西国編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:34 UTC 版)
武宗(たけむね) 国千代を誘拐した西国の大名。武信と鈴の父。改易を目論む将軍秀忠の陰謀を知った時、彼は嘆いているばかりだったが、息子の武信が国千代を誘拐することを提案して幕府と対峙する。人柄はいいが、大名としては凡庸で領内のことは息子の武信がほぼ仕切っており、家臣の人望も武信に集まっている。事件後の天海との交渉で首謀者の切腹で事を収めるとされ、武信を守るために代わりに切腹した。武信は父の決意に気が付かなかったことを悔い、あずみが気落ちする武信を励ました。 鈴(すず) 武宗の娘で武信の妹。兄に信頼を寄せている。美少女であるため、人質の国千代に目をつけられ、この領地の運命は自分にかかっているとして嫌らしいことを強要されそうになった。事情を察して妹を案じた武信は「国千代様は人質だ、意に沿わない要求をされたら張り倒してやれ」と彼女に伝えた。後にあずみと親しくなり、あずみに兄の妻(義理の姉)になって欲しがっていた。 木下 馬琴(きのした ばきん) 国千代を誘拐した西国の大名の家臣。家中で一番の剣の使い手で武信に心酔している。年老いた義母とともに暮らしている。武信の命令でしばらくあずみと千代蔵を預かり、曲芸師になりすましていたあずみが只者ではないことを見抜いた。城が京極の一団の襲撃を受けた際にも奮戦したが、丈山の死を聞いて駆けつけに行ったきぬを救出に向かった際の戦闘で刀が折れてしまい、京極の手下たちに斬られて死亡した。 きぬ 丈山の妻。厳格な夫と対照的に気さくな女性。夫妻の間に子はないようだが、子供の面倒見がよく幹太らに好かれる。幹太らと一緒に暮らすあずみとも親しくなった。顔は醜女で初対面の人に驚かれると語っている。城が京極の一団の襲撃を受けた際、夫が死んだことを聞かされ、夫のもとへ駆けつけたところを京極の手下に刺され、夫に覆いかぶさるように死亡。駆けつけたあずみはその光景を見て怒りを抑えられなくなり、京極が滞在している寺に斬り込みをかけて京極を殺すことを決意した。 丈山(じょうざん) 国千代を誘拐した西国の大名の家臣で剣客。きぬの夫。厳格な性格。他の腕自慢の剣客たち(春正、友則、赤木鹿之助)と4人同時にあずみと木刀で立ち会ったときは簡単にあしらわれてしまったが、家中では有数の剣豪であり、城が京極の一団の襲撃を受けた際にも馬琴に並ぶ奮戦があった。最期は京極の部下の強羅に斬られ、あずみがすぐに強羅を斬って駆けつけたが、すでに手遅れで、きぬの名をつぶやきながら死んだ。 陣左(じんざ) 武信の配下の忍者で諜報の一切を任されている。顔は非常に醜男だが、武信への忠誠心は厚い。景井、紫苑を天守閣へ入れまいと戦って死亡した。 小夜(さよ) 陣左の配下のくノ一。飄々とした人物で、親方の陣左とは肉体関係があるが、陣左が死んだと聞いてもさほど関心を示さなかった。国千代とも肉体関係をもっていた。色仕掛けで敵を殺しているシーンがあるが、武術の腕はそれほどでもなく、敵に斬られそうになってたところをあずみが敵を斬り捨ててくれたおかげで命拾いした。あずみが西国を去るときには私より年下なのにすげえ女がいたと感心していた。 幹太(かんた) 西国の領地で暮らす孤児の少年。武信のおかげでおんたち他の4人の孤児と一緒に施設で暮らしている。武信を尊敬しており、武信の役に立つ男になることを夢見ている。子供の割にかなりのしっかり者であり、武信からも関心されている。あずみは西国にいる間、幹太らのところで生活していたため親しくなった。後に幹太らは人質作戦に利用されないようあずみとともに城に移った。 おん 西国の領地で暮らす孤児の少年。幹太らと一緒に暮らす。知恵遅れなせいで幹太ら以外の他の子供たちからよくいじめられており、親方のぺっ熊からもよく殴られる。ぺっ熊に殴られているところを助けてもらったのをきっかけに千代蔵と仲良くなる。あずみにとっても一緒に暮らした孤児たちの中でも特に思い入れのある子供になった。あずみはおんが他の子供にいじめられているのを目撃した時、あえて助けず、いじめっ子たちが帰っていった後におんを抱きかかえて褒める教育をしていた。 京極 貞麻呂(きょうごく さだまろ) 国千代誘拐事件を巡って朝廷の使者として西国の領地に派遣された公家。正体は金地院崇伝の手先であり、崇伝の政敵の天海とその刺客あずみの妨害・抹殺を図るのが目的。武信の城に潜入させた彼の手下たちがきぬ・丈山夫妻や馬琴らを殺したことであずみの怒りに触れ、使命と無関係な彼女の標的となり、滞在先の寺が彼女や千代蔵の襲撃を受けた。応戦させた手下たちを皆殺しにされたが、彼自身は厠の糞尿の中に飛び込んで身を隠してなんとか生き延び、崇伝のもとへ逃げ帰っていった。 西国編の後も崇伝の手下として度々登場する。彼の崇伝への崇拝ぶりには同性愛感情が絡んでいるらしく、同じく崇伝の手下で崇伝と肉体関係がある風魔の汐路をライバル視し、あずみ抹殺の任務をめぐって風魔勢力と張り合っていた。最期は崇伝の計画に失敗したことで崇伝に見限られた上、あずみに斬られて死亡した。 景井、紫苑、強羅(かげい、しおん、ごうら) 武術の訓練を受けた京極の一団の中でも特に手練の者たちで武信の城の襲撃の際には一団を指揮する立場にあった。景井は平均的な体格だがリーダー格。強羅は大男。紫苑は女で景井や強羅とは肉体関係がある。3人とも鎧の盾を持っており、鉄砲隊の攻撃を防いで斬り込みをかける。城内の戦いで景井、紫苑は陣左を、強羅は丈山を倒したが、いずれも最期はあずみに斬られて死亡した。 徳川 国千代(とくがわ くにちよ) 将軍秀忠の次男。出来の悪い兄竹千代と違って利発であるため、秀忠とお江与から溺愛を受ける。顔も醜男揃いの秀忠の子供(他に登場するのは竹千代、梵天丸)の中で唯一の美少年であり、醜男の秀忠に全く似てない。家康の命令で跡継ぎは竹千代に定められていたが、武芸・学問・乗馬、何をやらせても兄に勝っているため、承服できない思いを抱えている。西国の領地の取り潰しを目論む秀忠の陰謀を阻止するために武信により誘拐される。性格は意地悪で、また女好きであり、美少女の鈴やあずみにちょっかいを出そうとし、小夜とは実際に肉体関係をもった。天海を竹千代派と見て疎んでおり、あずみにも冷淡(あずみの肉体には関心があるが)。京極と接触を図っており、城が京極の一団に襲撃された時も移動を拒否したため、あずみに気絶させられて無理やり天守閣に運ばれた。 服部半蔵正重(はっとり はんぞう まさしげ) 伝説の忍の服部半蔵正成の次男。兄服部半蔵正就の改易後に半蔵の名を継いだが、彼も後に改易されて他家の預かりの身になり、名誉回復のため国千代救出の任務に参加し、西国の領地に潜入した。強さはそれなりという程度だが、当初夜郎自大であずみを見下して上から目線で話していたが、あずみの強さを目撃して驚愕し、以降ばつが悪くなって彼女とまともに話せなくなり、あずみと敵対関係にはならなかったものの、特に親しくもならなかった。 本作品ではうだつの上がらなさやあずみに尻拭いされる情けなさが強調されるだけの存在だったが、続編『AZUMI』では彼の子孫にあたる服部半蔵正綏と服部半蔵正義の父子が桑名藩の実質的支配者、また訓練を受けた刺客集団(服部一族の兵士)の長として登場し、あずみの敵として立ちふさがる。
※この「西国編」の解説は、「あずみ」の解説の一部です。
「西国編」を含む「あずみ」の記事については、「あずみ」の概要を参照ください。
- 西国編のページへのリンク