下関市立しものせき水族館とは? わかりやすく解説

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しものせきしりつ‐しものせきすいぞくかん〔‐しものせきスイゾククワン〕【下関市立しものせき水族館】

読み方:しものせきしりつしものせきすいぞくかん

海響館正式名称


下関市立しものせき水族館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/01 13:39 UTC 版)

下関市立しものせき水族館 海響館
Shimonoseki Marine Science Museum KAIKYOKAN

施設情報
正式名称 下関市立しものせき水族館[1]
愛称 海響館
前身 下関市立水族館
専門分野 フグペンギン[2]
事業主体 下関市
管理運営 公益財団法人下関海洋科学アカデミー(指定管理者[3]
開館 2001年平成13年)4月1日[2]
所在地 750-0036
山口県下関市あるかぽーと6番1号[1]
位置 北緯33度57分16.1秒 東経130度56分32.7秒 / 北緯33.954472度 東経130.942417度 / 33.954472; 130.942417座標: 北緯33度57分16.1秒 東経130度56分32.7秒 / 北緯33.954472度 東経130.942417度 / 33.954472; 130.942417
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下関市立しものせき水族館(しものせきしりつしものせきすいぞくかん)は、山口県下関市唐戸地区あるかぽーとにある水族館2001年平成13年)4月1日に開業した。愛称は海響館(かいきょうかん)。指定管理者制度により、公益財団法人下関海洋科学アカデミーが管理・運営を行っている。

歴史

かつて下関市には長府地区に1956年昭和31年)11月29日に開館した「下関市立水族館」があったが、老朽化が進んできたことから当館を建設・移転することとなり[4]、ウォーターフロント開発の一環として1991年(平成3年)12月には下関市役所内に水族館整備研究会が設置され[2]1999年(平成11年)2月から当館の本工事が開始された[5]。しかし旧下関市立水族館は当館建設中の1999年9月24日に上陸した台風18号で甚大な被害を受け[4]、一部の動物などの海への流失[注 1]など壊滅的被害が出たため、当館の開館を待たず2000年(平成12年)12月に閉館した[注 2][4]

当館は2001年(平成13年)3月に竣工し[2]、同年4月1日に旧水族館の役割を継承する形で開館した[4]。その後、2010年(平成22年)3月1日には「下関市と深い関わりがあり[注 3]、集客効果も高い動物」との理由からペンギンを中心に展示した水族館としてリニューアルオープンした[2]。展示生物数は2010年3月時点で約550種・約25,000点におよぶ[8]

2024年(令和6年)12月1日から大規模改修のため長期休館に入り、2025年(令和7年)夏に再オープンする予定である[9]

展示

フグが名産品となっている土地の利を生かし[2]、世界でも最多級となる100種類以上のフグ目魚類を展示している[10]。水族館の大屋根の形状は大型水生動物(クジライルカ)をイメージして設計されている[2]

館内の「フンボルトペンギン特別保護区」

また2階の「フンボルトペンギン特別保護区」[11] はフンボルトペンギンの重要な生息地であるチリアルガロボ島の環境を再現しており、チリ国立動物園などからなるチリ国立サンティアゴ・メトロポリタン公園より同種の生息域外重要繁殖地として指定を受けている[12]

イメージキャラクターとして小倉優子がおり、不定期で小倉出演のCMが山口県と近隣で放送される。しかし最近は展示内容の充実もあり、展示内容そのものを前面に押し出した広告が中心となっている。

シロナガスクジラの全身骨格標本

日本で展示されている唯一のシロナガスクジラの全身骨格標本

1階の無料ゾーンには世界に数体しか存在せず[2]、日本国内では唯一となる[13]シロナガスクジラの全身骨格標本(実物)が展示されている[14]

同個体は1880年代にノルウェー北部フィンマルク[注 4]で捕獲されたもので[14]、長さは約26メートルにおよび、生息時の体重は106トンと推定されている[15]。100年以上にわたりノルウェー・トロムソ大学博物館で保存されていたが、国際捕鯨委員会(IWC)科学委員会が推進する「シロナガスクジラ回復プロジェクト」に関連した日本・ノルウェーの共同研究用資料として日本にもたらされ[14]、同博物館より無償貸与・展示されている[13]。またくじらの博物館和歌山県東牟婁郡太地町[16]道の駅和田浦WA・O!千葉県南房総市)にてそれぞれこの骨格標本のレプリカが展示されている[17]

周辺

東側・唐戸市場より

アクセス

脚注

注釈

  1. ^ 特にゴマフアザラシは雌雄2頭(雄の「ハツオ」と雌の「マル」)が高潮により流失し行方不明になったが、「マル」は6日後(9月30日)に下関市細江町の岸壁で無事保護され[6]、「帰ってきたアザラシ」として話題になった[7]
  2. ^ 1999年の台風18号で被災してから事実上閉館状態にあったが、2000年4月15日をもって閉館(正式な閉館日)。その後は同年12月3日まで一部施設の無料開放が行われていた。
  3. ^ 1957年(昭和32年)2月13日に大洋漁業捕鯨船下関港へ寄港して旧水族館へコウテイペンギンを寄贈したことがあった[2]
  4. ^ 大西洋[2]

出典

  1. ^ a b 下関市海洋環境体験施設の設置等に関する条例”. 下関市 公式ウェブサイト. 下関市 (2020年2月26日). 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 館長:石橋敏章. “館長挨拶”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  3. ^ 下関市の指定管理者制度”. 下関市 公式ウェブサイト. 下関市 (2020年2月26日). 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  4. ^ a b c d あくあはーつ通信 Vol.229 Happy Sixtieth”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館 (2016年11月29日). 2020年4月10日時点のhappy-sixtieth/ オリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  5. ^ あくあはーつ通信 vol.245 巨大展示物の組み立て”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  6. ^ アザラシ、高波にさらわれ逃走中(山口県下関市長府)」(PDF)『にぎわい通信』第22巻、日本海にぎわい・交流海道推進協議会事務局 第四港湾建設局 海域環境課、1999年10月、7頁、 オリジナルの2020年5月28日時点におけるアーカイブ、2020年5月28日閲覧 
  7. ^ フロアマップ > ゴマフアザラシ”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月28日閲覧。
  8. ^ しものせき水族館 海響館”. 下関市 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館 (2010年3月17日). 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  9. ^ 「海響館」来夏までお別れ”. 山口新聞. 2024年12月1日閲覧。
  10. ^ 海響館のフグの仲間たち”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  11. ^ フロアマップ”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  12. ^ フンボルトペンギン特別保護区”. 海響館 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  13. ^ a b 白石昌幸「山口)海響館のクジラ標本を点検 ノルウェーの博物館長」『朝日新聞デジタル朝日新聞社、2019年3月21日。オリジナルの2020年4月10日時点におけるアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  14. ^ a b c 市報しものせき2013年12月号テキスト版”. 下関市 公式ウェブサイト. 下関市立しものせき水族館 (2013年12月1日). 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  15. ^ 下関・長門鯨文化交流事業推進協議会. “下関・長門くじらマップ” (PDF). 下関市 公式ウェブサイト. 下関市・長門市. p. 6. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  16. ^ 施設案内・イラストマップ”. くじらの博物館 公式ウェブサイト. 日本和歌山県東牟婁郡太地町: くじらの博物館. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月10日閲覧。
  17. ^ 全長26メートル、クジラの骨格標本展示 捕鯨の町に巨大シンボル 南房総「和田浦WA・O!」」『千葉日報』千葉日報社、2013年2月7日。オリジナルの2020年4月10日時点におけるアーカイブ。2020年4月10日閲覧。

関連項目

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