東院伽藍とは? わかりやすく解説

東院伽藍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:21 UTC 版)

法隆寺」の記事における「東院伽藍」の解説

東院伽藍は聖徳太子一族住居であった斑鳩宮の跡に建立された。『法隆寺東縁起』によると、天平11年739年)、斑鳩宮荒廃しているのを見て嘆いた行信により創建された。廻廊囲まれ中に八角円堂夢殿建ち廻廊南面には礼堂北面には絵殿及び舎利殿があり、絵殿及び舎利殿の北に接して伝法堂が建つ。 夢殿国宝) - 奈良時代建立八角円堂堂内聖徳太子等身とされる救世観音像安置する夢殿天平11年739年)の法隆寺東創立を記す『法隆寺東縁起』の記述からその頃建築考えられているが、これを遡る天平9年737年)の『東院資財帳』に「瓦葺八角仏殿一基」の存在記されその頃創立され可能性考えられている。8世紀末頃には「夢殿」と呼称される。奈良時代建物ではあるが、鎌倉時代に軒の出を深くし、屋根勾配急にするなどの大修理受けている。昭和大修理の際にも屋根奈良時代形式に戻すことはしなかったため、現状屋根形状鎌倉時代のものである基壇二重で、最大径が11.3メートル堂内石敷堂内八角仏壇二重で、その周囲に8本の入側が立ち、入側と側の間には繋虹梁を渡す。入側と側は堂の中心に向かってわずかに傾斜して立つが、これは「内転び」と呼ばれる渡来の手法である。観音菩薩立像救世観音国宝) - 飛鳥時代木造夢殿中央の厨子安置する長年秘仏であり、白布包まれていた像で、明治初期岡倉覚三天心)とフェノロサ初め白布取り「発見」した像とされている(岡倉らによる「発見」については伝説化されている部分もあり、それ以前数百年間誰も拝んだ者がいなかったのかどうか明らかでない)。現在も春・秋一定期間しか開扉されない秘仏である。保存状態良く当初のものと思われる金箔多く残る。 行信僧都坐像国宝) - 奈良時代乾漆像行信東院建立尽力した人物である。吊り目怪異容貌特色道詮律師坐像国宝) - 平安時代初期の作。この時代仏像はほとんどが木彫であるが、本像は珍しい塑造である。道詮荒廃していた東院復興尽力した人物である。 聖観音立像重要文化財) - 救世観音背後に立つ。 絵殿(重要文化財) - 鎌倉時代建立。絵殿には、摂津国現在の大阪府北部など)の絵師である秦致貞はたのちてい、はたのむねさだ)が延久元年1069年)に描いた聖徳太子絵伝』の障子絵国宝)が飾られていた。太子生涯描いた最古作品であるが、1878年明治11年)に皇室献上され、現在は「法隆寺献納宝物」として東京国立博物館所蔵となっている。絵殿には江戸時代描かれた『聖徳太子絵伝』が代わりに飾られている。 舎利殿重要文化財廻廊重要文化財礼堂重要文化財伝法堂(国宝)- 切妻造本瓦葺き桁行七間梁間四間内部は床を張り天井張らない化粧屋根裏とする。橘夫人伝承では県犬養橘三千代藤原不比等夫人光明皇后母)とされるが、現在では孫にあたる聖武天皇夫人橘古那可智とする説が有力)の住居移転して仏堂改めたものとされ、奈良時代住宅遺構としても貴重である。昭和大修理時の調査結果、この堂は他所から移築され改造され建物で、前身建築住居であった分かった堂内には多数仏像安置する通常公開していない。内陣中の間、東の間、西の間に分かれそれぞれ乾漆造阿弥陀三尊像奈良時代重要文化財)が安置される。他に梵天・帝釈天立像四天王立像薬師如来坐像釈迦如来坐像弥勒仏坐像阿弥陀如来坐像(各木造平安時代重要文化財)を安置する東院鐘楼国宝) - 鎌倉時代建立四脚門重要文化財) - 鎌倉時代建立南門重要文化財) - 別名は不明門長禄3年1459年建立

※この「東院伽藍」の解説は、「法隆寺」の解説の一部です。
「東院伽藍」を含む「法隆寺」の記事については、「法隆寺」の概要を参照ください。

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