陰陽師:土御門家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)
いずれも『すべては愛のために』のみ登場。千年前に実在した陰陽師、阿倍晴明の直系。神凪とは友好関係にある。ただし、術者の多くが「阿倍晴明の直系」を名乗るため、疑う者の方がはるかに多い模様。陰陽師としては最高峰にあるため、「それ以下」の陰陽師と比べられるのは侮辱と受け取る。 土御門 貴明(つちみかど たかあき) 『すべては愛のために』に登場。定信の次男。20歳過ぎ。 優男然とした顔立ちながらも長身細身で、しっかりと肉のついた体格を持つ。挿絵では糸目、もしくは鋭い眼差しの人物として描かれている。霧香同様、札を媒介とした符術を用いる。霧香とどちらが強いのか綾乃は疑問に思ったが「土御門のプライドとしては、比べること自体が侮辱と受け取る」とのこと。 過去に父と重悟が、「神凪に娘が生まれたらこちらの次男坊と娶わせよう」と約束しており、綾乃と見合いをすることになった(重悟は冗談のつもりだったが、定信は結構本気だった模様)。 綾乃と見合いをして本気で彼女に惚れてしまった様子。基本的にクールで自分を落として、相手を持ち上げたりと礼儀正しく話術にも長ける。しかし、恋のライバルである和麻とは失言の応酬をする仲となっている。 香久夜の凶行を止めるために駆けつけ、説得。自分に近づく女性を無意味に攻撃する妹を厳しくしかりつけていると話したが、実際は妹に負けず劣らずのシスコン。しかる、怒るという表現とは無縁なほど甘ったるい声音で妹を説得していた。結局は彼が香久夜を「しかった」ことでことの一件は収束した。しかし、この態度の豹変には和麻も綾乃も度肝を抜かれ、どこか病んだ兄妹から逃げるように立ち去っていった。 戦法は札を媒介とし、障壁を張って反作用で相手を弾き飛ばす。他の術も使えるようだが秘奥である後鬼以上の術は持ち合わせていないため、後鬼と戦う綾乃の役には立てなかった。 土御門 香久夜(つちみかど かぐや) 『すべては愛のために』に登場。定信の長女で、貴明の妹。20歳前後。 外見こそは兄にも劣らぬ容姿を持つ美女だが、実際は極度のブラコンである。 貴明の見合いを妨害するために和麻を雇う。見合いの席で綾乃に恥をかかせて、貴明を幻滅させようとするがことごとく失敗に終わる。それどころか、逆にふたりの距離が徐々に縮まっていった。 最終手段として、阿倍晴明が切り札として子孫に残した「二対の最強の鬼神」の片割れ、後鬼を解放。綾乃の抹殺を計ったが制御不能となっており、近くの物を手当たりしだい破壊するしかできなかった。 最終的には和麻によって後鬼は封印され、そのことで彼を逆恨み。後鬼を解放したことで謹慎の身となったが、しつこく綾乃と和麻を揃って殺害しようと土御門から脱走して付けねらう。 首を突っ込んできた由香里から綾乃に関する情報を聞き、それを曲解して「恋心を弄んで女王様気取りになっているふしだらな女」と受け取ってしまう。由香里を人質にし、今度は自らの手で紙縒(こより)を武器に綾乃と対決する。 そこへ和麻に呼び出された貴明が説得に現れ、一応の解決となった。 技一覧 蛇召喚 投擲した符を蛇に変化させる。作中では和麻の助力を得たとは言え綾乃の不意を突いて転ばせた。しかし貴明に受け止められて益々二人の距離が縮まってしまい逆効果となった。 紙縒(こより) 呪符を用いた紙縒を一種の式神として操り、亜音速(調子がいい時は音速)を超える速度で発射する。綾乃を殺そうとしたときに使用し、超音速の攻撃ということで綾乃を狼狽させたが和麻のアドバイスにより破られた。 呪符は不燃布でできた特性のもので燃え難いが、物理法則を無視する精霊魔術にはまったく効果がなく、綾乃の炎で簡単に燃やされてしまった。 遁甲陣の応用 標的を自然に誘導、隔離してしまう術を用いる。対象は周囲の人間から意識されなくなり、自身も無意識のうちに誘導される。和麻からは「さすがは腐っても土御門、なかなかやる」と賞賛されていた。 操る(仮称) 由香里を人質に取る際に使用。見えない何かを手繰り寄せる動作を取り、対象の自由を奪い引き寄せる。 後鬼召喚 短刀に封印された最強の式神の片割れ・後鬼を召喚する。本来なら阿倍晴明が施した命令(術)により子孫に七度力を貸すはずだが、太一郎が結界をめちゃくちゃに乱した影響により命令そのものが狂い暴走してしまった。 山田(やまだ) 『すべては愛のために』に登場。土御門に仕える中年の術者。 定信の命により、香久夜の依頼を取り消すために和麻と交渉する。常に遜った態度を取るが、内心では和麻のことを「ヘッポコ風術師」と見下していた。交渉が決裂した際は本性を現し、和麻に襲い掛かった。 戦闘では護法童子という式神を用いる。仏法を守護すると伝えられる鬼神で、童子の姿をしている。 風の刃に対し、ケブラー繊維を編みこんだ呪符を用意したが「物理的法則を超える」特性を持つ、一流の術者に抗する策にはなりえなかった。勝ち誇っていたわりには、部下と共にあっさりと和麻に敗北し屈辱を味わった。 役割としては単なるやられ役に過ぎないが、挿絵が描かれているという贅沢な扱い。 葛木(かつらぎ) 定信の部下。 式神使いで土御門と神凪の見合いを護衛する任に就いていた。そこへ現れた太一郎を見咎め、不審者として詰問するが反撃を受けてしまう。自分を未熟な術者だと自覚していたため、力尽くではなく最大の術で取り押さえようとした。相手の力量を見抜けず、ただ単に力尽くで取り押さえるという選択肢がでないあたり未熟である。この時、太一郎は魔術を無効化する手袋をつけており、それで呪符を握り潰されたため式神が暴走。太一郎は式神に取り付かれ、制御不能となって暴走してしまった。葛城自身がどうなったのか不明。 土御門 定信(つちみかど さだのぶ) 『すべては愛のために』で語られた土御門の当主。名前しか登場しない。 過去、重悟に「神凪に娘が生まれたら、こちらの次男坊と娶わせよう」と約束し、その履行を求める。 神凪との婚姻はそうとう乗り気だったらしく、娘が妨害を画策していることを知ると部下の山田たちを派遣して和麻に依頼の取り消しを行い、それが不可だった時は力尽くで阻止するように命じていた。 後鬼が破れ、香久夜を処罰のため軟禁した後は素直に和麻に違約金を払うなど娘思いの面を持つ。香久夜が処罰を受けた理由は綾乃を殺そうとしたことでも料亭を壊そうとしたことでもなく、後鬼の封印を解いてしまったことにあった。
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