての人間に対して悪意持った邪悪な鬼畜ではなかった。『危ない1号』に「鬼畜」というキーワードを無理矢理持ち込んで雑誌全体邪悪なものにしたのはすべてこの俺の所業なのだ。 俺の提示した鬼畜”の定義とは「被害者であるよりは常に加害者であることを選び、己の快感原則忠実に好きなこと好き放題やりまくる、極めて身勝手利己的なライフスタイル」なのだが、途中からいつのまにか“鬼畜系”には死体写真やフリークスマニアやスカトロ変態などの“悪趣味”のテイスト加わり、そのすべてが渾然一体となって善人どもが顔をしかめる芳醇な腐臭漂うブーム成長したようだが、「誰にどう思われようが知ったこっちゃない、俺は俺の好きなことをやる」というのがまっとうな鬼畜態度というものなので、“鬼畜”のイメージや意味なんかどうなってもいい。 (中略ドラッグいらずの電波系体質のためドラッグにまったく縁のない俺だが、それでも青山書いた危ない薬』をはじめとするクスリ関連の本や雑誌ドラッグ情報数々が、非合法なクスリ遊びをする連中有益に働きその結果救われた命も少なくなかったであろうことは推測がつく。こんな話はネガティヴすぎて健全な善人どもが聞いた顔をしかめるであろうが、この世にはそういう健全な善人どもには決し救いきれない不健全邪悪な生命や魂があることも事実なのだ。青山存在意義はそこにあった。それは決し常人には成しえない種類の“偉業”だったと俺は信じている。 — 村崎百郎「非追悼 青山正明──またはカリスマ鬼畜アウトロー論ず試み太田出版『アウトロー・ジャパン』第1号 2002年 166-173頁 当時ペヨトル工房をやめて、フラフラしてたとこに青山正明から「新雑誌をやるんで」と声をかけられて、彼らが「ごきげん&ハッピー系」を念頭に置いて作っていたさわやかな麻薬雑誌に、ゲスで下品で暗黒文化無理矢理ねじこんで気づくと、読むとイヤ気持ちになる雑誌にしてた(笑)。しまいにゃ「鬼畜系」ってキャッチ・コピーまでつけて出させたのが『危ない1号』。あの頃記名じゃない記事書きまくってて、2号目なんて鬼畜記事3分の1くらいはオレ書いてた。あと、酒鬼薔薇事件というのもあったけど、酒鬼薔薇は『危ない1号』の創刊号読んでるんだよ。オレ犬肉喰い記事読んでるね。酒鬼薔薇出した年賀状イラストっていうのが、『危ない1号の裏表紙使われたLSDの紙パケイラスト模写だったから。 賛否両論あったけど『危ない1号』は一応受けて雑誌売れて抗議殺到おかげで鬼畜系編集者」の烙印押され青山が鬱になって、この件も彼の自殺早めた大きな要因だって、青山周辺からはずいぶん恨まれました。謝って許されることじゃないか謝らないけどね。今でも悪かったとは思ってるよ。青山名誉のためにも言っとくけど、青山鬼畜とは対極にある本当に優しくて親切な良い人でした。彼の雑誌を「鬼畜系」にねじまげてしまったのは全てオレのせいです。他の連中に罪はありません。 — 村崎百郎インタビュー今こそ鬼畜』になれ! 『アングラサブカル』が必要なわけ」『STUDIO VOICE2006年12月号特集90年代カルチャー完全マニュアルINFASパブリケーションズ、70-71頁所載青山没後村崎百郎明かしたのは、実際に危ない1号』に関わった人間本当に鬼畜」な人間は、本人以外に誰もいなかったという事実である。これについてばるぼらは「実際に危ない1号』に関わった人間は、青山含め鬼畜ポーズ取っていただけであって、つまり鬼畜ブーム実質一人によって作られといえるだろう。ただ当時は『危ない1号』は鬼畜人間集まって作った、サイテーでゲス雑誌であるというイメージ戦略によって売り出され、そして結果的に成功した」と解説している。 その後カウンターカルチャーあるいはムーブメントとしての実体失った鬼畜系」は、負の側面含めて崎が単独引き受ける形となった。しかし、インターネット加速的な普及に伴う出版不況によって、70年代末の自販機本から胚胎した「鬼畜系」は自然淘汰されていく。それでもなお崎はサイバースペースにおける「言語ウイルス」に抵抗続けネット文化とは全く無縁位置で「鬼畜系」を名乗り続けた。だが、崎は同じギミック芸風として使い続けた結果自己模倣繰り返して迷走する。これについてロマン優光著書90年代サブカル呪い』(コアマガジン)で次のように推察した。「それでも崎氏が鬼畜看板をおろさなかったのは、青山氏死に対す思いからかもしれません」。

※この「青山正明の自殺(2001年)」の解説は、「鬼畜系」の解説の一部です。
「青山正明の自殺(2001年)」を含む「鬼畜系」の記事については、「鬼畜系」の概要を参照ください。

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