社会における騎士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 16:32 UTC 版)
「騎士 (ファイブスター物語)」の記事における「社会における騎士」の解説
MH→GTMを駆り戦場にて戦うことを生業とする。彼らが出陣すれば通常の軍隊はおよそ役に立たないため、騎士同士の戦いで戦場の勝敗が左右される「戦の全権代理人(イアン・ケーニヒの弁)」である。それ故に彼らには多くの特権と制限が付与される。 騎士はその超人的な身体能力故に、一般人から尊敬される一方で妬みや羨望、恐怖の対象となっている。また「星団法」により、如何なる理由があろうとも職務に無関係な形での一般人への暴行は重罪と見做されるなど、人権を制限されている。これらの制限は騎士の能力が発現していれば年齢などに関わらず適用され、例えば幼少の頃であっても周囲からのいじめに対して暴力をもって仕返しをすることは決して許されない。貴族や有力者の家系であってもこれらの制限を免れないが(ただし支配者階層となると違反行為をもみ消すこともある)、前述のいじめの様に星団法を盾に悪質なハラスメント行為を行う例も多く、判断は難しい一面もある。ただし、これは「戦闘時の職務遂行」や「正当防衛」などを否定するものではない。なにしろそこまで規制すれば「騎士相手には一般人を向ければ良い」ということになってしまう。例えば一巻ではログナーが忠告を無視して歯向かった一般兵を全滅させたり、コーラスIII世が逃亡中のクローソーを攫おうと銃器を向けたチンピラ達を斬り捨てたりしているが、これらにはなんら法的な問題はない。殺されたくなければ銃器を捨てて一目散に逃げればよいだけで、殲滅命令等のよほどの事情がない限り騎士が一般戦闘員を好き好んで殺害することはない。 騎士である以上は、成人後は強ければ政府機関(国軍や国家騎士団を含む)や傭兵騎士団に所属するか、弱くても「騎士警察官」や警備員の様な仕事に就かなければならず、(裏稼業に従事しない限り)実質上「職業選択の自由」は存在しない。但し騎士としての本分を果たした上での他の職業との兼業は多く見受けられる。主な兼業職としては元々支配階級から多く輩出される為か政治家や領地経営者が多く見られる。他、法律家、科学者(マイト、マイスター含む)、財団・会社経営者、刀匠、居酒屋店主など。また騎士は「プロスポーツ選手」にはなれない。騎士が一般人に混じってスポーツをするのは、人間の100メートル競走にチーターが参加したり、人間の綱引きにゾウが参加したり、人間の競泳自由形にイルカが参加したりする様な物で、まるで勝負にならないからである。極めて珍しい例として王宮や王族クラスの私邸などでメイドや執事などの「使用人」を騎士が務めていることもある。彼らは警護役を兼ねるため、おおよそが精鋭とみて間違いない。 なお、騎士本人が未成年の間は一般人と同様に学校教育を受けることができる。ただし、初等教育では騎士も一般人も分け隔てなく教育を受けている模様である。中等部以降ではその特殊な立場や必要とする教育からたとえ望んだとしても普通の学校にはなかなか入学を許されず、フィルモア帝国の帝国近衛兵学校のような国立の兵学校や騎士学校、あるいはA.K.Dのグリース王国内宮学校のような「騎士科」が存在する教育機関へ進学するケースがほとんどとなる。すでにこの時点で国家騎士団に属している騎士の場合、通常の軍事関連の授業は免除される。 騎士に最も求められるものはMH→GTMを駆る「ヘッドライナー」としての活躍であるが、そのためにはファティマの存在が欠かせない。しかしながら、「マスターの選択」はファティマに許された数少ない権利の一つであり、弱い騎士ではファティマには選ばれないことがある。ファティマがいなければMH→GTMの操縦はできず、したがってファティマを持たない騎士は一般市民からは「半騎士」と呼ばれて侮蔑され、国家騎士が得ている高額の俸給や生活維持費の国家負担といった特権は得られないにもかかわらず騎士の制限はきっちり受けるという極めて不当な立場に置かれがちである。その傍で女性騎士を中心にファティマに対して嫌悪感を持っている騎士も少なからずおり、彼らは人間的外観を持たないエトラムル・ファティマを所有することを選ぶか、もしくは社会的特権と引き換えにファティマを必要としない忍者・スパイといった職業を選ぶことになる。 騎士として働いた場合の報酬もピンキリだが、国家・傭兵問わず騎士団入りした場合は契約金と年俸、各種手当が付く。フリーの騎士になると実力と実績でさらに変わる。カイエンは基本日割りで、最低でも1日1万フェザー(500万円)以上で、エース級の騎士だと戦闘に及べば最低でも50万フェザー(2億5000万円)の報酬が発生する。一般人と比べれば高額だが、ファティマやMH / GTMの維持費を考えれば当然である。 名声を上げるためには、国家騎士団などに所属し出世するのが近道であるが、デコース・ワイズメルの言葉を借りれば「能力があったとしても従順な騎士を選ぶ騎士団が少なくない」ため、そのあたりの世知に長けていない限り、裸一貫からの出世の道は険しい。一方で貴族や高名な騎士の家系に生まれた騎士達は武功を立てる事が強く期待される。高い地位に就いたり領民を治めるには家の名声に引き合うだけの「力」を示すことが必須であるからである。また、騎士には戦争において「一騎討ち」が優先される、自分の名誉を守るなど独特の権利である「騎士権」が星団法において認められている。
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