花見と栽培品種開発の歴史とは? わかりやすく解説

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花見と栽培品種開発の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:32 UTC 版)

「サクラ」記事における「花見と栽培品種開発の歴史」の解説

日本においてはサクラは、関心対象として特別な地位占める花である。 日本では固有種含んだ分類学上の10もしくは11種(species)の基本野生種を基に、これらの変種variety)以下の分類合わせて100種以上の自生種があり、さらにこれらから育成され栽培品種cultivar)が少なくとも200種以上あり、分類によっては600種以上ともいわれる品種確認されている。なおこのうち100品種余り北海道松前町由来マツマエハヤザキなどを掛け合わせるなどしてベニユタカなどの多品種生み出した浅利政俊が作出したものである。 日本では果実サクランボ)を食用とするほか、花や塩漬け食品などに利用されるが、特に平安時代国風文化影響以降に、観賞用途(花見)で花の代名詞のような特別な位置占めようになった当初鑑賞対象とされる代表的な品種野生自生するヤマザクラであった。これに加えて花弁の数や色、花の付け方などの観点から見栄え良かった突然変異の珍しい特徴を持つ野生個体を何世代にもわたって選抜育種し、優れた個体接ぎ木などの方法増殖させることで様々な栽培品種開発されて、花見利用された。既に平安時代には八重桜接ぎ木によって増殖されていたらしいことや「しだり櫻」や「糸櫻」などが存在したことが当時文献記録されている。また鎌倉時代以降鎌倉周辺自生するオオシマザクラ栽培されるようになり、これが京都持ち込まれたと考えられており、室町時代オオシマザクラ由来とするフゲンゾウミクルマガエシ等が生まれた江戸時代にはオオシマザクラ優れた特質からカンザンなどの多種サトザクラ群やソメイヨシノ染井吉野)などが生まれ河川整備伴って護岸美観維持のために積極的に植えられた。江戸時代末期には現代日本見られるのと大差のない300超える多く品種存在するようになった明治時代入り大名屋敷荒廃文明開化西洋化のため庭園取り潰されると同時に、そこに植えられていた数多く栽培品種伐採され植えられるのはソメイヨシノばかりになっていった。これを憂い駒込植木庭園職人高木孫右衛門多く栽培品種採取し自宅の庭で育てた。これに目を付けた江北地区戸長(後に江北村村長)の清水謙吾が村おこしとして荒川堤多く品種による桜並木作り五色桜」として評判となり、これを嚆矢として多く栽培品種小石川植物園などに保存されることになり、その命脈保った。また京都では第14代佐野藤右衛門全国にあった貴重な栽培品種名木収集して増殖して保存務めた。 また第二次世界大戦荒川堤壊滅的な被害を受けるが、第二次大戦中埼玉県川口市安行植木業者小清水亀之助らが品種保護尽力し戦後1950年頃には国立遺伝学研究所が、1960年代には多摩森林科学園小清水らから譲り受け、現在では前者250系350個体後者500系1300個体サクラ植えられて、江戸時代以前からのサトザクラ命脈保っている。またイギリス園芸家コリングウッド・イングラム保存していたタイハクのように、一度日本消滅した品種日本里帰りすることで、江戸時代以前サクラ命脈補完している。戦後高度経済成長期にはソメイヨシノ植樹日本全国爆発的な勢い進められサクラの中で最も多く植えられ栽培品種となっている。 また野生種であるエドヒガンは、成長が遅いが耐久性高くの中で寿命が最も長く長い期間をかけて巨樹成長しやすい。このため日本には、エドヒガンとそれから生み出され栽培品種シダレザクラ長寿巨樹がたくさんあり、それらの桜の木はしばし神聖なものと見なされ、一本桜として神社仏閣地域象徴するランドマークになって現在に至るまで歴史的に有名な花見対象となってきた。たとえばエドヒガン神代桜は約2,000年、淡墨桜は約1,500年醍醐桜は約1,000年の歴史誇りベニシダレ三春滝桜は約1,000年の歴史を誇る。 今日でもサクラ栽培品種作出続けられており、珍しい方法としては、2007年理化学研究所世界で初めサクラ在来品種に重イオンビーム照射して新品種ニシナザオウ(仁科蔵王)を作出することに成功している。 今日とりわけ多く栽培品種サクラ見られる名所としては、松前公園250品種)、日本国花苑200品種)、日本花の会結城農場350種)、造幣局桜の通り抜け134品種)などがあげられる。(品種数は野生種と、野生種雑種下位分類含んだ数)

※この「花見と栽培品種開発の歴史」の解説は、「サクラ」の解説の一部です。
「花見と栽培品種開発の歴史」を含む「サクラ」の記事については、「サクラ」の概要を参照ください。

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