バイナリー発電
別名:地熱バイナリー発電、バイナリーサイクル発電、バイナリーサイクル
英語:binary cycle
地熱発電において、水よりも沸点が低い液体をタービンを回す媒体に使用し、水では発電が難しい低温度の地熱でも発電可能にする方式である。
バイナリー発電では、低温の蒸気もしくは熱水を「加熱源サイクル」の中で循環させ、これとは別に、ペンタンなどの低沸点媒体を「媒体サイクル」の中で循環させる。加熱源サイクルが地熱から熱エネルギーを得て加熱し、媒体サイクルを温める熱源として供給する。媒体サイクルは加熱源サイクルの熱によって気化し、タービンを回転させる動力となる。ちなみにペンタンの沸点は36℃である。
バイナリー発電の「バイナリー」は元々「2つの」という意味であり、2系統の循環系を使用するという意味でこの名称が用いられている。
バイナリー発電が普及すれば、従来の技術では発電に向かなかった低温の地熱を持つ地域でも地熱発電が可能になる。地熱発電は再生可能エネルギーであり温暖化ガスの排出が極めて少なく、また風力・太陽光のように天候の影響をほぼ受けないというメリットを持っている。日本にもバイナリー発電に適した地域は多いとされており、期待されている。
関連サイト:
地熱バイナリー発電 - 西日本環境エネルギー研究所
バイナリー‐はつでん【バイナリー発電】
バイナリー発電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/07 02:40 UTC 版)
構内に地熱バイナリー発電方式を採用した八丁原バイナリー発電施設がある。創業当初160℃の熱水を利用していたが、130℃まで減衰したため、国内初のバイナリーサイクル方式を導入することとなった。イスラエルのオーマット社製の設備で出力は2,000kW。沸点が低いペンタンを熱媒体として利用し、比較的温度の低い蒸気や熱水を利用して発電を行っている。2006年4月より2年間の試験運転を経て、営業運転を開始した。
※この「バイナリー発電」の解説は、「八丁原発電所」の解説の一部です。
「バイナリー発電」を含む「八丁原発電所」の記事については、「八丁原発電所」の概要を参照ください。
- バイナリー発電のページへのリンク