関西本線(大和路線)・奈良線・おおさか東線
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「国鉄103系電車」の記事における「関西本線(大和路線)・奈良線・おおさか東線」の解説
吹田総合車両所奈良支所所属の4両編成があり、奈良線を中心に運用されていた。車体色は黄緑6号(■ ウグイス)で、先頭車の前面窓下に警戒帯を配する。 関西本線の湊町(後のJR難波) - 奈良間電化時に投入された101系の置き換えのため、京阪神緩行線への201系投入によって捻出された103系が1983年より投入された。当初は日根野電車区(現:吹田総合車両所日根野支所)の配置であり、日根野区への入出庫との兼ね合いから、編成の向きが(日根野区の阪和線用車両等と)逆になっている。その後も淀川電車区(当時)・森ノ宮電車区など関西圏やのほか首都圏の各地から転入している。 1985年2月には、関西本線の101系の103系への全面置き換えが完了した。1985年3月14日のダイヤ改正で奈良電車区が開設され、関西本線の103系は同区の所属となった。 1986年11月1日国鉄ダイヤ改正で編成両数を短くしつつ日中の運転本数を増やす施策が取られたため、国鉄末期から1994年にかけては日根野電車区等から転入したクモハ103+モハ102+クハ103の3両編成が投入され、単独運転またはラッシュ時には2編成を併結した6両編成で運転されていた。101系クハ100形からの改造車であるクハ103形2000番台も登場している。 分割民営化後は、6両編成12本、3両編成10本の計102両がJR西日本へ承継された。 1987年度には、阪和線への205系1000番台投入で捻出された日根野電車区の車両が転入した。短編成高頻度運転の輸送力増強のため、6両編成の一部はモハ103+モハ102を電装解除・先頭車化改造したクハ103形2550・2500番台を組み込み4両編成化された。 1988年3月13日のダイヤ改正で関西本線の加茂 - 木津間が電化され、加茂 - 湊町間には「大和路線」の路線愛称が制定された。加茂・奈良 - 湊町間には103系4両編成(ラッシュ時は併結8両編成)による快速列車が設定された。 1988年4月から10月にかけて、奈良県奈良市で博覧会「なら・シルクロード博覧会」が開催された。その開催期間には関西本線から梅田貨物線を経由して新大阪へ直通する臨時快速「シルクロード号」が運転され、奈良電車区の103系が使用された。 1993年以降、片町線やJR京都線・神戸線への207系の投入で捻出された103系が奈良電車区に転入し、より車齢の高い103系が代替された。片町線用であった淀川電車区からの転入車には自動解結装置を持つクモハ103・モハ102形5000番台とサハ102形もあり、1994年に自動解結装置の撤去と改番が行われている。 1994年より3両編成に付随車が組み込まれ、4両編成化された。一部編成にはATS-SWが設置され、3月より奈良線にも進出し、同線の113系の運用が終了した。また、桜井線や和歌山線でも103系が運用された。明石電車区から奈良電車区へ貸出の4両編成2本のうち、岡山電車区へ転属予定とされた1編成(クハ103-221ほか)は、緑のマスカット色に白帯3本の塗装で運用された。 1994年度には明石電車区と日根野電車区から10両が転入し、6両が宮原電車区に転出している。関西本線の湊町駅は1994年9月4日にJR難波駅に改称され、1996年3月22日に地下駅となった。 国鉄時代からの前面の黄色警戒帯は1990年度に撤去されていたが、1996年度に白色の警戒帯が設けられた。ウグイス色の車体が沿線の緑に溶け込み、保線作業員による識別が困難なためとされている。 2001年にはUSJ開業に伴うラッピング列車の運行開始により、森ノ宮との間で、先頭車の交換が行われた。転属された車両は「アメリカの街並み風景号(後のスパイダーマン号)」となった。 2005年より京阪神緩行線への321系の投入が開始され、同線の201系が森ノ宮電車区へ転属となった。これにより森ノ宮電車区の103系の一部が他線区へ転出し、奈良電車区への転入では103系老朽車やWAU102形による冷房改造車等に廃車が発生した。2006・2007年度には201系の6両編成が奈良電車区に配置され、103系6両編成の本数が減少した。 2008年3月におおさか東線が放出 - 久宝寺間で部分開業し、大和路線と同じく103系と201系の6両編成が投入された。2012年6月の組織改組により、奈良電車区の車両は吹田総合車両所奈良支所の所属となった。 環境省が2015年(平成27年)に国土交通大臣に提出した、奈良線の複線化事業に係る環境影響評価における、沿線環境対策についての指摘項目では、「適切な環境保全措置を講じ、転動音、車両機器音及び構造物音の低減を図ること」として、ロングレール化や、鉄橋におけるコンクリート床版化の極力導入と並び、「103系車両からの代替による低騒音型機器搭載車両の導入推進」が挙げられている。 4両編成は奈良線のほか、大和路線でも2本併結の8両編成で大阪環状線へ直通する区間快速でも使用されたが、2016年(平成28年)10月2日の運用改訂で221系に置き換えられ、以後は奈良線系統のみとなった。ダイヤ乱れ時など都合によりみやこ路快速の代走運用に入ることもある。4両編成は両端クハの編成とクモハを含む編成が混在することになったが、2007年にクモハ103-2505の4両編成が日根野電車区へ転出したことにより前者に統一された。 大阪環状線から撤退した吹田総合車両所森ノ宮支所の201系に置き換えられ、2018年1月24日をもって103系は関西本線(木津駅 - 奈良駅間を除く)、おおさか東線から撤退した。同年10月28日より平日朝の下り1本のみだが、奈良線所属の4両編成による奈良駅 - 王寺駅間での運転が復活した。また、奈良線についても、吹田総合車両所日根野支所の205系による置き換えが進められたが、221系転出の影響で2編成(NS407編成、NS409編成)が残存しており、2020年(令和2年)現在、運行中の103系ウグイス色(黄緑6号)車両の唯一の配置線区となっていたが、2022年3月11日の営業運転が最後となり、定期運用を終了した。
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