だいどうみゃくべん‐きょうさくしょう〔‐ケフサクシヤウ〕【大動脈弁狭×窄症】
大動脈弁狭窄症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/19 14:26 UTC 版)
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう、英Aortic valve stenosis:AS)は、大動脈弁口の狭窄によって全身に血液が送り出されにくくなる疾患である。
病態

大動脈弁口の面積が減少すると抵抗が増し、心収縮期に血液が全身に送り出されにくくなる。その結果、収縮期血圧が低下し様々な臨床症状を呈するようになる。
正常な大動脈弁口の面積は3cm2程度で、1.5cm2以下になると臨床症状が現れる。
大動脈弁狭窄症の主な成因は先天性、リウマチ性、加齢変性性の3つで、最近は加齢変性性のものが増加傾向にある。65歳以上において加齢変性による大動脈弁硬化は29%、弁狭窄は2%に認められると報告されている。
症状
症状出現と生命予後の関係は、狭心痛出現後5年、失神後3年、心不全後2年と言われている。[1]
検査
- 聴診
- Ⅱ音の奇異性分裂
- Ⅳ音の聴取
- 胸部X線写真
- 右第1弓の突出
治療
- 大動脈弁置換術(AVR)
- 自己心膜による大動脈弁再建術(AVRec、尾崎法)
- 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI: タビ)
出典
- ^ 藤田, 勉 (2016年5月18日). “経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI) 重症大動脈弁狭窄症に対する最新の治療”. 医療法人札幌ハートセンター. 2016年8月4日閲覧。
関連項目
大動脈弁狭窄症
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詳細は「大動脈弁狭窄症」を参照 大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう;aortic stenosis AS)は、何らかの原因で左心室から大動脈へ血液を流す大動脈弁口が狭まった病気。 誘因・原因 原因は先天性、リウマチ熱の後遺症(後天性)、硬化性変化(後天性)など。 先天性は大動脈弁形成の異常で通常3枚の弁尖が2枚になっている大動脈弁二尖弁が多い(稀に単尖弁の場合もある)。先天性だが他に異常がない場合は若年の間は弁変性も進行せず40代ぐらいから弁病変が悪化して60代ぐらいで症状出現が多い。 リウマチ熱はかつては最多の原因だったが、2017年現在では減少。 硬化性変化は加齢によるもので、2017年現在増加している。60代以降から弁病変が徐々に進行し、70代後半から症状が出現する。 病態・症状 狭まった大動脈弁に血液を通そうとして左心室に負荷がかかり、左室が肥大する。これによってある程度は心機能は保持されるが長期間経過で心不全などの症状が潜在化する。 初期症状は軽度の労作による息切れや動悸、易疲労性。進行すると狭心痛・失神・めまい・むくみなどの鬱血性心不全。 左室肥大による心機能保持で長期間無症状だが、自覚症状が出始めた時はすでに病態が進行しており、放置するとここから急速に生存率が悪化し、心不全症状出現から2年・失神発作から3年・狭心痛から5年が平均余命である。 分類 統計 先天性 (ICD-10: Q23.0) 後天性 (ICD-10: I35.0) 治療 高度大動脈弁狭窄の場合は「大動脈弁置換術(AVR)」で人工弁につけ変える、開心術が困難な場合は「経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)」が施行される場合もある。
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