余部駅とは? わかりやすく解説

余部駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/14 08:23 UTC 版)

余部駅
駅舎(2025年5月)
よべ
Yobe
播磨高岡 (2.3 km)
(3.8 km) 太市*
所在地 兵庫県姫路市青山北1丁目25-1[1]
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 姫新線
キロ程 6.1 km(姫路起点)
電報略号 ヨヘ←ヨベ
駅構造 地上駅[1]
ホーム 2面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
2,097人/日(降車客含まず)
-2023年-
開業年月日 1930年昭和5年)9月1日[1]
備考 無人駅自動券売機 有)
* この間に余部信号場有(当駅より1.6 km先)
テンプレートを表示

余部駅(よべえき)は、兵庫県姫路市青山北1丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)姫新線である[1]

概要

わずか6.1 kmと短い旅程ながら、網干総合車両所余部派出所(旧:姫路鉄道部)への入出庫を兼ねて、姫路駅と当駅間の区間列車が設定されている[1]

当駅名の由来は、建設当初の所在地名である飾磨郡余部村である。姫路市域には揖保郡余部村を前身とする「余部区」と言う広域地名が揖保川東岸に存在するが、当駅は同区から直線距離で約9 km離れた夢前川西岸に位置しており、余部区とは無関係である。

余部橋梁(余部鉄橋)で有名な山陰本線餘部駅とは、漢字表記と読み方が異なる。餘部(あまるべ)駅は、所在地は「(美方郡香美町香住区)余部」だが、駅開設が当駅より遅い1959年であり、当駅との重複を避けたためとされる[2]

歴史

  • 1930年(昭和5年)9月1日:鉄道省姫津線の終着駅として開設[1]
  • 1931年(昭和6年)12月23日:姫津線当駅 - 東觜崎駅間延伸に伴い、途中駅化。
  • 1934年(昭和9年)11月28日:姫津線が姫津東線に改称され、当駅もその所属となる。
  • 1936年(昭和11年)
    • 4月8日:姫津東線が姫津線の一部となり、当駅もその所属となる。
    • 10月10日:姫津線が姫新線の一部となり、当駅もその所属となる。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:貨物取り扱いを廃止[3]
  • 1971年(昭和46年)3月1日:荷物取り扱いを廃止[3][4]無人駅[5]
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)に当駅を移管[3]
  • 2006年平成18年)
    • 7月:姫路市による駅前広場整備事業が完成。駅前ロータリー、バス停等が使用開始。
    • 7月18日:当駅から県立大工学部(姫路書写キャンパス)への路線バス試験運行を、2008年3月30日までの予定で開始し、2008年4月1日より運行休止した。
  • 2008年(平成20年)4月1日:神姫バス33 - 35系統の3路線が当駅への乗入開始。
  • 2009年(平成21年)
  • 2016年(平成28年)3月26日:ICOCAのサービス供用開始。ICカード専用簡易改札機で対応。
  • 2024年令和6年)
    • 11月30日:みどりの窓口の営業を終了[6]
    • 12月1日:終日無人化[6]

駅構造

2番線ホーム

相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な地上駅である[1]。配線は1線スルーでない。安全側線は、姫路寄り2番線に、播磨新宮寄り1番線に設置されている。両ホームを連絡する跨線橋は無く、構内踏切によりホーム間の移動が可能[1]

駅舎は木造[1]。駅舎内部には待合所・改札口・自動券売機が設置されている。構内踏切は2本のホームを結ぶだけでなく駅裏手をも結んでおり、駅裏手から駅舎を通らず直接ホームへの出入りが可能である。

のりば

のりば 路線 方向 行先
1 姫新線 下り 佐用方面
2 上り 姫路方面

※工事前まではのりば番号が無かったが、工事完了に伴い設定された。駅舎側が2番のりばである。

利用状況

「兵庫県統計書[7]」によると、2023年度の1日平均乗車人員は、2,097人である[8]。 姫新線の駅の中では姫路駅に次いで多く、姫新線単独駅としては最多である。

近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
1995年 1,641
1996年 1,739
1997年 1,748
1998年 1,831
1999年 1,793
2000年 1,753
2001年 1,686
2002年 1,627
2003年 1,675
2004年 1,679
2005年 1,650
2006年 1,646
2007年 1,694
2008年 1,736
2009年 1,676
2010年 1,751
2011年 1,856
2012年 1,949
2013年 2,081
2014年 2,041
2015年 2,113
2016年 2,191
2017年 2,265
2018年 2,254
2019年 2,228
2020年 1,787
2021年 1,909
2022年 2,055
2023年 2,097

駅周辺

当駅の約700 m南東で、夢前川が支流の菅生川を併せる。姫新線は合流点南方で夢前川を渡っており、播磨高岡駅 - 当駅間の北側車窓から合流点を望める。2015年3月に改定した「姫路市都市計画マスタープラン[9]」において、当駅周辺は「主核」たる姫路駅に対する、姫路市西部地区における「地域核」として位置付けられている。

バス路線

最寄りのバス停は「余部駅前」である。

停留所名[10] 運行事業者 路線名・系統・行先
余部駅前 神姫バス

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
姫新線
播磨高岡駅 - 余部駅 - (余部信号場) - 太市駅

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、167頁。ISBN 9784343006028全国書誌番号: 22012275 
  2. ^ 田村喜子『余部鉄橋物語』新潮社、2010年7月30日、83頁。 ISBN 978-4-10-313506-7 
  3. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、248頁。 ISBN 978-4-533-02980-6全国書誌番号: 99032190 
  4. ^ “日本国有鉄道公示第82号”. 官報. (1971年2月27日) 
  5. ^ 「通報 ●姫新線播磨高岡、余部、千本、西栗栖及び上月駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1971年2月27日、10面。
  6. ^ a b 余部駅 | 駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2024年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月28日閲覧。
  7. ^ 兵庫県統計書
  8. ^ 兵庫県統計書令和5年版
  9. ^ 姫路市都市計画マスタープランの公表”. 姫路市 (2015年6月24日). 2024年4月21日閲覧。
  10. ^ 姫路北部 運行系統図 神姫バス” (PDF). 神姫バス. 2024年4月21日閲覧。

関連項目

外部リンク


餘部駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/16 09:25 UTC 版)

餘部駅
ホーム(2011年8月)
あまるべ
Amarube
(1.8 km)
(4.6 km) 久谷
兵庫県美方郡香美町香住区余部ナワテ1861-2[1]
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 山陰本線
キロ程 187.2 km(京都起点)
電報略号 アマ
駅構造 地上駅[1]
ホーム 1面1線[1]
乗降人員
-統計年度-
74人/日
-2023年-
開業年月日 1959年昭和34年)4月16日[1][2]
備考 無人駅[1]
テンプレートを表示

餘部駅(あまるべえき)は、兵庫県美方郡香美町香住区余部ナワテにある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線である[1]

概要

駅名と地名の読みは同じだが、漢字表記が異なる。この駅の開設が1959年昭和34年)であり、1930年(昭和5年)に開設した姫新線余部駅(よべえき)との重複を避けたためである[3]。マスコミにおいては「余部駅」と表記されることもある[4][5]

豊岡駅管理の無人駅自動券売機乗車駅証明書発行機は設置されていない。

駅新設には地元住民の要望が強く反映された。余部橋梁が完成してから1950年代まで、余部集落住民が山陰線を利用するためには列車の合間を縫って徒歩で余部橋梁を渡り、トンネルをくぐって隣の鎧駅まで行く必要があった[6]1955年(昭和30年)、地元住民が駅設置の実現化に向け、国鉄に強く働きかけたり、小学校児童が県知事に駅設置を願う手紙を書くなどの行動が展開された結果、駅設置が決定した[6]。建設の際は住民たちも駅造りを手伝い[6]、その様子を描いた壁画がホーム傍に立てられていたが、新橋梁建設工事開始後は周辺案内板等と共に撤去されている。

第3回近畿の駅百選選定駅でもある。

歴史

駅構造

浜坂方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅停留所)。分岐器絶対信号機を持たない棒線駅で、ホームは豊岡方面と浜坂方面の共用である。駅トイレは老朽化や橋梁架け替え工事のため閉鎖されたが、新橋梁完成後に新設されている。

余部橋梁架け替え前のホームは、浜坂方面に向かって左側、山の斜面を背にした場所にあった。そこから線路とは反対方向に集落に下りる通路が通じていたが、橋架け替えに伴いこのスペースに新たに線路を通すこととなったことから、構内踏切が新設されて新通路が設置された。新橋使用開始に伴う線路付替えで、構内踏切は解消されている。

橋架け替えに伴う営業再開に際して、旧橋で使用されていた鋼材を切断したベンチがホームに設置されている[5]

バリアフリー設備は、多目的トイレとスロープのみ。なお、隣接する余部鉄橋「空の駅」に地上と直結したエレベーターが設置されており、6:00 - 23:00の間はこのエレベーターを介してホームへアクセスすることが可能[8][9](当駅を発着する列車は全てエレベーター運用時間内である)。

利用状況

JR西日本の移動等円滑化取組報告書によると、2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は74人である[10]

「兵庫県統計書[11]」によれば、近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
2000年 68
2001年 70
2002年 68
2003年 71
2004年 92
2005年 87
2006年 140
2007年 89
2008年 76
2009年 73
2010年 98
2011年 48
2012年 45
2013年 57
2014年 59
2015年 48
2016年 55
2020年 30

駅周辺

展望台より餘部橋梁(2023年7月)

余部橋梁が駅のすぐ東側に架かる。橋梁を望む展望台が駅裏手にあったが、橋梁の架け替え工事で山側に線路を通すため掘削されるのに伴い、2008年平成20年)4月11日をもって一時閉鎖された[12][13]。しかし、新旧橋梁切替時期から再開を望む声が多く寄せられたことによって、香美町の定例議会で再開の提案が2010年(平成22年)9月に可決され、補修工事後の2010年(平成22年)11月3日に再開された[14][15]

余部の集落は鉄橋直下にあり、駅からは長い坂道を下りていく必要がある。この坂道には階段が無く、雪の積もる冬場には滑落の危険がある程急である。また幅が狭いため自動車は通れず、駐車場が坂道の麓に設置されている。この道も橋梁工事のため2008年(平成20年)2月に一部付替えられている[4]2017年(平成29年)11月26日、隣接する余部鉄橋「空の駅」にエレベーターが整備された。

ギャラリー

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
山陰本線
鎧駅 - 餘部駅 - 久谷駅

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、142-143頁。ISBN 9784343006028 
  2. ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、304頁。 ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 田村喜子『余部鉄橋物語』新潮社、2010年7月30日、p.83頁。 ISBN 978-4-10-313506-7 
  4. ^ a b c 余部駅の仮設踏切利用開始 新鉄橋完成まで - 日本海新聞 2008年3月1日 2008年6月7日閲覧
  5. ^ a b 解体鉄橋の鋼材、ホームのベンチに JR余部駅 - 神戸新聞(但馬版)2010年8月17日
  6. ^ a b c 余部鉄橋の歴史(香住観光協会)
  7. ^ 山陰本線鎧・餘部間余部新橋りょう架替に伴う代行バス輸送について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年5月28日
  8. ^ 余部鉄橋「空の駅」展望施設とエレベーター「余部クリスタルタワー」のご案内”. 香美町. 2021年8月11日閲覧。
  9. ^ 余部クリスタルタワー」ができました!”. 香美町. 2020年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月11日閲覧。
  10. ^ 移動等円滑化取組報告書(鉄道駅)(令和5年度)”. 西日本旅客鉄道. 2025年3月15日閲覧。
  11. ^ 兵庫県統計書
  12. ^ 余部橋梁(新橋)架替工事の状況について 香美町ウェブサイト《当該掲載元サイトからは既に削除。現在はインターネット・アーカイブを通じて閲覧可能》
  13. ^ 余部鉄橋展望台、サクラが今春限り サクラ・鉄橋・日本海、最高のロケーション惜しまれ(香住区)」(PDF)『ふるさと香美』第38巻、香美町、2008年5月、p.11、2011年1月9日閲覧 
  14. ^ 余部の展望台復活へ マツバガニシーズンに合わせ”. 神戸新聞 (2010年9月23日). 2011年1月9日閲覧。
  15. ^ 余部展望所再開「はまかぜ」新車両導入で前倒し”. 読売新聞 (2010年11月3日). 2011年1月9日閲覧。

関連項目

外部リンク





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