フォンタン手術
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フォンタン手術(フォンタンしゅじゅつ、英: Fontan procedure)とは、単心室症を含む複雑心奇形に対する機能的修復術である。体循環からの静脈血を直接肺動脈に流す(即ち、解剖学的右室をバイパスする = フォンタン循環)ように血流を転換する手術である。本術式は1971年にフォンタンとクロイツェルにより三尖弁閉鎖症に対する外科治療としてそれぞれ独立に報告された[1] [2]。
- ^ Fontan F, Baudet E (1971). “Surgical repair of tricuspid atresia”. Thorax 26 (3): 240–8. doi:10.1136/thx.26.3.240. PMC 1019078. PMID 5089489 .
- ^ Kreutzer G, Galindez H, Bono H, (1973). “An operation for the correction of tricuspid atresia.”. The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery 66 (3): 613–21. PMID 4518787.
- ^ 中田誠介, 今井康晴 (1986). “低肺血流性先天性心疾患における肺動脈発育度の新しい定量的評価法”. 日本胸部外科学会雑誌 34 (2): 147-157 .
- ^ Leval, Marc R de (2005). “The Fontan circulation: a challenge to William Harvey?”. Nature Clinical Practice Cardiovascular Medicine 2 (4): 202–208. doi:10.1038/ncpcardio0157. PMID 16265484
- ^ 「犬の三尖弁を閉鎖して右心房と肺動脈を道管でつなぎ、疑似的な三尖弁閉鎖患者にフォンタン手術をした状態にした後、循環が安定したのを確認したうえで、電気刺激で心房細動を起こさせる。」というもの、もし右心房の力で肺血流が保たれているなら心房細動で血液が流れなくなるが、実際は心房細動分だけ流量が減っただけ(正常の心臓でもこの現象は起こる)だった。
- ^ 下大静脈がなく、冠静脈と肝静脈血以外は全て奇静脈を介して上大静脈に戻っていた
- ^ 川島(2010)p.276-277
- ^ 川島(2016)p.5-6
- ^ a b 川島(2016)p.5
- ^ http://www.dhg.org.uk/information/procedures.aspx
- ^ Bonita F. Stanton; Kliegman, Robert; Nelson, Waldo E.; Behrman, Richard E.; Jenson, Hal B. (2007). Nelson textbook of pediatrics Robert M. Kliegman, Richard E. Behrman, Hal B. Jenson, Bonita F. Stanton. Philadelphia: Saunders. ISBN 1-4160-2450-6
- ^ Yuan SM, Jing H (2009). “Palliative procedures for congenital heart defects”. Arch Cardiovasc Dis 102 (6-7): 549–57. doi:10.1016/j.acvd.2009.04.011. PMID 19664575 2010年2月27日閲覧。.
- ^ Jacqueline M. Leung (10 March 2004). Cardiac and vascular anesthesia: the requisites in anesthesiology. Elsevier Health Sciences. pp. 125–. ISBN 978-0-323-02043-5 2011年6月21日閲覧。
- ^ 藤井(2010)p.301
- ^ 腸管からの蛋白漏出を主病態とし,様々な臨床像を呈する疾患
- ^ 循環動態の変化に起因するこれらの遠隔期合併症をフォンタン術後症候群といい、術後10年で約50%が陥る。2015年に児童福祉法が改正され、小児慢性特定疾病に加えられた(小児慢性特定疾患情報センター - フォンタン(Fontan)術後症候群 概要)。
- ^ グレン手術の時に上大静脈から下大静脈右心房系に行く体静脈側副血行路もあるが、これはフォンタン手術を行えば臨床的な問題はない。(藤井(2010)p.304-305)
- ^ 藤井(2010)p.305
- ^ Mair DD, Puga FJ, Danielson GK (November 1992). “Late functional status of survivors of the Fontan procedure performed during the 1970s”. Circulation 86 (5 Suppl): II106–9. PMID 1423987.
- ^ Behrman, Richard E.; Robert M. Kliegman, Hal B. Jenson (2004). Nelson Textbook of Pediatrics (17th ed.). Saunders. ISBN 0-7216-9556-6
- ^ フォンタン手術の過去,現在,未来 - 日本小児循環器学会雑誌 第24巻 第1号 2008年 巻頭言
- 1 フォンタン手術とは
- 2 フォンタン手術の概要
- 3 治療方針
- 4 合併症・予後
- 5 参考文献
グレン手術
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第一段階の手術は、グレン手術またはヘミフォンタン手術(Hemi-Fontan procedure)と呼ばれる。まず肺動脈に対する血液供給を担う血管(BTシャントやノーウッド手術後のシャント、動脈管など)が遮断される。次いで、上半身からの静脈血が流れる上大静脈(SVC)を右房から離断し、肺動脈に縦切開を加えて端側吻合する。 (上大静脈の血液は重力で下降して流れ落ちるので、心室拍動なしでも肺動脈に流れ込み滞留はほとんど起きない。) この時点で、上述の肺循環と体循環の微妙なバランスから開放され、単心室に課せられる過剰な仕事量が軽減されるため、多くの場合順調な成長・体重増加が得られるようになり、体力・抵抗力もついてくる。しかし、下半身からの血流が帰ってくる下大静脈(IVC)は右房に繋がったままであり、肺に直接灌流しないため、チアノーゼは依然として残っている。従って多くの場合第二段階の手術、即ちフォンタン手術が検討されることになる。 なお、グレン手術はもともと三尖弁閉鎖症に対する姑息術として報告され、原法では上大静脈を右肺動脈に吻合する術式であったが、現在では左右両肺動脈に流れるように繋ぐ術式が一般的であるため、両方向性グレン手術(Bidirectional Glenn procedure, BDG)とも呼ばれる。 こちらの目的で使用する場合はBTシャント術とも競合するが、こちらの方が静脈血を肺に流すので酸素交換の候率が良く(BTシャントは動脈血を肺に送っている)、心室の負荷が増えないというメリットがあるが、逆に単心室の心室に中隔を作る手術のため心室を鍛えて大きくする必要がある場合などは前述の負荷がかかるBTシャントと使い分けられていた。
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