帝国初のグランド・モフとなるまで
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「グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン」の記事における「帝国初のグランド・モフとなるまで」の解説
ターキンは元々、惑星エリアドゥの貴族出身で、この工業惑星の副総督も兼任していた。以前、通商連合とヴァローラム銀河元老院最高議長との間で会談が行われた際に、自ら議長の接待役を務め、以後中央権力への足掛かりを掴む。だがこれが同時に、ヴァローラムにとっては失墜の始まりとなる。 数年後、ターキンは共和国辺境領域保安軍の中佐として、三十代半ばにしてパルパティーン元老院最高議長や、その他多くの権力者達との繋がりを持っていた。 なお、この「共和国辺境領域保安軍」の存在は、一見すると『エピソード2/クローンの攻撃』で明かされた「クローン大戦開戦前には銀河共和国が戦争に対応できる軍隊を保持していなかった」という設定と矛盾しているように見える。しかし、ジェームズ・ルシーノによって執筆された正史の小説『ターキン』では、この共和国辺境領域保安軍が、エリアドゥの属するセスウェナ宙域に於ける海賊や密輸行為の取り締まりを目的に結成された自警団を元に発展した、地方の自治組織に近い性質の組織であることが語られている。ルーカスフィルムによってなされた「歴史の編纂」では、この軍隊の日本語名称は共和国保安部隊や共和国辺境宙域警備隊に変更され、銀河共和国が崩壊する数十年前に保有していた、宇宙空間での戦闘を想定した特殊部隊の1つという位置づけになっている様である(パナカ隊長が実戦経験を積む為に一時出向していた共和国特殊機動部隊も銀河の治安維持が主要任務の1つであり、同じ類の部隊だと考えられる)。 クローン大戦の時代にはターキンは共和国軍大佐の地位に就いており、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ (テレビアニメ)』ではジェダイ・マスター・イーヴン・ピール指揮下の部隊に配属されている。共和国と独立星系連合との拠点を結び、互いにとって敵の手に渡れば致命傷になりかねない、ネクサス・ルートの座標を発見したピールの部隊は、その後独立星系連合の捕虜となり、尋問の為にジェダイ専用の刑務所であるシタデルへと連行されてしまう。この時ピールは戦艦のコンピュータから座標のデータを削除し、その座標を分割してターキンと共に記憶していた。共和国部隊による救出作戦の際にイーヴン・ピールは殺害されてしまうが、ピールが記憶していた情報は、彼の死の間際にアソーカ・タノに伝えられターキンも脱出に成功した。しかしネクサス・ルートの座標についてアソーカは、ジェダイ評議会にのみ報告を行う様命じられており、ターキンもパルパティーン最高議長にのみ報告する様に命じられていると主張した。その為ジェダイ評議会は、この件についてパルパティーンとの協議を余儀なくされた。この時ターキンは、シタデルからの脱出時に、敵よりも明らかに戦力が劣っているにも関わらず、力に頼った強引な作戦を提案したり、要塞としてのシタデルの強固さを賞賛するなど、後のデス・スター構想へと繋がる思想の片鱗を見せていた。その後ターキンは提督に昇進し、アソーカがジェダイ聖堂を爆破したテロの容疑をかけられた際には裁判の統括を担当することになる。ターキンはアソーカの有罪を確信し、彼女に死刑を言い渡そうとしたが、直前でアソーカの師であるアナキン・スカイウォーカーが法廷に現れ、バリス・オフィーが真犯人であることを告発した。この事はその後の数年間にわたりターキンとアナキン、すなわち後のダース・ベイダーとの関係に禍根を残すことになる。 やがてターキンはクローン大戦終盤にエリアドゥに総督として帰任し、惑星ジオノーシス(非正史のスピンオフの設定では流刑惑星デスペイヤー)にて秘密裏の内にデス・スターの建造に着手した。 パルパティーンが自ら皇帝を称して銀河帝国を建国した直後、ターキンの冷徹さを象徴する事件が起きる。彼は独立星系連合に属していた惑星アンターIVへの報復攻撃を命じられたのだが、この惑星の住民には共和国を支持して惑星政府に反旗を翻していた者や、彼らを支援するために共和国によって派遣された工作員らも存在していた。しかし、ターキンはそうした者達までも数多く逮捕、処刑するよう命じたのである。この情報がメディアに流出すると、ターキンは激しい批判を浴びることになった。皇帝はそうした騒動からターキンを遠ざけるために、彼を独立星系連合残党の掃討作戦に派遣し、その後辺境基地の司令官という閑職に付ける事で事態の収拾を図る。この処分は一般的には左遷として受け止められていたが、実際にはターキンがアウター・リムでデス・スター建造を指揮していることへの隠蔽工作であった。 そして帝国樹立から五年後、ターキンは帝国初のグランド・モフという要職に任命されることとなる。帝国では当初、軍部内における総督職の最高位として「モフ」と呼ばれる階級を創設し、この階級に就く者が一つの星系や宙域を直轄する制度を敷いていた。そしてターキンもこのモフに任命された最初の二十人に含まれていたのだが、彼は複数の宙域に跨るオーバーセクターと呼ばれる領域を新たに制定し、その統治を総括する上位階級を置く必要があると考え、自ら皇帝に進言していた。グランド・モフとはこのターキンの進言に基づいて創設された、モフの上位に位置する階級である。これは事実上、皇帝が重臣たるターキンのために新設した最高階級であり、皇帝、ダース・ベイダー、ターキンの三人が銀河帝国の建国者であることの象徴でもあった。ターキンの場合、アウター・リムのほぼ全域を統括する権限を与えられていた。
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