心房中隔欠損症とは? わかりやすく解説

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しんぼうちゅうかくけっそん‐しょう〔シンバウチユウカクケツソンシヤウ〕【心房中隔欠損症】

読み方:しんぼうちゅうかくけっそんしょう

心臓の右心房左心房の間にある心房中隔に穴が開いている病気乳幼児期に自然に閉じることが多いが、穴が大きく肺や心臓への負担大き場合手術が必要となる。


心房中隔欠損症

疾患概要
心臓帰ってくる血液受入れるところを心房といい,酸素をたくさん含んだ血液帰ってくるところが左心房,体を廻って酸素失い炭酸ガスをたくさん含んだ血液帰ってくるところが右心房です.左右心房心房中隔という壁で区切られており,両方血液混ざらないようになっていますが,生まれつきこの壁に穴があいている状態が心房中隔欠損症です.
欠損孔の位置により一次欠損型(心内膜欠損型),二次欠損型,静脈洞型に分類され一般的に心房中隔欠損症といえば二次欠損指します
先天性心疾患の7〜10%占め比較的よく見られる病気です.通常左心房血液右心房流れこみますが,成人まで放置されときには稀に右から左流れることもあります乳幼児期に心不全症状現れることはほとんどなく,三才検診や,小学校入学時の検診疑われ発見されることが大部分です.肺静脈還流異常,肺動脈狭窄心室中隔欠損などを伴うことがあります
心房中隔欠損症

検査
聴診器聴く心音胸部エックス線写真心電図心エコー図(心臓の超音波検査による像)などで特徴的な所見から診断されます.また,血管入れた管を心臓にまで進める右心カテーテル検査では欠損孔を通ってカテーテル左房入れることができます.この検査によって右房血液が普通よりも酸素をたくさん含んでいること,重症になったときには肺へゆく血管血圧高くなっていること(肺高血圧)も見つけることができます

手術
心不全になっているときはすぐに手術が必要ですが,そのような状態は多くありません.学校にゆく前でかつ無輸血開心術可能な4〜6才に手術を行うのが普通です.症状がでるのが遅かったり,発見遅れたときにも,検査結果から必要であれば成人する前に手術するのが良いとされています.
血液いわゆる人工心肺循環させ心臓停止させた状態で,直接欠損孔を閉鎖します欠損そのもの縫って閉じることが多いのですが,人工パッチをあてなければならないこともあります開心術としては易し手術一つ心臓止めておく時間短く肺高血圧心不全伴わないときの手危険率はほぼ0%です.最近では胸を切り開く切開小さくする小切開手術が多くなっています.また,カテーテル用いて欠損孔を閉じ方法進歩著しく近い将来はほとんどがカテーテル治療になると思われます.


心房中隔欠損

(心房中隔欠損症 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/17 07:10 UTC 版)

心房中隔欠損(しんぼうちゅうかくけっそん、: atrial septal defect,ASD)は心臓の右心房と左心房を隔てる心房中隔に穴が開いた病気。


  1. ^ 正常では「右心室から肺に送る血液(QP)」と「左心室から全身に送る血液(QS)」は同じ(QP=QS)はずだが、心房中隔欠損など左→右短絡があると左心室から全身に送られずに肺にまた流れる血液があるのでQP/QSがより大きくなる。
    なお、パーセンテージであらわされる場合もあり、QP/QS=2の時は短絡率50%になる。((高橋2015)p.145「治療」
  2. ^ 特にパッチの場合は大きな欠損孔や辺縁部が脆弱な場合でも使える強みがある。


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