志摩マリンランドとは? わかりやすく解説

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しま‐マリンランド【志摩マリンランド】

読み方:しままりんらんど

三重県志摩市にある水族館昭和45年1970開館マンボウ館やペンギン島などがあり、古代水族館ではシーラカンスはじめとする化石展示する


志摩マリンランド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 21:21 UTC 版)

志摩マリンランド
SHIMA MARINELAND
施設情報
正式名称 志摩マリンランド
愛称 マリンランド
専門分野 総合
事業主体 近鉄レジャーサービス株式会社
管理運営 近鉄レジャーサービス株式会社
館長 里中知之(2021年現在)[1]
面積 43,221[1]
頭数 約7,000点(2021年現在)[2]
種数 450種(2021年現在)[2]
来園者数 15万1千人(2019年度)[1]
主な飼育動物 マンボウ[3]フンボルトペンギン[3]
開館 1970年3月18日
閉鎖 2021年3月31日(形式上では営業休止)
所在地 517-0502
三重県志摩市阿児町神明賢島723-1
位置 北緯34度18分39.1秒 東経136度49分9.9秒 / 北緯34.310861度 東経136.819417度 / 34.310861; 136.819417座標: 北緯34度18分39.1秒 東経136度49分9.9秒 / 北緯34.310861度 東経136.819417度 / 34.310861; 136.819417
アクセス 近鉄志摩線賢島駅下車、徒歩2[4] - 3分[3]
公式サイト 志摩マリンランド
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志摩マリンランド(しまマリンランド)は、三重県志摩市賢島で2021年3月31日まで営業していた水族館[5]近鉄グループの一員であった。

マンボウの泳ぐ水族館」を標榜していた[3]。日本で初めてニシキアナゴの生息を確認し、和名の命名に携わった場所である[6]

海女による餌付け実演や、ペンギンに触れることのできる催しを開催していた[4]

志摩マリンランドの名称は、施設が閉鎖したものの、その後も近畿日本鉄道登録商標となっている(登録番号第3103512号。1995年12月26日登録)[7]ため、同社の許可なく、他の施設がこの名称を使用することはできない。

施設

水族館本館と古代水族館が存在し、シーラカンスなどの古代魚化石をはじめ、カブトガニオウムガイなどの生きている化石も展示しており、化石に触れることもできた。館内での展示・飼育以外にも、ともやま公園で磯観察会を開催するなど、館外活動も行っていた[8]

  • 開館時間:9:00 - 17:00(7・8月のみ17:30まで)[3][4]
  • 休館日:なし[3][4]
  • 入場料
    • 大人:1,500円、中高生:1,000円、小学生:600円、幼児(4歳以上):300円(2021年3月30日時点[9]
    • このほか、「賢島マリンセット券」(賢島エスパーニャクルーズとセット)、志摩スペイン村など周辺のレジャー施設とセットの「あそばんせ」、「まわりゃんせ」などのクーポンも利用可能だった[10]
  • 駐車場:乗用車:約120台(無料)[4]、バス:14台
  • 敷地面積:43,221 m2[1]

沿革

マンボウモニュメント。日本で獲れた最大のマンボウをモデルとしており、高さ・幅ともに3.3 mである[11]。休館の翌日、2021年4月1日に撤去され、敷地内の別の場所で保管されていたが、2022年1月27日には北牟婁郡紀北町の「道の駅紀伊長島マンボウ」に移設された[11]

近鉄グループにおける志摩観光の拠点の一つで、1970年3月に開館。親会社である近畿日本鉄道が同年、大阪万博の開催に合わせて大阪難波賢島間の直通運転を開始するにあたり観光客誘致のために、また近鉄が創業60周年を迎えることから、その記念事業の一つとして志摩線終点の賢島に設置した。周辺海域でマンボウの水揚げが多いことから、1981年(昭和56年)よりマンボウの飼育を開始した[12]

貴重な生物の飼育にも積極的であった。ホシエイ飼育の世界記録(28年16日=10,243日)を保持しており、2014年11月3日に亡くなった時点で体盤幅205 cm、全長は285 cmあり、確認されたホシエイの最大記録である。2013年(平成25年)には背びれ下の背中に「寿」の旧字体「壽」とも読める模様があるカンパチが入館者に発見され、『探偵!ナイトスクープ』で放送された[13]。このカンパチは2014年(平成26年)6月3日に死亡した[14]。 2015年、生き餌としてピラルクーのエサにされ、濾過槽に逃げ込み7年間潜伏した金魚が話題になった[14]

2009年(平成21年)11月、志摩マリンランドで飼育されていたフンボルトペンギンの「志摩ちゃん」が賢島駅の特別駅長に就任した[15]

また、上皇明仁上皇后美智子をはじめ皇族が来館したこともあった[2]。上皇は皇太子時代から3度来館した[2]

2016年(平成28年)3月1日、改装工事を終えてリニューアルオープンした[16]。同工事では、クラゲコーナーに発光ダイオード(LED)照明の円柱形の水槽を新設したほか、駐車場の舗装の張り替えや、日本で捕獲された最大級のマンボウとほぼ同じサイズの繊維強化プラスチック(FRP)製のマンボウモニュメントの設置などが行われた[16]

営業休止

建物・設備の老朽化が著しく、維持管理は困難であると判断したため、2021年(令和3年)3月31日をもって営業を休止[1]近鉄グループホールディングスでは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、レジャー部門の不採算事業の縮小・撤退を進めると2020年(令和2年)11月に公表したが、志摩マリンランドの休止はその一環ではなく、あくまでも施設の老朽化のためとしている[2]。従業員35人は志摩スペイン村など近鉄グループの施設へ配置転換し、飼育生物は他の施設へ受け入れを依頼する[2]

2021年10月末までに全ての生き物が県内外の施設に引き継がれることになった[17]

入館者数の推移

2005年[18]
172,435人
2006年[18]
171,239人
2007年[18]
197,321人
2008年[18]
206,093人
2009年[18]
195,171人
2010年[18]
175,484人
2011年[18][19]
186,858人
2012年[18][19]
184,267人
2013年[18][19]
167,966人
2014年[19]
151,769人
2015年[19]
159,335人
2016年[19]
163,421人
2017年[19]
145,920人
2018年[19]
154,784人
2019年[19]
163,882人
2020年[19]
104,608人

主な飼育生物

海女の餌付け実演

賢島神社

賢島神社

2011年(平成23年)9月に[20]、賢島(かしこじま)の地名にちなみ、賢島神社(かしこいしまじんじゃ)がマリンランド内に設置されていた[21]。職員が手作りした木製社殿の中に450Lの水槽を置き[22]、「学力が上向きになるように」との意味合いを込め、を上にして泳ぐ[22]アオギハゼ50匹とオオウミウマ(タツノオトシゴ類)10匹[20]を「神体」として祀り、学力向上や合格祈願、運気上昇などに利益があるとしていた[21]祭神八意思兼神水神も合わせて祀っていた[20]。参拝者が投じた賽銭日本動物園水族館協会の野生動物保護基金に寄託された[20]

2014年12月22日には、学業成就を祈願する神事が行われ、地元の神明神社の宮司が祝詞を奏上し、職員が玉串を奉納した[20]

交通アクセス

周辺施設

近鉄グループの観光施設が多い。

脚注

  1. ^ a b c d e 志摩マリンランドの営業休止について』(PDF)(プレスリリース)近鉄レジャーサービス/近畿日本鉄道、2021年1月29日。オリジナルの2021年1月29日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210129065306/https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/simamarinnkyuu.pdf2021年1月29日閲覧 
  2. ^ a b c d e f 「志摩マリンランド休止へ 3月末、老朽化で維持困難」中日新聞2021年1月30日付朝刊、社会面10版②、29ページ
  3. ^ a b c d e f g h i j 辰巳出版 2012, p. 104.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n ぴあ株式会社 2013, p. 71.
  5. ^ 水槽の中から「さようなら」 志摩マリンランド営業休止”. 朝日新聞 (2021年4月1日). 2021年4月2日閲覧。
  6. ^ “志摩マリンランド 人気者ニシキアナゴ、和名の名付け親は…/三重”. 毎日新聞. (2017年5月18日) 
  7. ^ 特許情報プラットフォームで「近畿日本鉄道」と入力した際に出てくる検索結果。なお、同ページの仕様上、個別のページ向けにURLが設定されていない。
  8. ^ 志摩市産業振興部観光戦略室ともやま公園事務所 2011, p. 4.
  9. ^ 入館料・営業時間”. 志摩マリンランド. 2021年4月10日閲覧。 “Internet Archiveによる2021年3月30日時点のアーカイブページ。”
  10. ^ お得なきっぷのご案内”. 志摩マリンレジャー. 2021年4月10日閲覧。 “Internet Archiveによる2021年1月31日時点のアーカイブページ。”
  11. ^ a b 阿部竹虎 (2021年4月10日). “巨大マンボウ、どこへ?志摩マリンランドのモニュメント”. 中日新聞. 2021年4月10日閲覧。
  12. ^ a b 藤原啓嗣「なるほどランド 謎多いマンボウ」中日新聞2016年4月3日付朝刊、ジュニア中日20ページ
  13. ^ カンパチの背中に「寿」の文字ー志摩マリンランドの巨大回遊水槽の中で発見”. 伊勢志摩経済新聞 (2013年2月16日). 2016年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月31日閲覧。
  14. ^ a b c 「ピラルクーから逃げ延びた金魚」志摩マリンランドの地下のろ過槽で見つかる”. 伊勢志摩経済新聞 (2015年5月1日). 2016年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月31日閲覧。
  15. ^ 飯田竜司 (2010年11月23日). “ペンギン駅長、1周年で感謝状 近鉄賢島駅”. 中日新聞. 2010年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月2日閲覧。 “Internet Archiveによる2010年11月25日時点でのアーカイブページ”
  16. ^ a b 巨大マンボウ現る 志摩マリンランドがリニューアルオープン”. 中日新聞 (2016年3月2日). 2021年1月31日閲覧。 “Internet Archiveによる2016年3月2日時点のアーカイブページ。”
  17. ^ “志摩マリンランド ペンギン、鳥羽水族館に移住 全生き物、来月中に県内外へ 三重”. 伊勢新聞. (2021年9月24日). https://web.archive.org/web/20210924124439/https://nordot.app/813939750358515712 2021年9月24日閲覧。 
  18. ^ a b c d e f g h i 志摩市観光振興計画(案)”. 志摩市 (2015年2月). 2017年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月31日閲覧。
  19. ^ a b c d e f g h i j 令和2年志摩市観光統計(令和2年1月1日〜令和2年12月31日)”. 志摩市産業振興部観光課. 2021年7月9日閲覧。
  20. ^ a b c d e 丸山崇志「受験生合格を祈願 志摩 水族館内の賢島神社で」中日新聞2014年12月23日付朝刊、三重版20ページ
  21. ^ a b 「学力向上や運気アップ? 志摩マリンランドに賢島神社お目見え」2011年10月1日付伊勢志摩ホームニュース第166号、1ページ
  22. ^ a b 「通風筒」中日新聞2011年9月17日付朝刊、社会10版広域35ページ

参考文献

  • 80年のあゆみ - 近畿日本鉄道株式会社 1990年
  • 志摩市産業振興部観光戦略室ともやま公園事務所『〜ともやま公園ガイドブック〜 志摩市ともやま公園 ともやまDE遊ぼう!!』志摩市産業振興部観光戦略室ともやま公園事務所、2011年、13頁。 
  • 『いちばん楽しい水族館の歩き方』辰巳出版〈タツミムック〉、2012年11月20日、111頁。ISBN 978-4-7778-1064-2 
  • 『見て、さわって、癒される水族館ぴあ』ぴあ株式会社〈ぴあMOOK〉、2013年4月10日、130頁。 ISBN 978-4-8356-2182-1 

関連項目

外部リンク



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