日本の地熱発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:48 UTC 版)
節内の全座標を示した地図 - OSM節内の全座標を出力 - KML 表示 火山の多い東北地方や九州地方の一部に集中している。北海道電力、九州電力の発電所名には「地熱」がつかない。八丁原発電所では、近年になって7円/kWhの発電コストを実現している。 地下の地熱貯留層を管理し、地熱を枯渇させないためには、プラント1基あたりの発電能力は一般的な水力発電と同等の数十MW程度と小規模となる。プラントは小規模ながら、計画的な消耗品の交換と貯留層の管理を行うことによって、長期間にわたって安定した電力を供給でき、なおかつ事故のリスクも小さいことから、エンジニアリングに精通している極少数の労働者によって運転や保守点検が行われている。現在、消耗品や貯留層の管理にかかるコストの高さが、国内での地熱発電の普及を妨げる障害となっている。 その他、カウンターテロリズムの観点から地熱発電に注目すると、重要防護施設としての性質上、ゲリラコマンドや不審船からの襲撃に備えて原子力関連施設警戒隊の常駐が行われている原子力発電所や、防災上、一定の能力を有する自衛消防組織(自衛消防隊)の常駐が必要な火力発電所など、他の発電方式と比べてセキュリティ上の懸念も少ないことから、無人で運転されている発電所が多い。 無人の発電所の様子は、遠隔地にある施設に勤務しているオペレーターからデータ通信を用いて常時監視され、必要に応じて専門家が現地に赴いて管理や修繕作業等を実施する。 日本の地熱発電所一覧都道県都市発電所発電会社方式位置容量(kW)北海道 森町 森発電所 北海道電力 DF 地図 25000 弟子屈町 摩周湖温泉バイナリー発電施設 国書刊行会 B 100 洞爺湖町 洞爺湖温泉KH-1 洞爺湖温泉利用協同組合 B 45 奥尻町 奥尻地熱 越森石油電器商会 B 250 岩手県 八幡平市 松川地熱発電所† 東北水力地熱 DS 地図 23500 松尾八幡平地熱発電所 岩手地熱 DS 7499 雫石町 葛根田地熱発電所 東北電力 SF 地図 80000 宮城県 大崎市 鬼首地熱発電所 改修中 電源開発 SF 地図 14900 新潟県 十日町 松之山温泉バイナリー地熱発電実証試験施設 環境省 B 87 秋田県 湯沢市 上の岱地熱発電所 東北電力 SF 地図 28800 山葵沢地熱発電所 電源開発 DF 46199 鹿角市 澄川地熱発電所 東北電力 SF 地図 50000 大沼地熱発電所† 三菱マテリアル SF 地図 9500 福島県 柳津町 柳津西山地熱発電所 東北電力 SF 地図 30000 福島市 土湯温泉16号源泉バイナリー発電所 つちゆ温泉エナジー B 400 栃木県 那須町 ホテルサンバレーバイナリー発電所 ホテルサンバレー那須 B 20 東京都 八丈町 八丈島地熱・風力発電所(廃止改修) オリックス DF 地図 3300 長野県 高山村 七味温泉ホテル渓山亭バイナリー発電所 七味温泉ホテル B 20 岐阜県 高山市 一重ヶ根2号バイナリー シン・エナジー B 72 静岡県 東伊豆町 東伊豆町温泉発電所(湯の華ぱぁーく) 東伊豆町 B 3 下田市 下田温泉バイナリー JX金属 B 110 兵庫県 新温泉町 湯村温泉観光交流センター薬師湯温泉バイナリー発電所 新温泉町(町が主体) B 40 鳥取県 東伯町 協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所 協和地建コンサルタント B 20 長崎県 雲仙市 小浜温泉バイナリー発電所 洸陽電機 B 200 熊本県 小国町 岳の湯発電所休止中† 廣瀬商事 SF 地図 50 わいた地熱発電所 わいた会 SF 1995 小国まつや地熱発電所 小国まつや発電所 B 50 大分県 別府市 杉乃井地熱発電所† 杉乃井ホテル SF 地図 1900 コスモテック別府バイナリー発電所 コスモテック B 500 湯山地熱発電所 西日本地熱発電 B 100 亀の井発電所 地熱ワールド工業 TF 11 五湯苑地熱発電所 西日本地熱発電 B 92 南立石温泉熱発電所 平和建設 B 49 安部内科医院発電所 安部内科医院 B 20 タタラ第一発電所 日本地熱興業 B 49 瀬戸内自然エナジーXLT発電所 瀬戸内自然エナジー B 48 KAコンティニュー KAコンティニュー(株) B 48 別府スパサービス発電所(分譲型発電所) (株)別府スパサービス B 125 フィノバイナリー発電所 フィノバイナリー発電所(同) B 250 PPSNバイナリー (株)PPSN B 125 SUMO POWER (株)SUMO POWER B 125 スエヌエスパワー (株)エスエヌエスパワー B 125 牧野 牧野海運(株) B 125 BLDバイナリー BLD Power Stations(株) B 250 ㈱千葉 (株)千葉 B 250 千葉HD (株)千葉ホールディングス B 250 GRACE (株)GRACE B 125 基住 (株)基住 B 125 楢﨑幹雄 楢崎幹雄 B 125 VEPエナジー (株)VEPエナジー B 125 RE-ENERGY地熱 RE-ENERGY組合 B 125 レナヴィス ㈱レナヴィス B 125 レナ発電所1号 レナ発電所1号(同) B 250 P-POWER (株)PPSN B 250 エヌアイエスバイナリー エヌアイエスバイナリー発電所(同) B 250 T・S・B (株)T・S・B B 125 デュアルエナジー デュアルエナジーバイ ナリー発電所1号(同) B 250 別府鶴見温泉地熱発電所1号 別府鶴見温泉地熱発電所1号(同) B 250 安倍内科医院 安倍内科医院 B 20 三光地熱開発バイナリー 三光地熱開発 B 53 鉄輪プロジェクト温泉再生事業一号 辻田建機 B 57 九重町 大岳発電所 九州電力 DF 地図 13700 八丁原発電所 九州電力 DF 地図 110000 八丁原バイナリ― B 2000 滝上発電所 九州電力 SF 地図 27500 九重地熱発電所† 九重観光ホテル SF 地図 990 菅原バイナリー発電所 九電みらいエナジー B 5000 滝上バイナリー発電所 出光大分地熱 B 5050 九重野矢地区バイナリー (株)タカフジ B 50 由布市 湯布院フォレストエナジーバイナリ―発電所 湯布院フォレストエナジー B 50 OTE大分奥江温泉地熱バイナリサイクル OTE大分(株) B 50 宮崎県 えびの市 やまのめぐみ温泉熱バイナリー発電所 やまのめぐみ発電 B 60 大崎市 鳴子温泉バイナリー 鳴子ふるさと創生温泉 事業合同会社 B 65 鹿児島県 指宿市 山川発電所 九州電力 SF 地図 30000 山川バイナリー発電所 九電みらいエナジー B 4990 メディポリス指宿発電所 メディポリスエナジー B 1410 霧島市 大霧発電所 九州電力 SF 地図 30000 霧島国際ホテル地熱発電所† 大和紡観光 B 地図 100 合計(休止中除く)537297 *発電方式 DS…ドライスチーム、SF…シングルフラッシュ、DF…ダブルフラッシュ、B…バイナリー、TF…トータルフロー発電(ゆけむり発電)*1000kW=1MW*†印が付されたものは自家用発電所 八丈島の地熱発電は、2014年度に発電量を3倍に増設し、揚水発電も併設される予定であった。施設の老朽化により2019年3月29日付で廃止され、事業者がオリックスになり新たな施設が2022年に完成する予定。 このほか、検討中・工事中等のものとしては、下記のものがある。 福島県・磐梯地域(検討中) 北海道・上川町(検討中) 北海道・標津町武佐岳地域(調査):2013年6月から地熱発電事業の調査、石油資源開発の発表。15,000kW規模で2023年頃に発電開始予定。 営業中のものとして、 秋田県・湯沢市(山葵沢地熱発電所):規制緩和後、国立・国定公園内で初めて掘削調査。2015年5月25日、Jパワー、三菱マテリアル、三菱ガス化学の3社が共同で建設開始。発電能力約4万2千キロワットで事業費は約300億円。2019年5月、営業運転を開始した。
※この「日本の地熱発電所」の解説は、「地熱発電」の解説の一部です。
「日本の地熱発電所」を含む「地熱発電」の記事については、「地熱発電」の概要を参照ください。
- 日本の地熱発電所のページへのリンク