社会における成人の指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 00:04 UTC 版)
そもそも成人とは「一人前」という意味である。何をもって一人前とするかは、時代や民族により大きく異なる。 家族の存続を重視する朝鮮の伝統社会では、結婚が成人の指標とされた。つまり、10歳でも結婚していれば成人として扱われ、30歳でも未婚ならば成人とは扱われなかった。 また、原始社会や狩猟採集社会では、特定の猛獣が射止められるか否かが成人の指標になった。つまり、年齢ではなく集団に貢献出来る能力を成人の基準にしたのである。この基準でも、10歳で成人待遇される者もいれば、生涯成人待遇をされない者も現れる。 近代以降では、年齢によって成人かどうかを判断することが増え、年齢による判断基準については「成年」という用語が使われる。 近代以降の日本では、20歳(2022年4月1日以降は18歳)をもって成年としている。 なお、アダルトビデオやピンク映画など成人向けとされているものは原則「18歳以上」を指す。これは性風俗を扱うもので、男性の婚姻年齢が法的に18歳以上というところから来ている。映画・有料放送などでは12歳以上(PG-12指定)、15歳以上(R-15指定)、18歳以上(R-18指定、成人映画)などの制限が掛けられたものがある。 また、医学的には、成人は小児に対する概念であり、やはり年齢を基準として区別するが、法的な定義よりは若く15歳程度からを成人として扱うことが多い。これは第二次性徴を迎えれば、肉体的には成人するからである。動物の「成人」は、肉体的な成熟のみで判断する。 心理学では、親から自立していること、職業観が確立していること、性役割意識が確立していることなどを成人の指標とする。
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