山葵沢地熱発電所
秋田県湯沢市の山葵沢地域に建設される地熱発電所。2015年に着工した。2018年現在、翌2019年の稼働開始を目指して工事が進められている。
発電規模は42000キロワットに上ると見込まれている。これは、およそ8万世帯の電力がまかなえる電力量であるという。
山葵沢地熱発電所が湯沢地熱株式会社によって建設が進められている。同社は電源開発株式会社(Jパワー)、三菱マテリアル株式会社、三菱ガス化学株式会社の共同出資によって2010年に設立された事業者である。山葵沢地域の地熱の調査そのものは1990年代から進められてきた。
火山の多い日本の地熱量は世界でもトップクラスに位置づけられるが、地熱発電所の開発はさほど進んでいるとは言いがたい。山葵沢地熱発電所が完成すると、1万キロワットを超えるクラスの大規模地熱発電所としては20数年ぶりの新設になるという。
山葵沢地熱発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/30 04:39 UTC 版)
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わさびざわちねつはつでんしょ | |
種類 | 地熱発電所 |
電気事業者 | 湯沢地熱株式会社 |
所在地 | ![]() 秋田県湯沢市高松字高松沢及び秋ノ宮字役内山国有林内 |
北緯38度59分10.93秒 東経140度34分8.21秒 / 北緯38.9863694度 東経140.5689472度座標: 北緯38度59分10.93秒 東経140度34分8.21秒 / 北緯38.9863694度 東経140.5689472度 | |
1号機
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発電方式 | ダブルフラッシュ |
出力 | 46,199 kW |
営業運転開始日 | 2019年5月20日 |
山葵沢地熱発電所(わさびざわちねつはつでんしょ)は、秋田県湯沢市に立地する地熱発電所である。
設備
秋田県湯沢市の南方、県道310号線沿いに位置する地熱発電所で、2019年5月に営業運転を開始した。定格出力は46,199キロワット (kW) であり、運転開始時点において、その設備容量は日本の地熱発電所では、4番目に大きい。また、日本国内で10 MWを超える規模の地熱発電所としては、これが23年ぶりの稼働開始であった。この発電所では、3つの生産基地に設けた9本の生産井から蒸気を取出し、発電に用いる[1]。運転方式はダブルフラッシュ方式であり、発電後の熱水は約2.4 km先の還元基地まで配管で輸送した後に、7本の還元井を用いて地下に還元される[2]。
運営組織
この発電所を運営する湯沢地熱株式会社は、2010年に電源開発、三菱マテリアル、三菱ガス化学による出資で設立された。発電した電力は固定価格買い取り制度を活用して、東北電力に販売している[3]。
沿革
沿革は次の通り[2]。
- 1993年度~1999年度 – この地域で新エネルギー・産業技術総合開発機構による調査の実施。
- 2004年度 - 三菱マテリアルが秋ノ宮地域で、調査を継続。
- 2008年度 – 電源開発と三菱マテリアルが山葵沢地域で、調査を継続。
- 2010年度 – 湯沢地熱株式会社を設立。
- 2011年11月~2014年10月 – 環境アセスメントを実施。
- 2015年5月 – 山葵沢地熱発電所の建設に着手。
- 2019年5月 – 山葵沢地熱発電所の営業運転を開始。
- 2021年1月 – 新エネルギー財団「令和2年度新エネ大賞」資源エネルギー庁長官賞(導入活動部門)を受賞[4]。
出典
- ^ “秋田・湯沢の山葵沢地熱発電所、運転開始へ 23年ぶりの規模”. 日本経済新聞. (2019年5月7日) 2022年6月30日閲覧。
- ^ a b “山葵沢発電所|JOGMEC地熱資源情報”. 石油天然ガス・金属鉱物資源機構. 2022年6月30日閲覧。
- ^ “Jパワー・山葵沢地熱発電所が秋田で運開 23年ぶり大規模地熱”. 電気新聞. (2019年5月27日) 2022年6月30日閲覧。
- ^ “資源エネルギー庁長官賞【導入活動部門】”. 新エネルギー財団 (2021年). 2022年6月30日閲覧。
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