新字体
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新字体(しんじたい)は、日本で第二次世界大戦後に告示された漢字表に示された漢字の字体のうち、従前の活字と異なる形となった簡易字体(略字、異体字)を指す。新字体に対し、日本語でそれ以前に慣用されていた漢字の字体を「旧字体」という。
注釈
- ^ 従来の活字字体は主に『康熙字典』を典拠にしていたが、同辞典における正字体と完全に一致していないため、これらの字体がしばしば「いわゆる康熙字典体」と呼ばれている。
- ^ 指事文字や象形文字、会意文字など形声文字以外の漢字もあるが、全体の10%にも満たない。
- ^ 釋→釈に変更したのと同様に「睪」の字を持つ字も「睪」から「尺」に変更し、擇(音は「タク」)→択、澤(音は「タク」)→沢、譯(音は「ヤク」)→訳、驛(音は「エキ」)→駅に変更したほか表外字の「鐸」も異体字(拡張新字体)の「鈬」が作られた。
- ^ 「厶」は本来の音は「シ」だが、「公」「弘」の音が「コウ」であることから、「公」の脚や「弘」の旁と同じように「コウ」とも読むようになっている。
- ^ 同様に「廣」の字を持つ「擴」、「鑛」も「廣」から「広」に変えた「拡」、「鉱」に変更したほか表外字の「礦」、「曠」、「纊」も異体字(拡張新字体)の「砿」、「昿」、「絋」が作られた。
- ^ かつて表外字だった「籠」については「龍」を「竜」に簡略化した異体字(拡張新字体)の「篭」が作られたが、2010年に常用漢字入りした際には「籠」の字体が採用された。
- ^ 1981年の常用漢字制定時の時に「燈」が「灯」に改められた。
- ^ 「澄」には異体字の「澂」があるが、「澂」は正字に採用されなかった。
- ^ 「枠」は和製漢字であり、「椊」の「卒」を「卆」に置き換えた略字ではないため、簡略化とは無関係である。
- ^ 表外字のうち「倅」、「悴」、「翠」は「卒」を「卆」に簡略化した異体字(拡張新字体)の「伜」、「忰」、「翆」が作られた。
- ^ 同様に「萬」の字を持つ「勵」も「萬」から「万」に変えた「励」に変更したほか表外字の「礪」、「蠣」も異体字(拡張新字体)の「砺」、「蛎」が作られた。
- ^ 「栃」は和製漢字であり、「櫔」の「厲」を「厉」に置き換えた略字ではない。「栃」の旁は「厉」と一画目が異なる。中国では「橡」が該当する。
出典
- ^ 高島 2001, p. 214。
- ^ 国語施策・日本語教育 - 国語施策情報 - 国語審議会(終戦~改組)- 当用漢字字体表 文化庁
- ^ 漢字表(字種・字体の変遷)を調べる 国立国会図書館 リサーチ・ナビ
- ^ 読売新聞社会部編『日本語の現場』第一集、読売新聞社、1975年 84、99〜100ページ、
- ^ 安岡孝一「人名用漢字の新字旧字 第72回 「亘」と「亙」 」
- ^ 「漢字と日本人」を よんで ―エールと チューモン― カナモジカイ
- ^ 高島 2001, pp. 217–219。
- ^ 高島 2001, p. 216。
- ^ 高島 2001, p. 219。
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