蔦とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 産業 > 出版 > > の意味・解説 

つた【×蔦】

読み方:つた

ブドウ科落葉性(つる)植物吸盤のある巻きひげで木や岩に固着する卵形で、ふつう三つ裂けており、秋に紅葉する。夏、黄緑色小花集まって咲き、実は黒紫色に熟す日本朝鮮半島中国分布なつづた。《 秋》「—植ゑて竹四五本のあらし哉/芭蕉

紋所の名。ツタかたどったもの。鬼蔦中陰蔦・結び蔦など。

ツタ似せたひもの結び方。つたむすび。

蔦の画像
撮影朝倉秀之
蔦の画像
撮影朝倉秀之
蔦の画像
蔦の紋所
蔦の画像
蔦の紋所一つ鬼蔦
蔦の画像
蔦の紋所一つ石州蔦」
蔦の画像
蔦の紋所一つ中陰蔦」

作者森内俊雄

収載図書桜桃
出版社新潮社
刊行年月1994.1


作者吉屋信子

収載図書女流作家十佳選
出版社ゆまに書房
刊行年月2002.5
シリーズ名戦時下〉の女性文学


つた (蔦)

ブドウのほかの用語一覧
キフォステンマ:  葡萄甕
ツタ:  アメリカ蔦  ヘンリー蔦  蔦
ノブドウ:  野葡萄
ブドウ:  三角蔓  山葡萄


読み方:ツタ(tsuta)

ブドウ科落葉つる植物で、秋に紅葉する

季節

分類 植物


読み方
かずら
つた

ツタ

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/16 05:42 UTC 版)

ツタ
ツタの新しいツル
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: ブドウ目 Vitales
: ブドウ科 Vitaceae
: ツタ属 Parthenocissus
: ツタ P. tricuspidata
学名
Parthenocissus tricuspidata (Siebold et Zucc.) Planch. (1887)[1]
和名
ツタ(蔦)、ナツヅタ[1]
英名
Boston Ivy, Japanese Ivy

ツタ(蔦[2]学名: Parthenocissus tricuspidata)は、ブドウ科ツタ属のつる性落葉性木本。山野に生える。別名、アマヅラナツヅタ[2](夏蔦)[3]モミジヅタ。和名の由来は、他の木や岩肌につたって伸びる様子から「つたって」が転訛したものとされる[2][4]中国名は「地錦」[1]

ツタという言葉は、ツタ属(Parthenocissus)の植物を総じて称することもある。英語でのアイヴィー(Ivy)との呼び方は、ウコギ科キヅタ属の植物を指すことが多い。Poison Ivyツタウルシであり、ツタではない。

分布・生育地

日本では北海道本州四国九州の低地に分布する[5]。山の林や岩肌にふつうに自生する[2]。木の幹にびっしり張り付いているほか、建物の壁や塀の一面を覆うことも多い[5][6]

ツタ属植物は、アジアから北アメリカに15種が自生し、日本にはツタ(P. tricuspidata)のみが北海道本州四国九州に自生する[2]。北アメリカには、葉が5裂、あるいは5葉に分かれるアメリカキヅタ(P. quinguefolia)がある[7]

特徴

落葉性のつる植物[5]まきひげの先端が吸盤になり、木や崖などの基盤に付着してよじ登る[3][6]樹皮は黒褐色で縦筋があり、若木は皮目があり、老木になって太いものは縦に深く割れる[6]。一年枝は赤褐色で短枝もよく出る[6]

の形は変異が多く、若い枝では切れ込みのない葉、または掌状に浅く裂けるか、あるいは完全に3つに分裂して複葉になり、後者はツタウルシの葉に似ている[5]。複葉の場合、3小葉からなる[2]

若いつると古いつるでは、葉の形が異なり3通りくらいある[2]。若い枝の葉は、小型で光沢が弱く、太い枝の葉は光沢が強い[5]。無理やり抜いた場合はポツポツと吸盤だけが残る。葉を引っ張ると葉柄が一緒についてくるが、秋に紅葉して葉が散るときには葉と葉柄が分離する[2]。紅葉しはじめは紫色を帯びやすく、緑色から紫色、赤色、橙色、黄色のグラデーションになる[5]。若い枝の紅葉は明るい色が多く、太い枝の葉は紫色を帯びる傾向がある[5]。ブドウ科の植物に共通し、落葉時には葉柄が外れるものが多い[5]

花期は6 - 7月[6]。5枚の緑色花弁を持つ小さなをつける。落葉後も黒紫色の果実が残ることが多い[6]

冬芽は互生し、小さな円錐形で大きな葉痕の上につく[6]

キヅタとの違い

ツタはブドウ科であるが、類似する植物にウコギ科キヅタHedera rhombea)がある[3]。分布域はツタよりもやや南で、本州から南西諸島まである[7]。ツタは巻きひげの先の吸盤で壁などをよじ登っていくが、キヅタは付着根という細かいブラシのようなヒゲ根によって張り付き、這い上がる高さもツタより優っている[3]。葉は紅葉して落葉するツタに対し、キヅタは常緑で一年中緑色の葉をつけている[7]。葉の形も、3裂した単葉か3枚に分かれた複葉のツタに対し、キヅタでは若い葉は3裂しているが、大きくなると卵形になる[3]

利用

庭や建物の緑化用に植えられる[5]。古くから建物の外壁に覆わせ、装飾として利用される[2]。建物に這わすことで、強い陽の照り返し緩和し、室内温度を下げる働きもしている[7]。道路の擁壁などにもツタが使われていて、平面に使うことで、道路などの照り返しを防ぐよいグラウンドカバーになる[7]

また、日本では古来から樹液をアマヅラと呼ばれる甘味料として利用していた。ナツヅタの名は、ウコギ科キヅタをフユヅタと呼んだため、その対比で呼ばれた。

文化

童謡「まっかな秋」でも唱われるように、紅葉が美しい植物として親しまれている[5]

家紋

蔦紋(つたもん)は、ツタの葉・茎・花を図案化した日本の家紋の一種である。

家紋としての初見は不明であるが、江戸時代松平氏が用い、8代将軍である徳川吉宗が用いたことから広まったとも言われる。現在は十大家紋に数えられるほどに使用家が多い。

見聞諸家紋』には、椎名氏(蔦)、富田氏(蔓蔦)、高安氏(竹笹輪に蔦)が載せられている。

他に『寛政重修諸家譜』には、津藩藤堂氏が「藤堂蔦」、本荘藩六郷氏西尾藩(大給)、小島藩(滝脇)、棚倉藩(松井)ら各、松平氏が「蔦」で載せられている。[8][9]

また、ほかの樹木や建物などに着生する習性から付き従うことに転じて、女紋として用いられることがあった。蔦が絡んで茂るさまが馴染み客と一生、離れないことにかけて芸妓娼婦などが用いたといわれる[8][9]

脚注

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Parthenocissus tricuspidata (Siebold et Zucc.) Planch. ツタ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 亀田龍吉 2014, p. 25.
  3. ^ a b c d e 辻井達一 2006, p. 124.
  4. ^ ツタ - 岡山理科大学 生物地球学部 生物地球学科 植物生態研究室
  5. ^ a b c d e f g h i j 林将之 2008, p. 62.
  6. ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 214
  7. ^ a b c d e 辻井達一 2006, p. 126.
  8. ^ a b 千鹿野茂 監修、高澤等 著『家紋の事典』東京堂出版、2008年5月。ISBN 978-4-490-10738-8 [要ページ番号]
  9. ^ a b 新人物往来社 編『索引で自由に探せる 家紋大図鑑』新人物往来社〈別冊歴史読本 28〉、1999年8月。 ISBN 4-404-02728-1 [要ページ番号]

参考文献

関連項目


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/07 14:18 UTC 版)

このは (ゲームキャラクター)」の記事における「蔦」の解説

キャラクター正面から植物の蔓召喚し進行方向向けて伸ばす飛び道具。「地上用」と「対空用」の二つコマンドがあり、地空両方使用する事が可能。「地上用」はどこで出しても必ず真横向かって伸ばす。「対空用」は、地上時は斜め上向けて空中時は斜め下に向けて伸ばすリーチ長い硬直時間長い為、避けられてしまうと大きな隙を作る事になるので、使いどころ考えて使用求められる

※この「蔦」の解説は、「このは (ゲームキャラクター)」の解説の一部です。
「蔦」を含む「このは (ゲームキャラクター)」の記事については、「このは (ゲームキャラクター)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「蔦」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典:『Wiktionary』 (2016/07/30 15:09 UTC 版)

発音(?)


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「蔦」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



蔦と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「蔦」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||


6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||

10
100% |||||

蔦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



蔦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ボタニックガーデンボタニックガーデン
Copyright 2001-2025 shu(^^). All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
EDRDGEDRDG
This page uses the JMnedict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのツタ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのこのは (ゲームキャラクター) (改訂履歴)、暴れん坊少納言 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS