鉄道ファンによる迷惑・犯罪行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 15:41 UTC 版)
「鉄道ファン」の記事における「鉄道ファンによる迷惑・犯罪行為」の解説
「さよなら運転#さよなら運転を巡るトラブル」も参照 鉄道趣味に関する活動の中で、マナーをわきまえず迷惑行為を繰り返す者もいる。車内や駅構内で無謀な撮影・収録を試みるなどの他の利用者に迷惑となる行為や、それに伴う駅員・警備員との対立のほか、鉄道会社の所有物を盗むという犯罪行為すら発生している。これら悪質なファンの行動を原因とする一般の乗客や鉄道沿線の近隣住民とのトラブルも少なくない。また、一部の鉄道会社ではこれらの迷惑行為を考慮して、ファンサービスの企画(動態保存車両の特別運転や車両基地の一般公開など)を縮小、もしくは一切行わない方針とする傾向も見られる。 日本でこのような迷惑行為が増加したのは、1970年代の蒸気機関車全廃に伴う「SLブーム」でファンが著しく広がり、それに続く「ブルートレインブーム」で当時の若年層がより流入したことが原因であると考えられている。この時代、列車撮影が盛んになるとともに、撮影名所での場所取り・不法侵入・危険な区域への突入・窃盗・破壊行為・列車妨害等々の無法行為や、過熱した鉄道ファンが沿線で夜行列車撮影のために深夜徘徊することが問題になった。 鉄道ファンは自動車ファンなどと異なり、趣味対象を直接所有することは極めて難しい。鉄道関係のイベントで解体された車両の備品などを販売している事例はあるが、車両そのものの譲渡や寄贈を受ける(斎藤茂太など)場合には相応の資金力やコネクションが要求される。そうした背景もあってか、保存車両や鉄道敷地内の備品が盗難されることもある。イベント列車などの運転、廃車回送、路線の開業あるいは廃止などでファンが集まる際、上記の如くマナーに欠ける者の迷惑行為により、鉄道ファンに対する世間の評価を低下させているのが現状である。 以下は迷惑行為の例である。 犯罪・法令違反鉄道車両・関連施設の部品・備品等の窃盗・破壊・除去。 立入が禁止されている鉄道用地などへの無断侵入 鉄道用地にドローン(マルチコプター)を飛ばす行為 (撮影を目的とした)沿線の草木や構造物の無断伐採・除去 第1種踏切で遮断中の踏切を強行突破して撮影する行為や、第3種と第4種踏切で通過中の列車に近寄り撮影する行為 撮影地へのゴミの投棄 鉄道員の制服を詐取する行為 運転室への侵入(鉄道営業法第33条により罰せられる) 迷惑行為・マナー違反(犯罪・法令違反以外。なお程度の度合いにより、殺人罪、暴行罪、傷害罪、威力業務妨害罪、公務執行妨害罪、往来危険罪等の刑罰の適用を受ける場合あり)ホーム白線からはみ出た位置での写真撮影(冒頭写真を参考) 線路敷地内へはみ出した機器による撮影 軌道敷へ侵入しての撮影 走行している列車に向かってのフラッシュ撮影(運転士の視界を損なったり、信号確認などに悪影響を及ぼすおそれがあり危険) ホームや車内通路などにおける脚立・三脚の使用による、他一般利用客の通行の阻害(俗に言うひな壇) 走行中の列車の窓から手を出す、印刷物を掲げるなどの行為 鉄道車両の廃車反対、保存や譲渡といった、鉄道会社に対する無理な要望。特に保存については要求だけ行い、保存や維持管理にかかる経費の支出といった行為について消極的な、いわゆる「口は出しても金は出さない」姿勢が多く見られる。 鉄道車両やサービスに対して特定の鉄道事業者の方針を絶対視する、あるいは個人の好みに合わないという理由から鉄道事業者を批判・中傷する行為。こうした批判行為は一般のファンのみならず、一部の鉄道雑誌や専門書などでも見られ、著者の偏見や出版社側が事実関係を検証しないために起こることが多い。 「撮影時フレーム内に入る」などの理由で他の鉄道ファンや一般利用者、沿線住民などに罵声を浴びせる行為(俗に言う罵声大会) 趣味活動を注意・制止する駅員・警備員・鉄道警察などとの争い。 本人の承諾を得ずに鉄道関係の従業員を勝手に撮影し、その画像をネット上で公開する。 撮影場所に向かうために、キセル乗車をする。
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