ブルートレインブーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 15:44 UTC 版)
「ブルートレイン (日本)」の記事における「ブルートレインブーム」の解説
ブルトレブームがマスコミで騒がれ始めたのが1978年頃であったが、それ以前からブルートレインを鉄道雑誌の特集で取り上げると爆発的に売れることが多く、鉄道ファンには根強い人気があった。1978年3月にはTBSテレビで「富士」を追ったドキュメント番組を放送するとそれを機に鉄道ファン以外からも関心を集め、夏頃になると東京駅等でブルートレインの撮影をする人が小中学生を中心に増加し、ブームが本格化した。先頭機関車にヘッドマークをつけた東京と九州を結ぶ「富士」、「はやぶさ」、「あさかぜ」、「さくら」、「みずほ」が人気だったが中でも東京と山陰を結ぶ「出雲」は、その特徴的なデザインと色彩の美しさから特に人気が高かった。漫画では「ドラえもん」で「ブルートレインはぼくの家」という作品が登場し、「ドカベン」では明訓高校と対戦する相手高校に「BT(ブルートレイン)学園」が登場した。一般向け小説でも西村京太郎の「寝台特急殺人事件」が大ヒットするなど、鉄道雑誌に留まらず多くのメディアが取り上げた。そして前述のテールマークがブルートレインに採用されると更に撮影はエスカレートして、深夜に九州ブルトレが通過する大阪地区では青少年が深夜に駅構内で撮影することが教育上問題になったりもした。 なお、これら一連の施策とマスメディアの動向は「ブルートレイン(略してブルトレ)ブーム」と称されたが、このブームも施策も利用者の大幅な増加には結びつかず、ブーム真っ只中の1978年・1980年には前述の通り多くの列車が廃止された。 国鉄も手をこまねいていたわけではなく、1984年7月の「さくら」・「みずほ」の個室寝台車「カルテット」の連結、1985年3月の「はやぶさ」へのロビーカー連結とそれに伴う東海道・山陽本線でのEF66形への牽引機関車変更が行われた。 そして国鉄分割民営化直前の1987年3月には「あさかぜ1・4号」(運行当時)が大幅にリニューアルされ、「ゆうづる」に九州特急以外ではほぼ初めてとなる2人用A個室寝台「ツインデラックス(DX)」の連結を行うなど、ブルートレインを重要な商品として売り出そうと民営化を控えた国鉄の姿勢が伺えた。
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