【B-50】(びーごじゅう)
Boeing B-50 Super Fortress(スーパーフォートレス)
1940年代後半にボーイング社が開発し、アメリカ空軍に制式採用された四発大型爆撃機。
先に同社が生産していた傑作機・B-29の改良型として開発されたもので、当初は「B-29D」と呼ばれていた。
主な改良点としては、エンジンをR-4360「ワスプ・メジャー」に換装したほか、機体材料の変更が行われ、構造強化と軽量化が図られた。
エンジンが大型化したため、エンジンポッドの形状が異なる。
1948年からアメリカ空軍戦略航空軍団に配備され、朝鮮戦争では実戦に使用されている。
しかし、爆撃機としてはB-29と大差なく、ジェット化時代の波に勝てないことから、1955年までに第一線からは退いたが、偵察機型や空中給油機型は1965年まで使用され、空中給油機型のKB-50はベトナム戦争にも使用された。
スペックデータ(B-50D)
乗員 | 10名 |
全長 | 30.18m |
全高 | 9.96m |
全幅 | 43.5m |
翼面積 | 161.55㎡ |
自重 | 36,764kg |
全備重量 | 55,270kg |
最大離陸重量 | 78,470kg |
最大兵装搭載量 | 9,072kg |
発動機 | P&W R-4360-35「ワスプ・メジャー」過給式空冷4連星型28気筒(出力3,500hp)×4基 |
速度 (最大/巡航) | 304kt/204kt |
航続距離 | 4,040nm |
海面上昇率 | 600m/min |
実用上昇限度 | 11,280m |
武装 | ブローニングM2 12.7mm機関銃×12挺、イスパノ・スイザ HS.404 20mm機関砲×1門 |
派生型(カッコ内は生産・改修機数)
- XB-44(1機):
原型機。後にB-50A相当に改装された。
- B-50A(60機):
初期生産型。
- B-50B(45機):
離陸重量増大型。燃料タンクなどを改良。
- YB-50C:
A型のエンジンをR-4360-51に換装した型。計画のみ。
- B-50D(222機):
主要生産型。一体成型の機首と700galの翼端燃料タンクを持つ。
- TB-50A/D(11機):
B-36の操縦士訓練用に改修された航法練習機型。
- TB-50H(11機):
B-47の操縦士訓練用に改設計された航法練習機型。
- RB-50B(44機):
B型を写真偵察機に改修した型。
- RB-50E(1機):
特殊写真偵察機型。
- RB-50F/G(F型14機・G型15機):
特殊任務機型。
短距離レーダーを搭載し、SHORAN近距離電波航法装置に基づく、地図補正任務に使用された。
- EB-50B(44機):
電子偵察機型。胴体内に写真・電子偵察用機器と操作員席を追加した。
- DB-50D(1機):
無人標的機の誘導母機型。
- WB-50D(36機):
気象偵察機型。
- KB-50J(112機):
空中給油機型。3点給油システムとGE J47ターボジェットエンジン2基を持つ。
- KB-50K:
空中給油機型。TB-50Hを改修。
- B-54A:
YB-50Cの量産型。計画のみ。
- RB-54A:
YB-50Cの偵察機型。計画のみ。
B-50 (航空機)
(B 50 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/31 07:14 UTC 版)
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B-50 スーパーフォートレス
B-50 スーパーフォートレス(Boeing B-50 Superfortress )はアメリカ合衆国のボーイングが開発した戦略爆撃機。B-29スーパーフォートレスの改良型で、愛称はB-29と同じく「スーパーフォートレス (Superfortress)」。
概要
B-29の改良型として開発された。設計の母体となったものはB-29Dであり、B-29で問題が多かったエンジンが換装されたほか、垂直尾翼も拡大されている。エンジンがプラット・アンド・ホイットニー R-4360となり大型化されたために、B-29とはエンジンナセルの形状が大分異なっている。
アメリカ空軍戦略航空軍団に1948年から部隊配備が行われたが、核戦争に備えて温存されていたことや同時期にはジェット機が実用化されレシプロ機そのものが旧式化したこともあって、実戦で爆撃を行ったことは一度もない。爆撃任務には1955年までしか就いていなかったが、偵察機型や空中給油機型は長く使われ、空中給油機型KB-50はベトナム戦争にも使用されている。また、X-1の投下母機にも使用されている。全機が退役したのは1965年のことである。
1949年には、「ラッキー・レディ・2(Lucky Lady II)」がKB-29空中給油機の支援により空中給油を繰り返し、世界初の無着陸地球一周飛行に成功している。
日本における事故として、1960年(昭和35年)9月8日、横田基地所属の気象観測機WB-50が、福島県石川町の山林に墜落した事例がある[1]。また、1962年(昭和37年)12月20日には、沖縄県嘉手納基地付近でKB-50が墜落。乗員7人、住民5人が死亡している[2]。
各型および派生型

- XB-44
- B-29AのエンジンをR-4360に換装したもの。1機改装。
- B-50A
- 初期生産型。B-29D型よりエンジンを換装、主翼・尾翼を改良したもの。60機生産。
- B-50B
- A型の改良型。燃料タンクなどを改良。45機生産。
- B-50D
- 機首周辺および空中給油装置を改良。222機生産。
- DB-50D
- 無人標的機の誘導機。1機改装。
- EB-50B
- 電子戦機。B型より1機改装。
- 給油機型
- KB-50
- 空中給油機。134機改装。
- KB-50J
- 空中給油機。GE-J47ターボジェットエンジン2基増備。112機改装。
- KB-50K
- 空中給油機。TB-50Hから24機改装。
- 偵察機型
- RB-50B
- 偵察機型。44機改装。
- RB-50E
- 偵察機型。14機改装。
- RB-50F
- RB-50Bの改装型。SHORAN近距離電波航法装置に基づく、地図補正任務に使用。14機改装。
- RB-50G
- RB-50Bの改装型。SHORAN近距離電波航法装置に基づく、地図補正任務に使用。15機改装。
- WB-50D
- 気象偵察機型。B-50Dより36機改造[3]。
- 練習機型
- 練習機型
- TB-50A
- B-50Aの練習機型。11機改装。
- TB-50D
- B-50Dの練習機型。11機改装。
- TB-50H
- 航法練習機型。24機製造。
- 発展型
- YB-50C
- エンジンをR-4360-51 VDT(Variable Disharge Turbine. 可変流量タービン)4基(4,300馬力(3,210 kW)x4)に変更し、胴体を10フィート強、翼長を20フィート延長し、1、4番エンジンナセルに補助脚を増設、外翼に懸垂した増加燃料タンクの容量を増大させたB-50の発展型。
- 1947年に開発が始まり、1948年5月にはB-54と改称されて爆撃機型と偵察機型が発注されたが、1949年4月には「ジェット爆撃機が実用化された以上必要性がない」として発注はキャンセルされ、計画が中止された。実際に製造されたものは未完成のモックアップのみである。
-
→詳細は「en:Boeing B-54」を参照
- B-54A
- YB-50Cの量産型。計画のみ。
- RB-54A
- YB-50Cの偵察機型。計画のみ。
要目 (B-50D)
- 全長:30.2m
- 全幅:43.1m
- 全高:10.0m
- 自重:36.5t
- エンジン:P&W R-4360 ワスプ・メジャー 4重星型エンジン 28気筒 71447.3cc 3,500馬力 4基
- 最大速度:636km/h
- 航続距離:9,270km
- 固定武装:
- M24 20mm機関砲x1 (弾数120発) ※尾部銃座
- AN/M2 12.7mm機関銃×12 (弾数計6,000発) ※4連装銃塔1基(機体上面前部)連装銃塔3基(機体上面1基/機体下面2基)尾部連装銃座
- 爆弾:9.1t(9,100 kg)(機内爆弾倉)/ 3.6t(3600 kg)(外部兵装架)
- 乗員:8名
現存する機体
型名 | 番号 | 機体写真 | 所在地 | 所有者 | 公開状況 | 状態 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
B-50A-5-BO WB-50D-5-BO |
46-0010 15730 |
![]() |
アメリカ カリフォルニア州 アリゾナ州 |
プレインズ・オブ・フェイム航空博物館[4] | 公開 | 保管中 | [5]「Lucky Lady II」。胴体が現存する。本館と別館に分離されて保管されている。KC-97の翼などを使用して修復する計画が進められている。 |
B-50D-115-BO WB-50D-115-BO JB-50D-115-BO |
49-0310 16086 |
![]() |
アメリカ オハイオ州 | 国立アメリカ空軍博物館[6] | 公開 | 静態展示 | [7] |
B-50D-120-BO WB-50D-120-BO |
49-0351 16127 |
![]() |
アメリカ カリフォルニア州 | キャッスル航空博物館[8] | 公開 | 静態展示 | [9]「Flight of the Phoenix」。 |
B-50D-125-BO KB-50D-125-BO KB-50J-125-BO |
49-0372 16142 |
![]() |
アメリカ アリゾナ州 | ピマ航空宇宙博物館[10] | 公開 | 静態展示 | [11] |
B-50D-125-BO KB-50J-125-BO |
49-0389 16165 |
![]() |
アメリカ デラウェア州 | 航空機動軍団博物館[12] | 公開 | 修復中 | [13]以前はマクディル空軍基地で展示されていたが屋外展示で傷んだ為、左記施設に移され分解した上で部品ごとに修復されている。KB-50J-105-BO/48-0114/15995のマーキングで展示されていた。 |
脚注
注釈
- ^ 現在の価値ではおよそ1,170,000米ドル。
出典
- ^ 日外アソシエーツ編集部編 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年、148頁。ISBN 9784816922749。
- ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、113頁。 ISBN 9784309225043。
- ^ リタイ屋の梅 (2021年8月22日). “米軍「飛行機で台風に突っ込むのやめる」 台風観測を引き継ごうとした気象庁 爆撃機ベースで”. 乗りものニュース. 2021年8月31日閲覧。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ [4]
- ^ [5]
- ^ [6]
- ^ [7]
- ^ [8]
- ^ [9]
- ^ [10]
参考文献
![]() |
この節には参考文献や外部リンクの一覧が含まれていますが、脚注によって参照されておらず、情報源が不明瞭です。
|
- 牧 英雄「AIRPLANES DIGEST No.83 BOEING B-50 SUPERFORTRESS」
- 文林堂『航空ファン』1995年12月号 No.516 p121~p135
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