既望の会
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「太陽の黙示録の登場人物」の記事における「既望の会」の解説
夏木恵理(なつき えり) 宗方のかつての恋人。1985年生まれ。震災当時は健常者だったが、現在は全盲。宗方と同じ高校に在学していた。因みに宗方とは性行為の描写もある。 宗方と共に東京で大地震に遭い、兄・惇史の止めも聞かず南日本に向かう。福岡のNPOで宗方と共に貧困者たちの生活支援のボランティアをするも、ボランティアの限界を感じて国費留学生となる道を選んだ宗方と被災者一人一人の心の救済が必要と考える自分との間の溝に悩み、結果彼からの渡米の誘い(恵理は国費留学生ではないが、宗方曰く「カップルで行くのは賛成」との理由で誘われた)を断って北日本の北海道、旭川に渡る(因みに恵理も宗方に一緒に旭川に行こうと誘うが断られている)。その後より現地の人々を救いたいという想いから、北海道に比べてより苛酷な環境の本州へ渡り、とある難民キャンプにて火事に遭遇。火事の中から子供を救い出すも、自らは熱と光を両目に浴び、医師と医薬品が不足していたため満足な治療が受けられずに盲目になる。その後は宗教的な救済に目覚め、剃髪して難民キャンプを回って説法を行い、ついには難民キャンプさえも飛び出して行方不明になっていたが、北政府が影で支援する新興宗教団体「既望の会」の教祖・十六夜となり海峡区で宗方と再会。その後、董藤に操られている教団の実態に気づき脱会して舷一郎らと出会い共に行動する。周による「既望の会」摘発に際し、雲井から身を隠すよう言われるが、信者を見捨てることは出来ないと警察局へ出頭。その後は孫市により、舷一郎への切り札(およびサウスエリア=宗方との外交カード)として奥尻沖の島にある和風家屋に監禁されていたが、その後宗方の自身が体を張り、南海軍をも動員した救出作戦により南側に身柄を保護される。しかし上陸直前、孫市の差し向けた追っ手の凶弾から宗方を守る為にその身を挺する。女性としての面と宗教家としての面の間で苦しむ様をなぞらえるように、志を同じくする舷一郎に「既望の会」を託し、最後に視力が回復したことで一人の女性として宗方の側にいられた事を喜びながら、倒れた。 宗方については愛している反面、彼の作る国が「人々が悲しむ」という思いからそこを自分のいる場所ではないと考えている。一方舷一郎については「他人の苦しみを自分の事として考える」という点で共感し、惹かれるものを感じているが、その反面彼の作る国を「人々が戸惑う」と評し、認めていない。そして孫市については「黄金の衣をまとった哀れな子供」と評し、「荒野に立つ2人の王」である宗方・舷一郎より格下に見ている。 死後、宗方の情報戦略によって一部で生存説も流れたが、当の宗方が確認しているので死亡は確実である。また、公式上は混乱を防ぐ為、南日本への亡命中に船から転落事故死したと南日本当局によって発表された。ただし、星川ら「既望の会」信者は恵理が信者を置いて亡命するはずがないとその発表を信じていない。 名前の由来は夏侯恵(字は稚権)。 星川宿海(ほしかわ すくみ) 新興宗教団体「既望の会」教祖理事。 教祖・十六夜こと恵理と共に北日本の支援を受けて布教活動を行っている。恵理の脱会後も偽の十六夜を立てて布教活動を行い、董藤支持の方針を打ち出すも彼の死後は行方をくらます。その後、留萌の閉店したコンビニで独自に布教活動を行う中、その情報を入手した竹内とコンタクトを取り、結果として舷一郎達と接触する。その際、舷一郎から恵理を宗教家・十六夜に祭り上げたことを見抜かれる。 震災前は兄とともに架空投資詐欺を行っていた。震災で負傷し死んだ兄を看取った恵理を「聖女」と確信し、自身の再起に利用しようとした。しかし恵理からその逮捕直前に接触してきた時、そうした行動が無二の存在であった兄を喪った事への内罰行為であった事を指摘され、自分を許すようさとされる事で、真に己を改める事となる。舷一郎への伝言を恵理から託された事により、その意を汲んで教団の人間を集め、志を同じくする決意を彼に告げる。そして南日本へ脱出する舷一郎達を見送った。 竹内(たけうち) 「既望の会」幹部。星川と違い、純粋に恵理の定めた救済を旨とする教義に殉じる人間。そのため、星川による教団掌握後は密かに教団を離れ恵理、張と行動を共にすることに。その後、留萌にて星川と再会し、和解に至る。 児島(こじま) 竹内と同じく恵理を支持する人間、というのは表の顔。正体は宗方が恵理の護衛兼監視役として送り込んだ工作員。恵理の出頭後は消息捕捉のため公文を拘束するよう宗方から命令を受けるが成り行き上、張や竹内と共に舷一郎奪回に協力する。
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既望の会
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新興宗教団体。十六夜(いざよい)と呼ばれる教祖は宗方の元恋人・夏木恵理で教祖理事は星川宿海。札幌に本部を置き、集会場に札幌ドームを用いるほど巨大な教団。ノースエリア政府の支援を受けながら布教活動を行っている。治安の悪化した南北の海峡沿岸でもかなり普及し、その影で星川の下武器・麻薬の密輸やサウスエリア側海峡開発の妨害を行っていた。ただし、こうした非合法行為については信者の大半は知らず、宗方いわく「二重構造」。星川は教祖である恵理の脱会後も偽者を使って活動を継続、董藤支持まで企てたが、次第に恵理や同様に脱会した教団幹部の竹内の元に脱会者が集まり、教団自体が二重に存在することとなった。
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